狂乱の魔人・狂気のスラッシュ感染 2
風が出てきたように思う。少し強めだ。木の葉がざわざわいっている。
「あれ? 」
「どうした? レイミ? 」
「いや、木の上の方に何か居たような気がして・・」
言われた方向を見てみる。別に何も居ない。
「気のせいだろ。木だけに」
しかし、彼女らの行動を監視していた者は居た。むろん、ザイクロファーの手の者だ。
「おい、女子が五人ばかり来るぞ」
「奴らは何だ? まさかわしらとやり合うつもりじゃないだろうな? 」
「結構いい女だ、しかも色々属性がバラけている」
「いずれにせよザイクロファー様に報告だ」
「いや、それよりわしらが先にヤッちまおうぜ、ぐへへ」
そう言うなりいきなり飛び出す男。止める間もなかった。
「!?」
突然の出現に驚く一同。それはそうである。
「やらせろーーーーっ! 」
そして、真っ先にレイミを押し倒しにかかる。
「ち、ちょっと。何よあんたいきなり? 頭おかしいの? 」
「そうか。お前はこのくらいの歳のが好みだったか。なら俺は・・巨乳が好きーーーーっ! 」
よせばいいのにカーラの胸を揉みしだきにかかる。おまけにかくかくと卑猥に腰を振り始める。
「・・・汚ねえ手で触れるな・・このゴミカス野郎がーーーーっ! 」
言うな否や男の腕を手刀で斬り飛ばす。さらにレイミに覆いかぶさり、今まさにキスを食らわさんとしているもう一人の野郎の髪を引っ掴み引きはがし顔面にパンチを食らわす。
「ぺいっひっひっ・・」
無様に鼻血をまき散らしながら吹っ飛ぶ野郎。
「お前ら、ザイクロファーとかいう野郎の手下か? ついでだから案内しろ! 」
無理矢理男を立たせ、小突くカーラ。他の者、あまりの展開に声を出すのも忘れる。
「だから、言わんこっちゃねえ、先に報告せねば」
飛び出さなかった男、そそくさと去ってザイクロファーの元に急ぐ。
ざわっ。
急に風が騒めいた。と、彼の前に現れた者は・・。
「ぐぎゃーー」
森にこだまする悲鳴。
「!?」
思わず立ち止まる一行。
「何だ? 今のは? もしかしてお前の仲間か? 」
捕えている野郎に問いただすカーラ。
「あ、ああ多分・・」
悲鳴が聞こえたあたりに急行する一行。そこにあったものは・・。
「うっ? スププが・・。誰がこんな? 」
そいつは喉元を掻っ切られて絶命していた。格好からしてこの野郎と同じくザイクロファーの手下の一人であるのは確かなようだ。
「うむ。鋭利な刃物のようなもので一撃の元に切り裂かれている。かなりの手練れと見て間違いないな」
死体を検分するマノン。
「ケッ手前らなんぞがザイクロファー様に勝てる気でいるのかよ。犯されアヘ顔にされるのが楽しみだぜ」
「うるさい。つまんねー事抜かしてないでさっさと案内しろ、ボケ! 」
尻に蹴り入れるカーラ。
「何か聞こえる? 」
しばらく歩いて立ち止まり、耳を澄ます。
「うむ、何だ? これは? 」
マノンが疑問を挟む。
それは異様な音というか声というか或いは鳴き声というか・・。
「あおっあおっあおっ・・」
生理的に気持ちの悪くなるような音だ。
「何かの動物の鳴き声かな? それにしてもこんな気持ち悪いのは聞いたことがない・・」
「これは・・まさか・・」
「どうかしましたか? カーラさん? 何か顔色すぐれませんけれど? 」
フイリンが言う通り、珍しくカーラが動揺している。
「ふひひひ、皆やっているな。お前らもうすぐ面白れえモノが見れるぜ」
ゴビュッ!!
無言のまま、男を殴り飛ばすカーラ。そして・・。
「急ぐぞ。あとレイミ、フイリン。これから見てしまうモノはかなりショックかもしれないから覚悟しておけ」
「??」
猛烈に嫌な予感がする。
いきなり森が開けて広場のような場所が見えた。そして、そこで一行が目にしたものは・・・。
それを見た皆は固まった。そう、そこに展開していた光景はとてもこの世の物とは思えない・・、いや、思いたくないものであった。
幾人かの少女たちに群がる野郎共、異様な喘ぎ声を上げ腰を振っている。少女一人に対し、二・三人の男が付き、挿入している者以外はその自分の物をしごいているのだ。
実におぞましくグロテスク極まりない光景・・。そう、先に聞こえた異様な声はこの野郎共が上げていた喘ぎ声だったのだ。犯されている少女らは最早意識があるのかどうかさえ分からない。完全に虚ろな目をしている。
「おい! お前ら、こっち向け! 」
奴らに対し、怒鳴りつけるカーラ。一瞬驚いた顔でこちらに向く男ども。すると・・。
「うっうおーーーーーーーーっ!!」
奴等の中で挿入していなかった者数人が、雄叫びを上げてこちらに向かってきたのだ。狂気を孕んだ目つきで。
さすがのカーラも一瞬たじろいでしまった。が、すぐに気を取り直し、
「ええい、くっそキモいんだよ、お前らーーっ! 」
気を纏った手刀でたちまち数人を血祭りにあげる。だが今度は少女らにタかっていた奴等もこちらに目をつけ襲ってきた。
「うおおおおっ! 新しい女どもだーーっ! 」
と。
どうしたことだ? いきなり襲い来る男の一人が喉元を切り裂かれ倒された?
「むっ? 何だこれは、もしや先程の・・? 」
どよめく間もなく次の男が同じように斃される。その光景にさすがのチンピラ軍団もびびり出した。
「何だ? 今のは? 」「畜生、舐めた真似しやがって。姿を見せろ! 」
あたりをきょろきょろと見渡すが、姿を捕らえることができないでいる。そうしているうちに、また一人の男が切り裂かれつつある・・。すると! 何と。
「うおおおおおおおおおおっ! 」
叫びと共に、残りの奴らが一斉に切り裂かれんとする男に覆いかぶさりまくったではないか。
「捕えたぞ! こいつだ! 」
(ふむ。意外と物考えているな、あいつら)感心している場合ではない。
見ると一人の少女が腕を掴まれ持ち上げられた状態で捕らえられている。見た所、背も小さく、まだ幼いように見える少女だ。フイリンよりも年下なのだろうか? 変わっていると言えば緑色っぽい髪の毛、あまり見ない髪色だ。その髪を短めに後ろで縛っている、簡素なヘアスタイルだ。少数民族の出なのだろうか?
「舐めた真似しやがって、このアマ。まあいい、こいつにもたっぷりと味あわせてやる」
「おう、殺された仲間の仇だぜ」
捕えられた少女、苦痛と悔しさに顔をゆがめている。
「畜生っ・・誰がお前らみたいなカスどもなんかに・・。いっそ一思いに殺せ」
「げへへへへへ、出たー、『くっころ』。ぐへへへ」
下劣に嗤う野郎共。
「あのー、お前ら私らの事忘れてませんかー? 」
カーラ、しびれを切らしたと見えて前に出て来る。
「うっ?!」「そ、そうだった、こいつらも・・」
ようやく臨戦態勢に入ろうとする賊ども。




