帝国へ
更新頻度上げていきたいですね二日に一回とかで更新頑張ろうかなぁ……
その前に誤字脱字どうにかします、本当すいません!
アンク達と別れた十六夜達は相変わらず有り得ない速度で空を移動していた。飛行に慣れた十六夜に限っては全身を空へと向け太陽に身を晒し日光浴をする始末だ。
「十六夜君は随分と飛行に慣れたみたいだね」
「ん?あぁコツさえ掴めば簡単だからな」
「私はまだ全然慣れないです、やっぱりお二人は凄いですね」
空を飛ぶなんて事普通に生きていたら体験する事すら無い、逆に慣れている方がおかしいと言える。
元から飛行が可能な種族ならまだしもアーシャはエルフなのだ、飛行に慣れなくても仕方がないだろう。
「得意不得意は人それぞれだ、それに俺は空を飛ぶって事にはそれなりに理解がある世界で育ったからな」
「私ずっと気になっていたんですけど、十六夜さんがいた世界ってどんな所だったんですか?」
「僕も詳しく聞きたいなぁ」
「そういえばちゃんと話した事は無かったな、いい機会だし帝国に着くまで俺がいた地球の話をしよう」
そうして十六夜はゆっくりと自分が育った世界の事を話し始めた、ルーシーとアーシャにも分かりやすく噛み砕いて。
「俺がいた地球って所は科学というのが発展していて誰でも空を移動できる飛行機って言う乗り物や、どこに居ても話しかけられる携帯ってのがあったり、地上を馬車より早く移動できる自動車って言う便利な足があった、まぁ科学が発展してきて確かに生活は楽になったがその分自然を破壊してきた」
「そんな物があるのですか、カガクとやらは凄いのですね」
「確かに生活が便利になるのはとても良いことだと思うけど、人間というのは凄く傲慢だね自分達が世界の理だと思っている。この世界を破壊しようとしてる僕が言える立場じゃないけど、自分達が住む世界を破壊してまで生活水準を上げようなんて凄く愚かじゃないかな」
「ははっ確かにな、現に俺も地球にいた頃は人間が一番偉く強いと思ってた。でも今じゃ人間なんて私欲と穢れた欲望にまみれた薄汚い奴としか思えない、まぁ元人間の俺が言うのはどうかと思うが」
元人間と聞いてルーシーとアーシャは少し複雑そうな顔を見せる。
だが十六夜自身は自分を正しく認識していると言える空を飛び魔法を使い"鬼"に変化するなんて人外も良いところだ。
「だけど悪い事ばかりじゃ無かったんだ、科学の進歩で医術も進み人の命を助けられる様になった、そのおかげで助かる人達もいたからな」
科学がもたらしたのは良い事だけでなく悪い事もあった、だが十六夜の言う通り人命を助ける様な素晴らしい技術も共に発展してきた。
「そう言われると確かに悪い事ばかりじゃ無いみたいだね」
「イジュツ…命を助ける技術ですか素晴らしいですね」
「まぁ、それも絶対助けられるという代物じゃない、やっぱり異世界魔法のスペックって随分とおかしいんだよなぁ。はぁそう考えると異世界物の主人公って本当に万能過ぎる」
十六夜はそう言うが自分も充分万能過ぎるという事に気付いているのだろうか、それにルーシーとアーシャもいる力を合わせればできない事はほとんどないだろう。
「あははは、それを言ってしまうと元も子もないんじゃないかな?」
「ふふっ、そうですね」
「一回魔法を使うと便利過ぎて堕落しそうになるな、魔力を消費するだけで火は出せるし綺麗な水も出せる、アーシャに至っては転移できるし」
これだけで魔法というのがどれだけ凄いか分かるだろう、それに魔力を持ってたら誰でも使えるってのがまた凄いところだ。
「おや?どうやら着いたみたいだね帝国に」
「それは良いんだが……なんだ?あの馬鹿でかい壁は」
「これは私がギルドにいた時に聞いた話ですが帝国は王が新しくなってから、驚くべきスピードで発展を遂げ恐ろしく高い壁を築いたと言います」
高い壁。言葉で口にすると陳腐に聞こえるが目にすると本当に恐ろしくデカイ。
