3話『にぃ様監禁大作戦大失敗!』
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ミチルside◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「おはよう、私のにぃ様……。」
「……ミチル。
おはよう。ちゃんと挨拶できていい子だね」
早速見つけちゃった!監禁に良さそうな部屋!
とりあえずにぃ様に抵抗されないように寝てる間に檻の中に運んだけど……強制力が働かなくて良かった。
「ここは……もしかして秘密基地!?
こんなところもあったんだねっ!」
「ええ、にぃ様の為に頑張って探したのよ。
ここでにぃ様と過ごそうと思って……」
早い段階で確保できて良かった。
下手に外に出して原作軸を進めるなんてこと……
「確かに…かくれんぼとかに向いてそうだもんね!」
「えっ…!?」
遊ぶ?遊ぶって……待って私にぃ様のこと監禁してるのよね?
檻の中に入れてるものね!?
「にぃ様私のこともしかして子供扱いしてる…?」
「あっ確かになら人形遊びの方が良いかな?
ミチルが好きなことで遊ぼっか!!」
えっ……えっ!?
逆ににぃ様なんでワクワクしているの!?
あ……
「秘密基地!!??」
男の子のロマンだものね!!!???
確かに私達、森の中で二人だけの秘密基地探したことあるわ!!それもすっごく楽しそうにしてたわっ!!
「あっミチル…遊ぶのも良いけど先にご飯食べない?
起きたばっかりでお腹ペコペコで……」
ふっ、ふぅ、そうよね。
お腹空くわよね、私もにぃ様運んでお腹ペコペコだもの。
「ええ勿論!何が食べたいかしら?
私が作ってあげるわ。」
そう…ここでにぃ様の胃袋を掴んで監禁生活続行……
「ミチルと一緒に作ったご飯」
……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「おいしーねミチル!」
もしかしてこれがっ……!物語の強制力!?
にぃ様にそんなこと言われたら一緒に作るしか無いじゃない!!!
はっ!でもそれじゃ物語のせいでにぃ様がそう言ったみたいじゃない!
あんなセリフ、素のにぃ様しか言わないわ!
「そっ……そう言ってにぃ様、あまり食べてないじゃない。
私のことは気にしないでたくさん食べてくれると嬉しいわ。」
「え~ミチル病み上がりでしょ?たくさん食べないとおっきくなれないよ!」
……そう言われたら食べるしか無いじゃないっ!
…美味しい。
にぃ様の愛情の味がする。
「でっこの後鬼ごっこする?!かくれんぼする?!」
「もう…人形遊び…良いかしら……?」
この館意外と人形とか多いから……ちょっと気になってたの。
「大好きな妹の好きなことなら勿論僕も大好きだよ!でっ!その後は鬼ごっこ!?かくれんぼ!?」
……ま、まぁまだ監禁しなくて良いかしら?
どうせまだ主人公は来ないんだから…!
◇◇◇◇同時刻◇◇◇◇
???side
「はぁ…はぁ…はぁ…」
間違いない……!
僕は『ミツル』に成り代わっている!!!
「………『満の月末』だ!!」
トラックに引かれてここ数日、もう会えない両親を悲しみながら過ごしてきた。
……でも……ゲームの主人公に成り代わっているなら別……!悲しんでいる暇などない!物理的に……!!!
下手したらこうしてるだけで推し達が病んでいくっ!!!
「キャラクター全員幸せにしたい!」
…なにせ僕は『満の月末』の生涯キャラクター箱推し!
限界オタクとして出てるキャラグッズも限定販売も含めて全部集めてるし!
「特にアリスたんとか…キャロルたんとか…アズきゅんとか……」
アリスたんのトゥルーエンド、キャミエルたんのトゥルーエンド……たくさんのシナリオを見てきた……(一人のルートを最低三回は周回してる)
人生全てを『満の月末』に捧げてきた身として!全員が幸せなエンドを探したい!!
「ぐへへ…今全員ロリショタなのか今……
萌える……」
過去の姿はスチルで見たことはあるけど……それはそれでリアルで見ると絶対かわゆい……睡蓮先生万歳!
特にスチルが実装されてない子なんかめっちゃ見たい!!!
「ヤバい致死量の萌が……尊死しそう……」
でも……
「…このゲーム…ハーレムエンドみたいなのってあるのかな……?」
ミツルきゅんののスキルは主に『最愛』。
『最愛ルートの対象』に幸福を与えるというスキル、…………ついでにゲームだと扱いにちょ~~っと困るタイプの奴でした!!
