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運命の翼・飛翔する戦士たち 1

(カーラといいあの眼帯の女、確か傭兵か何かだったか・・姫様がこんなわけわからん禄でもない奴らと一緒に居たら悪い影響受けるに相違ないわ・・)

 ひたすら忌々し気にカーラを睨むルウカス。そんな中、レイミはカーラに何やら話があるから、と促している。

「何だ? 」

「あの・・、私考えたんだけど、あの売られた子たち、うちの城で面倒見てくれるようお父様にお願いしようと思う。だからそのために・・城に戻ろうと思う」

 いきなりの告白に困惑するカーラ。

「本気なのか? 」

 真剣な顔で頷くレイミ。

「お前がそういう決意なら止めはしない。私は基本『去る者は追わず』だから」

「さよならは言わない。また会えるかもしれないから・・。あとフイリンにもよろしく言っておいてね」

 そして今のやり取りを退屈そうに見ていたルウカスに向き直り、

「ルウカス、こんな事頼める資格無いかもしれないけれど、クレイドフルに捕えられていた女の子の中に身寄りがない子が居るの。それで彼女たちをうちのお城で引き取りたいのだけれど」

「さすがは姫様。実にお優しい。それでこそ時期モルタヘイド王家の後継ぎに相応しいお方。・・だがしかし、お父上が許してくださるかどうかですな・・。何なら私めが一緒にお願いしてもいいのですが」

 実に嫌な奴である。一瞬言葉を失うレイミ。するとカーラ、意外な行動に出るのであった。

「ルウカス、私からも頼む。レイミの力になってやってくれないか? 」

 何と、カーラ、こともあろうかルウカスに対して深々と頭を下げたではないか。意外な行動に一瞬呆気にとられたルウカスではあるが、

(ふふっ、ふはっ。あの糞忌々しいカーラがこの俺に頭下げよった・・。こいつは愉快だ、傑作だ、最高だぜ)

 思わずにやけてしまうのを隠せない。

「そうだな、お前がそこまで言うのならな。姫様はこの俺がもの・・いや守って見せる。だからお前は安心して何処へなりとも行くがいい」

「カーラ」

 今まで成り行きをぼーっと見ていただけのマノンがいきなり話しかける。

「何だ? 」

「私もレイミについていってやろうと思うのだが」

 その言葉に驚くはルウカス。

「いや、いい。お前は来なくていい。我々だけで十分だ」(畜生~~余計な真似するんじゃねえよ)

「ありがとう、マノン。貴方が来てくれれば心強いよ」

 マノンの手を取り、嬉し気なレイミ。

「ひ、姫様・・」(どチクショ~~~~~! )

 もはや悔しそうな表情を隠しもしないルウカスだが、それに気づいたのはカーラだけのようであった。

(あのルウカスという野郎、どうにも信用ならん・・)

「なあ、ルウカス」

「何だ?!(うるせえな)」

「何ならクレイドフルを退治したのお前の手柄にしておいてもいいぞ」

「カーラ? 」

 これにはレイミも驚く。

「(こいつ、何考えていやがるんだ? なんにせよこいつに借り作ってしまうと碌な事にならなさそうだ・・。手柄欲しいのはやまやまだが・・)いや、いい。それには及ばない。幾ら俺でもそれは気が引ける」

 さすがにルウカスもその申し入れは拒否するか。それともカーラの真意が不明なので危ない橋渡ることを避けたのか。

「行くぞ! 」

 号令を掛け、その場より立ち去るルウカスの一行。レイミとマノン、カーラに軽く会釈し、ついて行く。

「ルウカスよ、レイミの願い必ず聞いてやってくれ! 」


 その場から抜け、別の部屋へと入っていくミメント・モーライ。その後をつけるフイリン。

(何やってるんだろ? 私・・)

 自分でもよく分からないまま行動している。その部屋は物置か何かなのであろうか、色々な物がそこかしこに置いてある。しばらくごそごそと漁っていたミメントだが、

「ああ、やはりありましたね」

 目的の物を見つけたようだ。それは一種の宝玉のように見えた。薄暗い室内であるが、何やら鈍い光を放っているのが見て取れる。

 フイリン、その場から離れようとするが、なぜか足が動かない。

「何をこっそりと見ているのです? 覗き見は感心しませんね」

 ぎくり、と驚き思わず漏らしそうになるフイリンだが、そこはぐっと勇気を振り絞り、

「あ、貴方はそれが目的だったの・・ですか? それは一体何なのです? 」

 それでもその声は震えている。

「あら、誰かと思えば貴方はいつかの・・フイリンとか申しましたっけ・・。もしかしてそんなにわたくしの事忘れられないのですか? 」

 ミメント、フイリンに近づき、ぐりぐりと頭を撫でくる。フイリン、ムッとしつつ、

「そ、そんな訳ないでしょ。もしかして貴方、また何か悪い事企んでいるのではないでしょうね? 」

「あらあら、精いっぱい虚勢張ったりして。相変わらず可愛い子ですね。それに免じて特別に教えてあげましょう」

 ミメント、フイリンと同じ目線に腰を下ろす。こいつはヤバいかも、と思いつつも彼女の話に引き込まれる。

「この宝玉はですね、『エントムドの光』といいまして、魔界の物と交信し、その力を得ることができる、と言われています。あいつ、クレイドフルはどこからかそれを手に入れて己の欲望の赴くままに暴走したのでしょう」

「そのクレイドフルという人はその宝玉のせいでおかしくなったと? 」

「それは違いますね。もともとおかしい物の考えの人だったのです。そのような者の元に出現するのがその種の魔道アイテムなのですよ」

 どさくさに紛れ、フイリンの頬を指で撫で出すミメント。びくり、としつつも抵抗できないフイリン。それでも何とか言葉は発することができる。

「あなたはその宝玉で何をしようというのです? 」

 ミメントその言葉にさもおかしそうに笑いだす。

「うふふふ、あなたは勘違いしています。わたくしには別にこのような物必要としていませんので。ただこのまま放っておくとまた、良からぬ者に使われてしまう恐れがあるので回収しようと思ったのですよ」

(あんたが一番良からぬ者じゃないんですかねぇ)と言いたいのを堪えるフイリン。

「よろしかったら、フイリン、あなたに差し上げましょうか? 」

「えっ!?」

 さすがにその言葉には困惑を隠せないフイリン。

「い、いえ結構です。第一こんなの持っていても使い方分からないし・・、いや、分かってもこういうの怪しげで何か危なそうだし・・、兎に角困りますし~」

 焦りまくりつつも拒否する。 

「うふふふふ・・、あなたはやはりいい子ですね」

 そう言いつつフイリンの頭を抱え、己の胸に押し付けるミメント・モーライ。一体何を考えているのか・・。

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