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6話『にぃ様とデートね♪』

◇◇◇◇◇◇◇◇ミチルside◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「にぃ様!どちらのお洋服が良いかしら!」


 ロリータとゴスロリ!

どちらも可愛い過ぎて選びきれないわ!!


「ミチルの髪がふわふわだからどっちも可愛いよ!」


「もうそれって結局どっちなの!」


 嗚呼、本当に……にぃ様と一緒に可愛い服を着ながらデートなんて夢みたい…

にぃ様も着飾ってくれてる……し……


「にぃ様…?真緑のズボンの上になんで真黄色の上着を着ているの……?」


「ああ!ミチル!!これ凄くカッコ良いよ!」


 ……私の時よりもテンション高くないかしら…?

でも流石に目立ちそうだし…あっでも私もふりふりドレスだし……


「素晴らしいと思うにぃ様!!まるで胡蝶みたいね!!」


 まっいっかぁ♡

にぃ様が遠巻きにされても私だけが近付ける訳だしね!♪


「それじゃあ……お金…」


「…………にぃ様……?」


 ……明日からはお金を節約しましょうか。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 そして屋敷を出て、町に行って歩き疲れてパン屋の後ろで休んでいると。

すっごいきゃわいい真っ白な子猫がいた!!


「にぃ様ぁ!!見て見て!

猫ちゃん!!猫ちゃん!!」


 小さい!ピンピンしてる!動いてる!きゃわぁぁ~♡

わぁぁぁ寝転んだぁぁぁ!!!


「そうだね、とっても可愛いね。」


 そう言ってにぃ様が子猫に指を絡めると子猫が小さく動いた。


「……飼われてたのかな…」


「にぃ様!にぃ様!!こっち来た!

膝!膝に乗ったわ!」


 もふもふの毛玉がふりふりのフリルの上で丸まった!

きゃわいい!動いてる!!動いてるぅぅぅ!


「人慣れしてるね。

多分何処かのお屋敷の飼い猫だよ。」


 にぃ様がそう言うと子猫がにぃ様の方へ向いた。

けもけも!!♡きゃわいい!!!♡


「とっても可愛いわね!♪にぃ様!」


「……ねぇ、ミチルは…どうしたい?」


「えっ…?」


 どうしたい?

……何を……


「……飼いたい?」


「……この子を……?」


「うん。」


 飼いたい…うーん。


「いいえ、家に連れては行かないわ。

迷子のこの子を返したら、探してたお屋敷の人がお金をくれるかもしれないもの!」


 生活資金の調達は大事よね!!


「そっか、この子の家を探そうか。」


◇◇◇◇◇◇◇◇


 子猫のお家を探すように、町を回れば沢山の屋台があった。

そして町の中央のお屋敷の周りをうろうろしていれば。


「ミルフィー!」


 ローブを被った男の子が声をかけてきた。


「この子、貴方の家の子猫?」


「ミチル。

この子…迷子になってたから飼い主を探してたんです。当主様の息子さんでしたか。」


 ローブの中を覗いてみれば。儚げな碧眼、一つ結びの白銀の髪、紅いサンザシの髪飾り。

あれ?この子って……

『アリス・ロンド(登場人物)』じゃない?


「嗚呼……使用人が勝手に逃がしたんだ。」


 ……まさか…本当に!!

『男装女子』時代のアリスちゃん!!!???

原作では『流石兄上!系の清純派妹』だった姿しか見てなかったから驚いたけど!!

『同族』の匂いがするわ!!


「あらそうなの♪!

なら今度はちゃんと逃がされないように囲ってあげてね、生き方も知らないのに逃がされたって可哀想だわ。」


「……感謝する。」


「でっ、報酬はなにかしら?」


「ミチル!」


 『アリオン・ロンド(病弱な兄)』の体調を気遣った使用人が勝手に逃がしたのね。


「っ強欲だな愚民よ……!

……しかし、良いだろう僕は寛大だからな。」


 だけど『アリス・ロンド(立場の弱い妹)』には後ろ楯が無い。

それは女の立場が弱いこともあるけれど。


「ふっ跪いて受け取れ。

貴様が一生働こうにも目にもかけれぬ物だ。」


 サンザシの髪飾りを地面へと落とし、拾うことを強要する。

この傲慢な性格による。


「っミチル!」


「ありがたく受け取るわね当主様。」


 可哀想な兄ばかりを優遇し、自分を蔑ろにする者達を威嚇するために作られた傲慢な性格。

だけどその侘しさは敵意を持たない子猫に向けられている。

哀れだけど愛らしい女の子。


「さて、にぃ様行きましょうか。」


 ……結構癖…ね……


「ええ!良いの?」


 にぃ様の手を引っ張り、歩き出す。

どうせ彼女が何を両親に話そうと病弱な兄に掛かりっきりな両親は話すら聞かないだろう。

だけど。


「あ、最後に忠告しておくわ。

大切な物は危機が晴れるまで決して逃がさぬように囲っておいてね。」


 【愛が奪われることの無いように。】

奪われるものを愛する限りは。


「っ!」


 はて、どうなるのかしら。


「あとにぃ様!ふらふらしてないで最初からこの屋敷に来てれば良かったじゃない!!」


「う、うん、ごめんね。

まさか本当にここなんて思ってなくて。」


 にぃ様のせいで何時間が無駄になったか!

