7話『……犬?本当に犬かしら!?』
◇◇◇◇◇◇◇◇◇ミチルside◇◇◇◇◇◇◇◇◇
屋敷に戻って一夜が明けて目が覚めると私の部屋の前ににぃ様と茶色い可愛い動物がいるわ~?ふふ…可愛い……
けど……
「あの~にぃ様ぁ?」
「元々は猫を探してたんだけど、可愛い犬がいたから連れてきたんだ。
ミチル、犬も好きだったから。」
「えっと……そうなのだけどぉ……」
茶色でケモ耳もあるし尻尾もある四足歩行だけど~……
「きゅーん……?」
……『狸』よね?首輪してるけど『狸』よね!?
なんか全体的にぼわってなってるもの!!
「元はご飯にしようと思ってたんだけど、丁度良かったね!」
「っええ、そうなの!?
そうねタイミングが良いわね!」
「うん!ご飯用意してくるよ。
ミチルは待ってて。」
「分かったわ、ありがとう。」
まぁどちらも可愛いから良いのだけど!
……まぁでも。
「何時までその姿でいるつもり?『キャミエルちゃん』」
「……んな~バレてたのだな。」
ポンっと白い霧を出し頭に葉っぱを乗せたまま、私よりも濃い桃色の髪をした茶色い真ん丸の耳と大きい尻尾をした高校生程の少女……実物は初めて見たわね。
………結構お気に入り衣装の…両腕に肩出しなのに黒アームカバー&黒タイツの上にセーラー服モドキ……
「うん、『キャミエル』ちゃん。」
でもこの子は狸の獣人の女の子で『模倣』のスキル持ちの満月学園の学生。
だけど原作ではミチルともアズとも面識は無い、今私達が出会っている時点でこの子も……『転生者』ね。
「『レイテル・蒟蒻』なのですだ。」
「ん?」
蒟蒻?あのヌメヌメで切りにくい食材?
……??
「レイテル最推し故名前をパクりましたのだ。」
?……!?
……『レイテル』って?あの身長180cmの顔が良くて「筋肉を付けろ」が口癖の紫髪のムキムキの学園の先生!?
確かに…ムカつ…カッコいいけど!
「……貴方キャラ濃いわね…」
「なのですだ。」
キャミエル…いや、
「キャミエルちゃんとレイテル、どっちで呼ばれたい?」
「レイテルでお願いする御座候。」
…転生者の癖に私よりキャラ濃いわねこの子……
「えーとレイテルちゃん。
貴女、転生者ね?」
「んなー?お主も?」
「私は違うわ、けれど知っているの。」
「ほへ~ラスボスは流石なのだな~」と言って納得したようだった……えっ本当に納得したの!?ちょろいはこの子!
「貴女は転生者としてどんなことをするつもり?下手なことをするなら、ここでペットとして飼い殺しエンドになるけれど。」
「んなぁー?我は別にハピエン厨では無いのだ。
むしろメリバ厨なのだ!監禁ヤンデレ大好きなのだ!」
「ふーん……そうね。」
確証がない言葉は嘘と同義。
見た目は良いもの、無駄なことをされる前にペットとして飼って……
「『イールド』に『レイテル』を飼い殺してもらう…バットエンドにさせるのだ!!」
「えっ?」
『イールド』は金髪の怪しい胡散臭い奴隷商の男で、レイテルの宿敵の……
……この子…!腐ってる!!!
しかも結構ヤバい方向!!!
「ハピエンよりもメリバの方が好きなのだぁぁ~」
ぽんぽんと、尻尾を上下に振っている姿は嘘をついてるようには見えないけど……
…そういえば…狸鍋って狸入ってるのかしら?
「貴女………」
「勿論アズ×ミチルも好きなのだ。百合も男女も薔薇も兄妹も行けるのだ。」
「貴女……!!!♡」
野生のカプ厨……!!
「なら♪私とにぃ様の為に手伝ってくれる?」
「OKなのだ、お前は夢じゃないなら大歓迎なのだ。
ついでにお前もカプ厨なのだ?」
「ニコイチだよ黙れCP厨。
お前の攻略本書いてやろうか。」
「んなー。」
もう!心配して損した!
可愛いじゃないこの狸ちゃん!!
好き好き大好き♡愛してるわ♪
あっ恋愛厳禁のね。
「その代わりに手伝ってくれなのだ、主人公との男性キャラのカプはあまり好みじゃないのだ。」
「もう!どれだけ可愛いのかしらこの子ったらぁ!」
それってにぃ様と主人公の関係も邪魔してくれるって事じゃない!
