決意(笑)
おはようございます。説明? なんの事でしょう?
ここは一体?
見渡す限りの時計。そこに僕はいた。
目覚まし時計の山の中で一つ、それは鳴り出す。
ジリリリ、振動は他の物にも連動し、崩れていった。
「せつねちゃん!?」
埋もれた四肢。動きもしない彼女の体。
僕はせつねちゃんの元へと駆け寄る。冷たい手を握り、少しづつ引っ張り出す。
「重くて抜けない」
形振り構わず時計をどかそうと僕は……。
ピタっ。ひやりとなぞるように僕の腕を掴む手。
「何? 生きてるの?」
問いに答えは帰ってこない。力強い握力で腕を掴むだけだ。
「ねえ、せつねちゃん?」
ズンっ、バランスを崩して僕は腕に引き込まれる。幾つかのガラクタは音を立てて落ち、顔を埋める事になった。ブツブツと聞こえる声は僕の真後ろ。
「カワラナイ、イッショ」
「うわあああああ!?」
「なに! どうしたの?」
せつねちゃんが僕の部屋の扉を開ける。僕はまた驚いてしまった。
「せつねちゃん、なんで生きてるの?」
「あたしを勝手に殺さないでよ! 一回死んだ身の癖に」
5円で腸を撒き散らす目になったのはせつねちゃんのせいだよね。
「そんなに僕の事が嫌いなら言えば良いじゃないか!」
「あんたはツンデレが好きなの?」
「いきなり何の話なの!?」
「どうなの?」
「大好物だよ!」
うわあって顔してる。
「じゃあさ。レー「ああ! 知ってるよ! レーヴァテインでしょ」ンの子どう思う?」
「すごいよね。選ばれし者だけが使えるアイテムだよね」
「あんたは女の子を物扱いするの?」
しないよ。せつねちゃんがいきなり言っちゃいけないことを言い出したからだ。
「そんなあんたが好き!」
それはツンデレじゃない。デレデレだ!
「我ハ鉄槌ヲ下ス、平臥、横臥ノ偽心」
稲光の矢が僕へと向かう。神速で僕の体に直撃、全身が爆音で振動する。鼓膜は破れて聞こえない。皮膚は黒く染まり、プスプスと煙が出ている。
僕は必死に気力を持ち……立てませんでした。そう、やはりあんな主人公のように僕はなれない。
一発でKOだ。何回も立って、お前はもう良いんだ的なことはない。
「せつねちゃん、僕の事嫌いなの?」
「大好き!」
ひどく理不尽な暴行、コインを弾き必中させるせつねちゃん。
「家を壊さないでよ!」
大きく空いた壁の外には最近できたばかりの新築にも穴が空いていた。
これはお仕置きが必要だ。ふっふっふうふふふっははっはははは!!
この日から僕はせつねちゃん懐柔作戦を練ることにしたのだ。
おやすみなさい。




