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炎の力・強襲!紅き独眼 4

虚勢と裏腹に倒れ込むカーラ。

「カーラよ、貴様は殺すには惜しい女だ。が、あまりにも危険過ぎる存在だ」「故に、ここで引導を渡してやる」

 部下から剣を受け取る、グレプトン。片刃の大型の剣だ。

「こいつで首落とせばさしものお前も再生できないであろう」

「へっ、やれるもんならやってみなよ、おっさん! 」「あんたの剣が速いか、私がお前の心臓を抉るのが速いか・・」

 言うなりよろけつつも立ち上がるカーラ。まだそれだけの余力残っていたのか?

 グレプトン、その様子に動揺したのか、一瞬腰が引けたようだった。が、もう後戻りはできるはずもない。「うおおおおっ! 」

 剣を振りかざし、たが?

「お!?おごっっ! 」

 グレプトンの喉元をカーラの気の剣が切り裂いた。派手に血潮を噴出させ、前に崩れ落ちる。彼の首はあらぬ方向を剥き、皮一枚でようやく繋がっているだけとなっていた。

「うっうわー、グレプトン殿がー! 」

「に、逃げ・・いや敵前逃亡は許されぬ、戦え」

「こんな奴に勝てる気しねえー」

 動揺しまくるジュダスプーリの兵士たち。カーラは彼らを睨みつつ、刺さった矢を無理やり抜き取る。傷口からは容赦なく出血する。

(この分では回復にちょい時間が掛かりそうだ・・しかしレイミたちが・・)

「おおおっ!!」

 突如沸き起こった(とき)の声。味方の兵たちが敵軍に襲い掛かる。崩れつつある敵軍。

「カーラ殿。姫様を頼みます! 」

 基本、彼ら兵たちを見下している所があったカーラ。しかし、この時ばかりは彼らに大いに感謝するのであった。

「わかった、レイミは私が必ず守る! 」


(このままでは二人とも殺られてしまう、どうにかしないと)

 悩んでいる暇などない、首より下げているアンクを掴み今まさに剣を振り下ろさんとしているマノンに対し投げつける。

カッ!

「うっ!?」

 何と強烈な光を発したアンク。マノンは目を眩まされた。その隙にレイミを担ぎ上げ逃亡を図るフイリン。

「私はいいから、フイリン、あなただけでも逃げて! 」

「何を言うのです、最後まで貴方をお守りすると決めたのだから。王女である貴方が死ねば城の皆や国の民が悲しむこととなるから・・」 

 ようやくヒーリングをレイミに施す。しかし、受けたダメージが深いのか、中々回復しない。

「姑息な真似をしおって、ガキが。その程度時間稼ぎにもならんわ」

 マノンが追い付いてきてしまった。

 すっと立ち上がりマノンに対峙するフイリン。

「舐めないで下さい! 私でも少しは貴方を食い止めるくらいはできます! 」

「止めて、フイリン! あなたが犠牲になることはない! あなたが死んだら私・・」

 涙流しつつ絶叫するレイミ。

「安心しろ、まとめてあの世に送ってやる」

 またもや改めて大剣・ラウダーザンヘルをかざすマノン。今度こそもうダメか・・。

 と。

 ヒュッ!

 突如として飛んできた石くれ。しかし、マノンはそれを片手でキャッチし、握りつぶす。

「誰だ!?」

((もしや・・いや、きっと! ))

 レイミとフイリンははっきりと確信した。彼女が来たことを。

「・・・一応時間稼ぎにはなりましたね・・」

「お待たせ、スーパーヒロインのお出まし、なーんてね」 

 苦々しげな表情で声のした方向に顔を向けるマノン。

「貴様がカーラか、その分ではグレプトン殿はすでに・・」

「ああ、お前の雇い主はくたばった。残念だなあ、ただ働きになってしまって。ざまーみろ! 」

 いつも通り、相手をおちょくりまくるカーラ。だが・・。

「ふん、何を意気っている? お前も満身創痍じゃないか」

 やはり、先程のダメージは回復しきってはいない。ようやく出血が止まりりつつあるくらいか。

「待って下せえ、隊長! 」

 何かと思えば、傭兵の一人がしゃしゃり出てきた。

「こいつが話に聞くカーラかよ、見てみりゃあただの白子(アルビノ)の少しばかり乳のでかいだけのねーちゃんじゃねえか? 」「おう、姉ちゃん、見逃してやるから一発やらせろや、ぐへへ」

 下卑たセリフをカーラに顔近づけつつ吐く。

「おい、やめろ、お前・・! 」

 愚かな真似をする部下を阻止しようとするが。

「なあ、隊長さんよ、こいつからぶっ殺していいんか? 」

 カーラ、にこりともせずマノンに問う。

「下がれ、ロボス、お前が勝てる相手じゃない」

「隊長もヤキが回ったんじゃ・・・うっ!?うごっ・・!?」

 ロボスと呼ばれた傭兵、カーラに首根っこを掴まれ、宙に持ち上げられる。そして・・。

 シュッと、物音がしたと思ったらロボスの頭部上半分が消え失せていた。

「はしゅーー」声とも呼吸音とも分からない音立てているそれを投げ捨てるカーラ。

 あまりの光景に、声を失くし呆然とする傭兵たち。

「安心しろ。お前らも後追わせてやるよ、私の下僕どもを痛めつけた罪は重い」

 言うなり右腕から、"気"を実体化させた刃のようなものを出す。

「私がケリ付ける。お前たちは手を出すな」

 マノンはラウダーザンヘルを構える。

 レイミとフイリンは地べたに座りつつ互いに抱き合っている。一旦安心したものの、やはり不安は隠せない。

(ところで、どさくさ紛れに下僕とか言ってなかった? )

 先陣を切ったのはマノンであった。

 繰り出す大剣。受け止めるカーラ。

(パワーは人間離れしている。伊達にいいガタイしているわけじゃないな・・、だが! )

 フェンシングの如く気剣を突き出すカーラ。それをかわすマノン。

(所詮はこいつはただの人間にすぎん、どう足掻いても私には勝てん)

 気剣がマノンの上腕を貫いた。素早く後退し抜き去る。痛みなど感ずる暇も無しに大剣で潰しにかかる。

「おおおっ! 」



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