43話『カミサマ』
◇◇◇◇◇◇◇◇ミチルside◇◇◇◇◇◇
「…結局、目覚めちゃったわね。
あたし。」
【冥中】でも【不老不死】は突破出来なかった…か。
「鍵は…閉まってるわね。
それに窓も、開く感じじゃない。」
…逃げ場は無し、この感じ、あのふざけたドパーミンが切れちゃったのかしら。
頭が痛いわね。
「……なんか凄く疲れちゃったわね。」
ここで眠ってた方が、きっと頭の痛みも良くなるのかしら。
「……町の人達のこと…滅ぼすつもりなのかしら。
人形にされた挙げ句、滅ぼされるなんて気の毒ね。」
本当に気の毒、だけど
「でもどうでもいいわね。」
もう、何も考えたくない
「にぃ様に殺してもらえたら、にぃ様とずうっと一緒に居れたのかしら。」
…永遠の時を生きるあたしと、一瞬の生を生きるにぃ様
忘れようとしても、いつまでもそこがチラつくのは
【超記憶】のせいかしら
「にぃ様が死んだ後、一人にならなくて済んだのかしら。」
でも別に不老不死なんてもの造ったのあたしなのにね
「でももう良いわ、にぃ様とずっと一緒に居られないなら。
あたしは……」
……ここまでにぃ様を苦しめたのも、あたしなのにね。
「……にぃ様に…幸せになって…欲しかっただけ…だったかな…」
幸せになって欲しかったなら、元から離れれば良かった話だった…のにね
「……馬鹿なカミサマで、ごめんなさい。」
…それでも…
「死にたく…無かったなぁ…」
この世界は楽しかった。
美しくて、月が綺麗で、私の設計した世界で。
あたし以上にキャラクターを知ってる人は居ない。
……あたし以上にキャラクターを愛してる人は居ない
そんな、そんな
「…まま…」
世界でも…
「帰りたいよ…会いたいよ…っ…」
あたしが居た世界はここじゃない。
あたしが育ってきた場所じゃない、今まで苦しんで来たのはここじゃない。
「ぱぱ…ねぇね…にぃに
……また…話したいよ……」
あの時、石畳から足を踏み外さなければ良かった。
あの時、神社に行かなければ良かった。
あの時、両親と一緒に居れば良かった。
そうすれば、29歳になれたのに。
「ばかだけど……なにも出来ないけど……
ひどい……シナリオしか書けないけど……」
でももう、何も出来ない。
もう、何も変われない。
「……いっしょっに…いたかったよ…」
覆水盆に返らず、それでも、あたしは。
あたしは。
「まま…ぱぱ……
ずっと……こどもで…ごめんね……」
このシナリオを造った10歳の時から何も変われてない。




