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令和の乱  作者: 岡田一本杉
アルバイトをするまで
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私のちょっと前

関西をほぼ制圧し、自治体連合の物資の補給や食料調達はかなり整えられた。

私は言われた仕事が終わり、大宮に戻った。

駐屯地を出て、自宅へ2週間ぶりに帰ってくると、半年前までの自分を再び思い出してしまった。

当時の私は何もわからない引きこもりだった。


さいたま市大宮区。

区の東寄りに、関東一円に散らばる氷川神社の総本山、武蔵一宮氷川神社とその広大な境内が広がる。

そこから歩いて5分くらいの閑静な住宅地。

その中に、ごく普通の戸建住宅がある。その2階の一角が私の部屋であり、住処であり、唯一の居場所。

この部屋以外に私の居場所はない。

職業は、、ない。

1ヶ月前に高校を辞めた。だから、世間的にはニート。

中学までは本当に楽しかった。

けど、高校は全然雰囲気が違っていて、馴染めなかった。学校には3ヶ月ほど行った。

段々休みがちになり、両親が学校に呼ばれて、やんわりと退学を進められた。

その日以来、両親の態度が急に冷たくなった。

母は私の顔を見ると、恥ずかしくて近所を歩けないと言った。父は私を避けているようだった。

いざとなったら、敵にまわる人なんだ、そう思った。

ある時、別の高校に行き直したいと行ったら、母はダブりなんてみっともないと言い、父は好きにすれば、と無関心に言った。

それは傷ついて疲れ切った私の最後の試みであり、無残にも希望は砕け散って、それ以来、自分から行動することを止めた。


母は毎日食事を作って、部屋の前まで運んでくれた。

その理由が分からなかった。

みっともない子に食事を作るものだろうか?

早く立ち直ってほしいわ、と矛盾したことをよく言った。

私には、母は現状維持を願っているとしか思えなかった。

トイレに部屋から出た時に、久しぶりに父に会ったら、自殺だけはするなよ、とまるで自殺して欲しそうに言った。

言霊という概念を知らないのかな?

何か根本的に欠けている人だ。以前から、不自然さをうすうす感じていて、まあこういう反応をするだろうとは予想できたけど。


食事に困らないから、必死さがないと言えば、無いかもしれない。

でも、全くどうすれば良いか分からなかった。

ネットで動画を見るだけの毎日。

外で同じ年くらいの子の声がしたら、焦りばっかり募った。みんなと違うことに凄く劣等感を感じた。

私は誰からも必要とされていないのではないか?

むしろ、邪魔なのではないか?存在してはいけないのではないか?

何回か自傷した。深くないけど、両手は傷だらけだった。

自分が無表情になっていることに気づいた。

感動する動画を見ても、泣かなくなったし、楽しい動画を見ても笑わなくなった。


こんな生活がいつまでも続けられるはずがない、いずれ破綻するのは分かっていた。

でも、具体的に、どうすればよいか、全く分からない。

自分の人生はこんなもんだろうという漠然とした諦めがあった。


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