4話『善は急げで行動が早い!』
◇◇◇◇◇◇◇◇ミチルside◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
にぃ様を監禁するにはどうすれば良いのかしら……私は一人自室でそう考えていた。
何かを本格的に動くとすれば物語を守る強制力が働く筈だ。
その為、『主人公』が来るのは原作通りの18歳だと仮定して。
「いっそ主人公殺したら良いんじゃないかしら……」
あっ、ダメね。
下手にそんなことして物語の強制力に殺されたりでもしたらにぃ様の隣に居られなくなってしまうもの!
「強制力が許す限り動くしか……私には手は無いわね。」
…………あっ!駒を用意して駒とにぃ様を結婚の約束をさせてから、主人公が去ったら駒を壊せば!!
「…なんかにぃ様にトラウマを植え付けそうだから止めときましょう……」
擬似的でも好きな人を奪うことになるのは気が引けるわ。
「……下手したら私が死ぬのがヤバいわねこれ。」
原作軸での『ミチル』はにぃ様を相手に殺されないことを確信しながら傲慢にも動いていた。
それこそ、にぃ様の『罪悪感』も『独占欲』も利用して。
「でもその結果にぃ様に限界が来ちゃったのよね……」
主人公に絆されたにぃ様は、主人公に負けても生き恥を晒しながらも主人公を倒そうとする私に、にぃ様に油断仕切った私の背後から捕まえて主人公に渡した。
それは『別離』だったし、『覚悟』だった。
「今回はそんなことさせない。」
今の私に人を支配するのに一番必要なものは何?と聞かれたらこれでしかない
『安心感』と『幸福感』だ。
「今度は私に洗脳された奴隷なんて誰にも言わせないわ♪にぃ様♡」
元から女の愛情なんて型から外れたら苛立つくらいの自分勝手な庇護欲でしかない。
それをにぃ様に向けて何が悪い。
「取り敢えず全員死ねよ、哀れ気取りが。」
……ん?言うこと間違えた?
◇◇◇◇◇◇◇主人公side◇◇◇◇◇◇
「とりあえずミチルたんとアズきゅんの屋敷までお迎えにきた……」
とりあえず貴族の両親に隠れて護衛を振り切ってお迎えに来たけど……どう話しかければいいんだ!?
「救いにきました!」、「二人とも最後は離れ離れになります!」……絶対に怪しい……
「二人とも…寂しかっただけなんだよな。」
『満の月末』の世界はあまりにも救いがなかった。
そんな世界で二人はお互いだけしか信じられなかったが、最後も離れる結末しか残されて無かった。
「出来るなら……二人とも最後はハッピーエンドでいて欲しいな……」
二人とも……かわゆいからな…
二人のコラボのポーズが組み合わないアクスタが出る度に必死に良い感じに横に並べてた身からすると…出来れば二人のスチルが欲しい……
「……」
「えっアズきゅ…ん…!」
……リアルショタ!リアルアズきゅん!
何故か木の裏に隠れているようだった。
「……しーっ!…かくれんぼしてるから……!」
アズきゅんが指を指した方を見れば
「にぃ様~!何処にいるのー?
もう森ってやっぱり広すぎるのよ……」
高い声で誰かを探すピンク髪の幼い少女がいた。
「……ミチルたん……!」
悪役の二人がかくれんぼしてる!えっかわゆい、萌が……萌がヤバい……二人のかくれんぼスチル欲しい。
「んー?やっぱりあっちに居るのかしら。
っああ、もう!虫に刺されちゃってるゃない!」
「にぃ様!何処にいるのー!」とミチルたんが僕達のいる方向とは別の方向へバタバタと足音を経てながら走っていってしまった。
「ふぅ、バレなくて良かった。
急に人が来たからバレちゃったかと思ったよ。」
「ご、ごめん!かくれんぼしてるとは知らなくて!」
「それで君は…この屋敷の人に……用があってきたのかな?」
用!?用……「二人を攻略しに来ました!」って言ったら絶対に引かれるよね!
言い訳……言い訳!!
「……近くを歩いてたら迷子になっちゃって!でも多分もうすぐ迎えが来ると思うので迎えが来るまでここで待ってて良いですか!?」
「……迎え?が来るなら僕は良いけど……
君、名前はなに?」
「ミツルですっ!」
「ミツル…?あはは!僕の妹のミチルにそっくりな名前だね!」
『未散』と『満』は元々対称的に設定されたキャラクターらしいからなぁ…あと個人的にミチルちゃんの漢字表記が好き…
「ミチルに聞いてみないと……」
ミチルたん!出来ればミチルたんとも面識持ちたいけど…かくれんぼ中に呼びに行くのは……
そう思った直後、視界の隅に桃色が見えた。
「にぃ様!……えっ……?」
ミチルたんが満面の笑顔で覗き込んできて……僕を見た瞬間に表情を凍らせた。
「……ミチルっ?!ミチル!!」
「どうしたのにぃ様?!」
……気がした。
「その男の子、どうしたの?」