それに壁の一番上にはこの世界に存在しない筈のあり得ないシルエットがこれでもかと並んでいた。
「【魔眼】壁の一番上を見てくれ」
俺は【魔眼】を発動させ壁の上に並ぶシルエットの正体を見る。
その正体は俺が予想した通りの"兵器"だった、機関銃と迫撃砲どうせ勇者の仕業だろう、だがこの世界の争いに使うならどう考えても過剰戦力だ。
「あの兵器だけやけに新しいな……他国との争い用に設置したんじゃなかったら……そうか俺達用か」
まぁ警戒されて当然だろう、クラスメイトが消されていけばどんな馬鹿でも辺りを嗅ぎまわりその原因を探す、そして俺達が見つかった。
「でも見つかっただけだ、やる事は変わらない。さて物騒なお出迎えだが有り難く受けるとしよう」
「あんなので僕達を殺せるとは思ってないだろうけど、流石に舐め過ぎじゃないかな?」
「まぁ相手の気持ちが分からなくもないですよ、十六夜さんやルーシーさんの力は眉唾なものばかりですから、実際に目にするまでは信じられません」
十六夜は次の目標へと向けて足を前へ運ぶ、その道にどんな壁が兵器があろうと十六夜には関係ない。
彼は全てを破壊して前へ進む。
★★★
〈帝国 玉座の間〉
王である彼は忠臣である一人の青年にある報告を受けていた。
「王よ、例の目標が帝国へと接近しています」
「そうか、早いねまっあのデタラメっぷりなら不可能じゃないか」
「どういたしますか?」
「とりあえず壁の上の武器を使って迎撃してみてよ、まぁ効果は期待出来ないだろうけど、やらないよりかはマシだろうからさ」
彼にはなにか作戦があるのだろうか、とはいえ彼が"あれ"を使うとは思えない。
あの洗脳行きとなった四人なら別だが、既に洗脳され王の人形と化した彼らはそんな暴挙を犯さないだろう。
「とりあえず少しでも足止めできれば御の字かな?帝国へ入られたらとりあえず彼らを使って殺させてみてよ」
「仰せのままに」
「悪いね、カルマ世話をかける」
カルマと呼ばれたその青年は王の前に跪く。
「王よおやめください、自分などには勿体ないお言葉です」
「あははは、やっぱりまだあの事気にしてるのかい?」
「忘れられる筈もありません、貴方に助けて頂けなかったら自分は死んでいたのですから」
カルマの言葉の節々には崇拝にも近い尊敬の念が見て取れる、それだけ王である彼を信用しているんだろう。
「そっか……期待しているよ」
「ご期待に添えるよう尽力致します」
「よろしく頼むよ【剣聖】カルマ」
【剣聖】数百年に一度現れると言われる神童が就く剣に愛されたものがなる役割。
【剣聖】が振るう剣技は空間すら切り裂くとも言われ、初代剣聖はまさしくそれを可能とし神をも斬り殺したと言われている。
そしてカルマは初代剣聖にすら届きうる技能と頭脳を持ち、天性の戦闘センスで剣聖に就いてからと言うもの負けた事はない。
「はっ、それでは失礼致します」
カルマが去った後の誰もいない部屋で王は独り言を呟く。
「隼人の計画が上手く行けばいいけど……まぁ障害が多すぎるかなぁ、魔神に神…その前に魔王も討伐しないといけない、そして異常事態の霞…絶対無理ゲーな気がする」
勇者如きが相手にできる範囲を超えている、魔神?神?愚かにも程がある。
それに勇者を呼んだのは神だ、その神が自分で呼んだ勇者にやられる程弱いとは考えられない。
「隼人には何か切り札でもあるのかね、神に叶う手段なんかあるとは思えないんだけどなぁ。
それにあったとしてもそれは恐らく神が作った物だろうし、これやっぱり無理ゲーってか…詰んでる」
考えれば考えるほど無理という考えに辿り着く、それ以外のビジョンが見えないと言えば良いだろうか。
勇者になって力を得て増長するのも分かるが流石にやり過ぎだ。
「まぁ、カルマとこの力で霞に敵わなかったら結局ここで死ぬし関係ないんだけどな」




