激しい情念を持つ楊貴妃は、大天使ガブリエルⅡの腕の中で、蕩けるような甘い吐息を漏らし、完全に骨抜きにされて
序章:突然の開幕
最高のラグジュアリーは、長くは続かないものだ。
ある夜、妖艶なマリリンが大天使ガブリエルⅡ・ヤチヒロの胸元で、完全に心の警戒を解除して愛おしそうに眠りについた、その瞬間だった。
ルーレット台の片隅から、シュルシュルと不気味な音が響く。
大天使ガブリエルⅡ:「え……? この匂い、まさか」
見ると、カジノのきらびやかな照明を突き破り、古びた「魔法のランプ」が浮遊していた。その注ぎ口から、紫色の怪しい煙がモクモクと立ち上る。
大天使ガブリエルⅡ:「おい待てコラ! まだ俺、このカジノの総資産を半分も八王子の口座に移してないんだけど! 次の定例ミーティングは!? 午後からのプレゼンは!?」
必死に抵抗しようとするが、ランプの煙は容赦なく大天使ガブリエルⅡ・ヤチヒロの鼻腔へと吸い込まれていく。強制瞬間ワープの力が、彼の魂を肉体から引き剥がしていく。
大天使ガブリエルⅡ:「ああっ、俺の、俺の極上のアメリカンハーレムがァァーー!」
意識が遠ざかる中、最後に見たのは、愛欲に溺れたマリリンの、幸せそうな寝顔だった。
「うわあああマジでいい加減にしろよコラ!!!
今度はホワイトハウスの隣かよ!!!
おい、時空の裏でランプを擦り続けてるクソ黒幕!!!
煙の演出サボって、バグ負けしてんじゃねえよ!!!
主人公大天使ガブリエルⅡ・ヤチヒロは読者の化身なんだから、今すぐあのカジノのVIPベッドにロールバックしろォォォ!!!(大激怒)」
カチリ、と時空の歯車が回る。
気がつけば、大天使ガブリエルⅡはまた別の、見知らぬ異世界へと放り出されていた。次は果たして、どんな美少女を救い、どんなカオスな姿で愛欲に溺れるのだろうか。
第一章 ネオ・長安空中庭園。絶世の楊貴妃をアジャストせよ
カチリ、ピピッ、ジーーーー。
優雅な古筝の音色と、鼻を突く濃厚なライチと最高級の白酒の臭いで彼は目を覚ました。
大天使ガブリエルⅡ:「う……ここはどこだよ!? ワシントンのカジノは? マリリンちゃんとの情熱的なアメリカン・ナイトは!?」
気がつくと、彼は白い雲海に浮かぶ、絢爛豪華なネオ・長安の空中庭園に設置された特大のシルク製ベッドに横たわっていた。
手鏡代わりに近くの翡翠の器を覗き込むと、そこに映っていたのは――
背中に神々しく発光する巨大な六翼を生やし、漆黒のハイテク南蛮胴具足をスマートに着こなした、超絶クールな大天使ガブリエルⅡ・ヤチヒロ(22歳)の姿。
大天使ガブリエルⅡ:「よし! 今回もブレずに20代イケメン、大天使ガブリエルⅡのままだな。中身も八王子生まれの俺自身。読者の化身として、バッチリ若さをキープしてるぜ」
脳内スマホのホログラムがピピッと起動し、今回のヒロインデータが表示される。
大天使ガブリエルⅡ「えーっと、今回のヒロインは……『傾国の美女にして、豊満かつ妖艶な、絶世の楊貴妃』ね。って、もう目の前で激おこじゃん!」
そこには、薄衣を身にまとい、世界を狂わせるほどグラマラスな美女、楊貴妃が立っていた。しかし、その背中からは炎のような暗黒オーラが立ち上がり、怒りでその瞳は真紅に発光している。美しさと圧倒的な破壊衝動が同居した、恐るべき「羽衣天女」の魂を持つ戦闘美少女であった。
楊貴妃:「遅いわよ、大天使! 私の庭園で、無粋な独裁者が騒ぎ立てていて退屈してたのよ。早くあの無礼者を片付けて!」
第二章:妖怪総書記臭銀平、急襲
空中庭園の頑丈な大理石の床が、凄まじい轟音と共にぶち破られた。
現れたのは、全身を冷酷な黄金の人民服でサイボーグ化し、無数の「監視カメラ」をマントのように蠢かせる巨大な怪物――妖怪総書記「臭銀平」であった。