……ていうか多分彼女、この服装に引いてたわね……


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「アイス♪!アイス♪あまーいアイス!♪」


 気を悪くした私に、にぃ様は一つのアイスを買ってくれた。

勿論スプーンは二つもらったわ!


「ミチルの気が収まったなら良かったよ、食べ終わったら感想教えてね。

っ…むぐっ!!」


 にぃ様の口にスプーンに掬ったアイスを突っ込んだら、呆気にとられたにぃ様はびっくりしたみたいで心の中のふわふわとした高揚感が埋め尽くして幸せだ。


「感想言うのはめんどくさいじゃない!

ねぇにぃ様!一緒にこのアイス分けっこしましょう!」


 二つのスプーン、一つのアイス、でも二人で居れば幸せは2倍。

こんな日常が!


◇◇◇◇◇◇◇◇◇アズside◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


続けば良いのに


「助けて゛……!助けてく゛れ゛!!

頼む!命だけは゛!!」


「…ごめんなさい…もうすぐお金が無くなるから。」


 …人殺せばお金は手に入る。

殺された人はお金を使う余地なんて無いから奪えばいい。


「がは゛ぁ■んっ!!゛ひ■゛ひ゛ひ゛ぃ゛ぃ!!

■゛が゛■■さぁ゛……!!!!゛■ぁぃギギ゛゛ギゅ■■ぁ゛!■!!!゛ぁあだ■■ばぃぃ゛■゛ぃ……!■■!■!」


「ミチル…」


 僕は守らなきゃいけないんだ。

僕の…僕の唯一の家族を!


「赦して…赦して……

母さん……父さん……っ!」


 僕の父さん母さんを奪った世界が悪い癖に!僕からまだ奪おうとするならっ!!!


「……゛■っ■■゛っ゛ぁ゛ぁ■゛゛!!!

ぃ…■…ぃ゛ぃあ■■゛……!!!!!じ■に゛ぃ゛゛た■くな゛゛■■ぃぁ……ざ、か■や……■■■゛……■■ッッ……!

!■■■■……■■■…がっ……■■■■……■!!!!」


 はは…ははは!

あっ!


「ミチル……猫…好きそうだったな……」


 久しぶりに見たなぁ。

僕以外に…あんな顔するなんて。


「…猫…何処からか連れてきてあげようかな。」


 僕達が幸せなら、他の奴らが不幸ならそれで良いのに……

…でも……


「母さんと父さんは…そんなこと望まないよね…」


 ……ミチルが…好きなことをさせてあげよう。

たくさん食べさせて、遊ばせよう、それできっと、二人も…幸せだよね。

おまけ♡


【飼い主探しの苦難】


◇一回目◇◇◇◇◇◇◇


「あのこの子の飼い主ですか?」


「……えっと……何処の子だい君達…?

…そっちの子は…異国の流行り……?」


◇二回目◇◇◇◇◇◇◇


「あの、この子の飼い主ですか?」


「……今は忙しいんだ、関わらないでくれ。

……だが服屋までの道なら教えてやるぞ……」


◇三回目◇◇◇◇◇◇◇


「わぁお!そこの少年!君も奇人選手権の応募者かい?!」


「……」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「…やっぱりここの人達は忙しいのかな、ミチル。」


「ええ……そうね。

ちょっと目が痛いわ……耳も……」


「えっ大丈夫!?無理しないでね……」


「………………

………………

…………

……ごめんなさいにぃ様……半径1メートルぐらい離れてくれるかしら……」


「!?もしかして……この服……ダサい……?」


「いえそうでは無いのだけど……」


「本当に?ミチルが嫌なことなら絶対言ってね……!」


「…ちょっと…尊厳破壊の音が……」


「尊厳破壊の音!?」


「…羞恥と軽蔑……ツーアウトってところね…………」


「えっえ!?どういうこと!?」


「そしてなにより……私がにぃ様に向き合えないこの状況ッッ!

尊厳破壊の極地ッッッッ!!!」


「…やっぱりミチル…

この服装……ダサい…?」


「……スリーアウトってところね……」

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