なら全員攻略していけばいける?そうすれば皆で仲良くハッピーエンドになる可能性がある?
「うーん……一人一人攻略していくしかないよね……
原作改変…だけど…全員を救ってあげなきゃ可哀想だもんね。」
原作では実質ハーレムエンドは存在してません。
でもこっちでは現実で、出来る限りの幸せにしてあげたいのがオタクの宿命というものです!
……劣情は無い…とは言えないですけど……
「皆好きだから仕方ないよね!!!」
……ただ最初に攻略するなら、順番は決めといた方が良いかも知れない。
そう特に元凶となる『ミチル』や『アズ』なんかの……ラスボスキャラは特に時限爆弾ですね~。
「でも…やっぱり…公開されてる範囲しか情報がないのはキツいかも…」
誕生日に公開される情報とスチル情報から推測するしかない!
えっと確か……ミチルとアズは二人だけで屋敷で過ごしている……そして…もう少し大人になれば、殺人や非合法な手段でその日のお金を稼いで過ごしてて……
「……そんな生活をする中でいつからか二人は共依存関係となって自分達以外の全てを不幸にするために動き始めた……」
その計画のせいでゲームキャラクターの死亡理由が8割この二人でしたし……
つまり!とりあえず二人の攻略を急がなくては、他のキャラクターにも影響が出ます!
逆にこの二人を抑えれば被害を最小限に抑えてプレイアブルキャラクターを攻略できる!
「ミチルたんとアズきゅん!生前のガチャで天井でしか出てきてくれなかったから運の良さは若干心配だけど!」
どれだけお財布のお金が飛んでったことか……
…あっ、鏡の中に美少年がいると思ったらミツルだった、尊い。
「……ぐへへ…」
新しい自分の見た目は8歳の少年だ。かわゆいし、ロリショタと絡んでても違和感が無いしむしろ絵になる。
しかし、中身はもう20を越えた大学生だ。
まぁ人生……ほぼお財布の全てを『満の月末』に注ぎ込んだのは間違いないのだが。
「……とりあえずまだ病んでないロリショタのミチルたんとアズきゅんをお迎えに行かなくては!!」
がチャリ…
「ほほほ、坊っちゃま失礼しますぞ。
この後の予定は最初は剣の稽古、次に家庭教師によるマナー授業、少し早いですが世界情勢の講師を新しく雇いましたので挨拶に行っておいてください、その後は10分休みを挟みながら識字の授業、言語の授業、数学の授業が続き、その後は御家族でのお食事でござまいます。」(年齢80手前の護衛兼執事さん)
「……えっ…?」
「坊っちゃま、つかぬことを御聞きしますが……やはり無理をしているのでは無いでしょうか?」
「……オールOKです執事さんッッ!!!」
ミツルくんとしての業務に一つでも穴を開ける訳にはいきませんッッッ!!!!
☆おまけ☆
【授業を受けるミツルくん!】
「……読めます…読めます…!」
凄い、すらすらと…
一瞬で意味が分かるなんて…いやでもこれ……
「逆に日本語にしか見えません……!!」
……異世界でしたよね?これ?
なのに…言語どころか文字も……
【日本】……!!!
「!!!」
ハッ!!そういえば睡蓮さんが言っていた言葉があります!!!
『生物も植物も現実だし言語を分けるわけにはゲーム上出来ないから完全言語統一だね!!(グローバル版はその国の言語態様です。)
元は現実と同じ世界観だし行けるね!!!』
と!!!
「……助かりました…睡蓮さん。」
確かにこの世界、猫も狸も、なんならニンジンもキャベツも全て日本と同じ呼び方でしたしね…
…本当にありがとうございましたッッッ!!!死活問題でしたっ!!!!
「……!!!!。」
待ってください……
植物、動物ともに日本と同じなら……
「前世の食べ物を再現出来ますね!!!!」
がたッ!!
あ!急に席を立つのはマナー違反っ!執事さんも怒って……!
「坊っちゃまぁぁぁぁ!!!!
お紅茶を頭から浴びましたが大丈夫ですかぁぁぁ!!??」(年齢80手前の護衛兼執事さん)
「……えっ?……あっつッ!!」