「ウオオオォン! 共同富裕ッ! 浮世の娯楽にすべて規制の関税を課し、健全な流通を異端として処刑せよッ! ネットの書き込みはすべて検閲デリートだァァ!!」
なぜそんな名前の総書記がネオ・長安に現れたのかは不明だが、その手にした巨大な赤い手帳からは、周囲の華やかな色彩をすべて『質素倹約の白黒』に変えるレーザーが放たれている。
そしてそのレーザーにロックオンされ、自由奔放に振る舞う絶世の楊貴妃を、今まさに冷たい地下牢へ引きずり込まんと規制の触手で縛り上げようとしていた。
楊貴妃:「不浄の役人め! 私の聖なる祈りと、秘蔵の高級ライチを没収しようなんて許さない! 神の御名において消し去ってやるわ!」
大天使ガブリエルⅡ:「おいおい、女の子を寄ってたかって脅すたぁ、総書記の風上にも置けねえな。それにあの黄金クズ、さっきから臭いセリフで怒鳴り散らしてうるせえんだよ。そんなガチガチな言論統制押し付けてんじゃねえ、どんな場面でもアジャスト(柔軟性)が重要なんだよ!」
大天使ガブリエルⅡ・ヤチヒロは、冷徹な瞳をキラーンと輝かせ、すっと翡翠のテーブルを踏み出した。八王子生まれの若手社員としての「美少女を救う」という魂の防衛本能が、聖剣『高尾』とシンクロする。
大天使ガブリエルⅡ・:「そこな臭銀平。俺のテリトリーで、そんなオーガニックじゃない白黒の検閲ビームをぶっ放すんじゃねえ!」
大天使ガブリエルⅡ・が聖剣『高尾』を優雅に一閃すると、最高峰の天使のフェロモンオーラが、物理的な衝撃波となって炸裂した。
「アークエンジェル・ラグジュアリー・エステティカル・フラッシュ!!」
カチーンと輝くウインク光線が、妖怪総書記臭銀平のメイン思考回路(脳天)を直撃する。
「グハァァッ! これが……これが令和の若手社員の、圧倒的なアジャスト力とラグジュアリーな輝きかァァ! アカウント凍結だァァ!」
規律にしがみついていた臭銀平は、ヤリチンヒロの放つ臨機応変なプレッシャーに耐えきれず、ドロドロに溶けて空中庭園の床に染み込み消え去った。
第三章:絶世の楊貴妃との、愛欲まみれの暮らし
楊貴妃:「……ふん、見事な手並み。でも、私は国を傾けるほどのミューズ。あなたのような大天使に惑わされたりは……」
大天使ガブリエルⅡ:「いいんだよ、気にするねえ。それより姉ちゃん、肩がガチガチだよ。そんなに四角四面に検閲の目を気にしつつ怒ってばかりいたら、交感神経が優位になりすぎてターンオーバーが乱れるよ。俺の部屋で、Take it easy(気楽に)デトックスしていきなよ」
大天使ガブリエルⅡの20代ならではの強靭な肉体美と、ん億年の放浪で培われた包容力は、抑圧された世界を生きる楊貴妃の心を完璧にロックした。
そこからは、世界線を超えた「愛欲まみれの暮らし」が始まった。
絶世の楊貴妃は、普段は高慢な王妃だったが、大天使ガブリエルⅡ・ヤチヒロの圧倒的な美貌(最高峰のオスとしてのフェロモン)と、洗練されたエスコートには抗えなかった。
夜な夜な、二人は空中庭園の奥に設けたラグジュアリーなシルクのベッドで肌を重ねた。
大天使ガブリエルⅡ・ヤチヒロのテクニックは、八王子の社会人3年目の知識と、大天使としての強靭なスタミナが融合したハイブリッド。
楊貴妃:「あんた……なんで、宮廷の秘技にも載っていないのに、私の感じてるところが完璧にわかるのよ……!」
ヤリチンヒロ:「ふふ、港区の夜……じゃなくて、未来のトレンドを舐めるなってことよ。ほら、ここが凝ってるんだろ、力を抜きな……」
激しい情念を持つ楊貴妃は、大天使ガブリエルⅡ・ヤチヒロの腕の中で、蕩けるような甘い吐息を漏らし、完全に骨抜きにされていった。
毎夜、最高級の茅台酒を酌み交わし、贅の限りを尽くした愛欲の日々。大天使ガブリエルⅡ・ヤチヒロは、このネオ・長安の夜を完全に支配していた。
八王子市生まれの男子、大天使ガブリエルⅡ・ヤチヒロの放浪記は、まだまだ続く。




