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どうした?モモナーは驚きのあまり、独り言を言い始めたと会長が思ってしまった。
そして、モモナーの独り言がまだ続く。
(え?まあ……確かに長年に渡ると、その後どうなったのかわかるはずもないか……)
モモナーは会長の様子に気付いてなく、延々と喋っている。そのため、「モモナーさん?」と会長が話しかけた。
「あ、ああ!ごめん……」(確かに細かいことは気にしないでおこう)
ずっとわけがわからないことを言っているモモナーに、会長は少し眉に皺を寄せた。不機嫌な様子。
モモナーはあははと笑い声で誤魔化し、続いてわざとらしい咳払いをした。
「コホン!とにかく、気にしないでください。」
「はあ……」
「んで、情報屋だったら、私はね、いくつか聞きたいことがあります。」モモナーは言いながら、数えているように自分の指を一つ一つ折れて小指までに止まった。
「四つあります。」
「ほうほう……それは?」
「まず、一つ目は――」モモナーはとても真剣な顔で言う。
「仕事、紹介してくれます?」
えっ?と会長は一瞬呆れた声を出しそうなところ、自分の口水にむせてしまった。
「コホ、コホ、コホ!」
「大丈夫?」
まだコホコホとむせている会長は少しの時間をかけて、落ち着いた。
「ああ、大丈夫……」
真面目な顔で言っているから、何かと思えば……
「大事なことですよ。」まるで心が読めるように言ったモモナー。
「え、ええ。それはそうだが……」会長は少しどもってから、口調を元に戻す、
「うん。まあ、その辺は何個もあるので、まとめてから渡そう。」と返事した。
「あ、クエストじゃないですよ。」
「ええ。わかってる。君は、“古い情報”を知っているからな。」
少しの沈黙。
そして、モモナーの口角にわずかに吊り上げているように見える。意味が通じ合っているのだ。
「あ!でも、仕事を紹介する代わりに、ギルドのクエストもこなしてほしい。何せ、人手不足でね。」会長は肩をすくめながら言う。
モモナーは一度ギルドの人員を見まわして、確かめてみた。
「メンバーはこれだけではありませんよね?」
「もちろんだ。あと五人くらいいるだろう……でも、見ての通り、全員クエストに派遣させていたし、俺を含めても総数8人だ。どうしても人が足りない。」
会長の話を聞いて、モモナーは納得して頷いた。
「なるほどね。なら、構いませんよ。」
「それは助かる。それで、二つ目は?」
モモナーは一回口を開けて、何を言いたそうなところ、口を閉じた。迷いが生じて、話すのをやめた。
(ちょっと順番を変えよう……)
「……二つ目のことは場合によって三つ目と繋がります。」
「ほう」と会長は相槌を打った。
モモナーが数秒の時間を置いて、話す。
「魔法のこと……会長さんはどこまで知っていますか?」
「魔法……?」と会長はモモナーの顔色を窺って、「常識範囲内なら――とかそういうことが聞きたいわけじゃなさぞうだな。」と言った。
「はい。よくわかっていらっしゃいますね。」
自分が当たったことに会長はふんと自慢げに笑ったが、その次に言った内容は自信満々な口調とは全く相応しくなかった。
「だが残念。そういう学術の研究は専門外だ。」
一秒。
二秒。
モモナーは「はは」と失笑した。
「そうですか。誠実に教えてくれてありがとう。」
「普通のことだ。」
「そうですよね。こう言うのが普通ですよね。」モモナーは昔のことを思い出したように、はあと疲れた感じに嘆いた。
「では、俺が知らないから、その三つ目は聞かなくていいのかな?」
「いいや。一応聞きたい。」
会長は「どうぞ」というポーズを取った。モモナーは深呼吸してから聞いた。
「『天界』、というところがわかります?」
「『天界』?さあ、知らん――」と会長の言葉は途中で、カタという音で断たれた。
音の方向はローランやティラエスの三人がいるところだった。どうやらすでにチェックし終わったであろう、気絶しているサティマは普通に寝そべて、ティラエスだけが立ったままだった。
ローランが椅子を座っていて、会長とモモナーの方に注目している。
ローランとティラエスは、二人の会話が終わっているのを待っているようだ。
「その話は……君は後でアイツに聞こう。」
「ええ。わかります。」
会話を聞いて、うっかり反応を出していただろう……これだから未熟ものは……と会長は苦笑いをした。
「では、最後の四つ目は?」
モモナーは、(体感では)かなりの時間を使って、やっと心を決めたようだ。
彼女はわかる。この言葉を口に出した瞬間、この名前を口に出した瞬間、会長は“正式な情報屋”だったら、顔色が絶対変わるであろう。
もしかしたら、すぐに手を出すかもしれない。
会長の実力はラーリーとの戦いで、すでに実力の一角が窺える。だから、モモナーは心の準備をしている。
心を、“切り替える”必要があるかもしれない。
「会長さんは――」モモナーは手を空中に浮く。この動きには少々不自然だが、会長はあまり気に留めていない。
だが、モモナーの次の話で、その動きの意味がわかった。
ああ、それは構えだったんだ、と。
「『グリン』という人、わかります?」
会長は最初目を見開いて驚いたが、すぐ鋭い目つきになった。目力だけでモモナーを貫きたいように見つめている。
会長が「……モモナーさんは、その人とはどういうお関係で?」と言いながら、少し距離を離れた。
モモナーは、手を置いていない。ただ固唾を飲み込む。
「……兄妹です。」
スッ。
(頼むよ!)
パン、タン、ザザザ……
早くて強い一撃。瞬く間よりの短い刹那、モモナーは冒険者協会の外にぶっ飛ばされた。
彼女は受け身をして、何回も回転して、やっとブレーキをかけたように砂地の上に立てられる。
「はぁ……はぁ……」
「もう一度聞こう。」会長は冒険者協会の入り口に立つ。
「モモナーさんは、『賞金首のグリン』と、どういう関係だ?」
今日は、台湾にとって大事な日です!
では!