し か も♡この子のスキル『模倣』は『原作』も分からない程の完成度!
性格はちょ~~~と違うけど、ほぼ同じだから大丈夫よね!!!
「ご飯出来たよミチル。
随分楽しそうだけど気に入った?」
「きゅーん!」
あら、にぃ様へは普通の狸として対応するつもりなのね。
まぁ良いわ!どちらにせよ可愛いもの!
……狸へ化ける瞬発力凄いわねこの子……
「にぃ様!この子ったら可愛い過ぎるわ!
名前は『レイテル』で良いかしら!!」
「そんなに気に入ったの?
なら頑張って良かったよ。捕まえるの難しかったんだ。
固まっちゃってその場から全く動かなくて。」
ちゃんとそこは狸してるのね!
でも偶然レイテルを拾ってくるなんて流石のにぃ様ね!!
運が良すぎるわ!
「食べるにも肉が不味いし」
「きゅ……」
「まぁ狸だしね。」
「きゅー!?」
こうして私は従順な友達を手に入れたのだった!
「あっ!にぃ様!!このサンザシの髪飾り!渡し損ねてたわね。」
昨日貰って綺麗に洗った深紅の宝石の髪飾り、完全ににぃ様に渡し損ねていたわ。
「ん?それがどうしたの?」
「この髪飾り、売ってきて欲しいの。」
「えっ……?」
私はやらないといけないことがあるから、にぃ様に着いていけないのよね……
「どうして?凄く似合ってるのに…」
「お金、無いんでしょう?」
少なくとも貴族様のもの……それなりのお値段にならないと可笑しいでしょう?
……安く買い叩かれたら……その時は私がなんとかすれば良いもの!
煮るなり焼くなり……何ででしょう…揚げだこ食べたいわ…!
「ほら、詳しくは知らないけど…あの貴族の御用達の宝石商?に行くと良いわ。
あの人は目が良いから、少なくともそこら辺の食事二三回で終わるぐらいの値段にはならないと思うの。」
安い料金を提示して大きな魚を逃がすような愚かな人じゃないから。
……こんな所も分かるなんて原作の知識は結構優秀ね。
…だけどちょっと…にぃ様が悲しそうな顔をしてるのは気に食わないわね。
「髪飾りを着けたミチル、綺麗だったのに。」
「ふふ、にぃ様がそう言う程綺麗な私がそこら辺の貝殻を着けたって安い女にはならないわ。」
それに見た目よりも、にぃ様との生活が大切なんだから。
「ついでにミチルは…どうして宝石商さんのこと知ってるの?」
「………女の勘よ。」
私はにぃ様から視線を外すしか無かったわ……ヤンデレとして不覚っ!……
……少し獣臭いわねこの子。
「きゅ!?」
「……あ…」
勝手に狂っとけよ同郷思想が。
おまけ!
【スキル設定教室!】
「スキルには内面系、外面系、主にその二つがあるわ。」
「おおーそれっぽいのだ。」
「私の【超記憶】は内面系、貴女の【模倣】は外面系のそれぞれの系譜があるんだけど……
簡単に言えば…」
「んなー……難しそうなのだ……」
「内面系=体質、外面系=後天的体質。OK?」
「ざっつッ!!」
「以上!!!」
「はっやっ!!!」
「だってこの設定殆ど出てこないし……」
「一応ゲーム世界だろそれで良いのだ?
……ついでにこの世界モブにもスキルはあるのだ?」
「うーん……無いわけでないのだけど。
内面系のスキルを持っていても確認する術が殆ど無いから本人からしたら『無意識に使ってる癖』みたいなものね。
外面系のスキルで強力なのは大体プレイアブルになってそうだし……」
「つまり出てこないってことなのかOKなのだ。」
「変わった奴と言えば主人公の奴だけどあんまり気にしなくても大したことは出来ないしね。」
「ついでにまだ主人公に会ってないのだ。
どんな奴なのだ?」
「私のド地雷踏んだ奴。」
「嗚呼……」
「私の尊厳破壊した奴……」
「…嗚呼……」
「でも正直恨みは無い……」
「……嗚呼……」
「ついでここまで【スキル】の設定言ったけれど本編ほぼ使われないわ♡♡♡♡」
「おい」




