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「ひどいなーアタシ、戦いたくないのに……」と言って、モモナーは前に両手を交差し、そのまま少し下に下ろす。
さっき目で追いつけない攻防の中、彼女は会長の攻撃を防いだ。
「ほう……まさかさっきの一撃が防げるとは。かなりの実力を秘めているね。君。」
「ハハ!ありがとう。でも、冷たいな……」
「うん?」と会長は疑問の顔をしている。
「久しぶりだったのに、こんな躊躇もない激しい挨拶はさすが“アタシ”でも引いてしまうよ?」とモモナーは構える態勢を解いて、服装を整理し、ほこりを振り払う。
この子、何を言っているんだ?と会長はまだわからない。わかるはずもない。モモナーという存在は。
そして、会長の表情を観察し、モモナーは仕方ないような笑顔を出した。
「アタシのこと、覚えてないか……まあ、無理もないか。あれは昔のことだったし、今こんな姿だった――ああ!」
(違うよ!蔑んでいるわけじゃないってわかるでしょう!むしろすぐ思い出した方が怖いという意味なの!)
姿全貌が変わったのに、すぐ思い出した方が逆におかしい。一番特徴的なそばかすが残っているにしても、それだけのこと。あとは雰囲気と口調……
「……いや、そもそももっと大事なことがある。会長にとって、“アタシ”はとっくに“死んでいた”の……だから、わかるはずがない。たぶん違和感くらい覚えているだろう。」チラッ。
会長は疑問のまま、何もわからない。わからないが、会長はモモナーの言う通り、違和感くらい覚えている。五人大混戦の時にもう感じたのだ。
モモナーの戦いの手法と顔立ちの雰囲気、会長に“うーん、この女……”とある故人に思い出させた。
しかし、容姿が全く違っているため、深く考えるのをやめた。ただの勘違いかもしれないから。
それに、今モモナーが自分にチラ見したことに気付き、わざとらしい言動が逆に何かの思惑があるじゃないかと、会長は素直に違和感を覚えていることを認めるつもりがなかった。だから、
「……わけのわからない独り言はもういい。そろそろ答えてくれないか。モモナーさんは『賞金首のグリン』と、どういう関係だ?」と会長が否定した。
これを聞いて、モモナーは息を吐いた。
(こういう“交渉”の仕方、アタシあんまり得意じゃないんですけど……ま、君よりマシか。)
「そうね。さっきの兄妹という『関係性』が気に入らない?でも、事実だよ。」
「嘘をつかないでくれ。」と会長は眉をひそめた。
「本当だったのに……」
「違う。君は嘘をついた。“検査”でわかったのだ。」
「あーそういう類の能力ね。魔法じゃない。」とモモナーは誰に説明しているように繰り返した。
「ああ。で、もう一度言うが、本当のことを言え。手を出さないから。」
さっきもう打ってたくせに……とモモナーが口を尖って、ボソッと呟く。
「何が言った?」
「いや、何でもなーい。」
「ったく――」うん?何、この感じ……と、会長はモモナーとの交流で、お馴染みの感じが心に伝わった。
いいや……ありえない。でも――会長の考えがモモナーの言葉に中断された。」
「じゃあ“アタシ”、本当のことを言うけど、信じてくれる?」
「そりゃあ……言ってみないとわからないんだが?」
そして、わざとらしいんだが、会長は気付いた。
そういえば、口調が……モモナーが時々砕けるような言い方が明らかにどこかが違った。
確かに雰囲気が似ているけど、でも、“彼女”はもういなくなったはず……会長は浮かんでいた想像を抑えたいが、自分が発見したことにどうにもその想像が捨てがたい。
「アタシはグリンと“友達”なんだよ。」
「また嘘を――」と会長は「検査」してみたが、話を止めた。
モモナーが嘘をついた。間違いない。だが、今回の嘘はさっきのと得られた情報が真逆だった。
関係性が『兄妹』になった?
会長は「検査」でわかった情報:元々関係性が『友達』だったはずのモモナーは、突然『兄妹』となった。
自分の一撃で何かが変わったのか?いや、それはおかしい。自分はただ殴っただけだ……このような変化は初めてで、会長は驚いた。
会長は頭を振って、とりあえずだと混乱した気持ちを抑えた。
「待って……関係性のことはわかった。原因は何?そもそも、グリンは賞金首だ。つまり、罪人だ。君ならわかってる――」会長の話は途中で挟まれた。
「違うよ。彼は罪人じゃない。濡れ衣を着せられたのだ。」
会長はなるべく表情を出さないようにしたが、それでも目が僅かに見開いた。
彼女、知っているのか?会長の思いがわからず、表情を見て、モモナーがまた独り言を言った。
「良かったね。ここは本当に当たりのようで……情報屋、また、君の兄ちゃん――」――案外、君たちのことは、早めに終わらせるかもしれないね。
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これは、とある昔、一人の子どもの話だった。
子どもは父と母と一緒に暮らし、貧しい家庭だった。
父は鉱山に入り、母は小物の飾りを作っている。
鉱山の環境はとてもひどい。鉱山病、石炭や塵による黒く混ぜている鼻水、極悪な呼吸環境、また、途切れやすいトロッコなど……鉱山に入った人はいとも簡単に死なせる。
例の子どもの父も、その一人だった。
それでも、彼はずっと母と暮らして、この貧しい環境を変えようとした。




