2話『睡蓮許さない♡』
◇◇◇◇◇◇◇◇ミチルside◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
えっ?『ミチル』がやった悪事は何かって?
ええ、説明はするわよ?
まず世界に呪いをかけて人を大勢殺して、キャラクターのシェアハウスをドーンッ爆発、無機物キャラクター肉体解体、人気だったネタMPCを殺人後死体利用成り代わる…ん~倫理観終わってんなぁ~♡
…書いといて何だけどグロくない?待ってグロくない?現実で絶対したくないんだけど……
付いた異名は『レギュラー殺し』、取り敢えず仲良くなったMPCとキャラクターは警戒しろって言われてたのが懐かしいわ。
あとプレイヤーに火力を見るためのサンドバッグにされてたの思い出すわ…懐かしいわね…
「でも今回は止めといた方が良いわね、にぃ様が主人公に攻略されちゃう。」
にぃ様が私以外を見るなんて笑止千万。
笑えない冗談だわ。
けど
「んー!キツイキツイキツイ!!!」
このゲームには最大の魅力要素があったそれは『キャラクター攻略』が出来るということ。
主人公が男でも女でも、攻略対象が女でも男でも。
性別問わずに攻略し、『最愛』となることが出来る。
「本当に……気持ち悪いシステムね……」
そして私も……例外じゃない。
ただそれは私にとって最大の『尊厳破壊ルート』。
「てか上記の内容でよく攻略しようって気になるわよね。」
大分気が狂ってるんじゃないかしら。
普通に主人公、怖くない?
ただ絶対、主人公に攻略されたくない
この時点で私は枕を踏み潰した。萎んだ。
「ふふ、ヤンデレが好きな対象を変えるのはもはや……
最っ大の尊厳破壊&寝取られ。
………ぜったい…主人公に絆されたくないッ!!
…正直狂人だし主人公。」
誰からも嫌われ愛されない、最愛のにぃ様からも捨てられた私に長期的に言葉を刷り込み誘導する。
正直言って本当に気持ち悪い。
いや私も大概だけど。
そしてそして何より!!!!!
「このルートでにぃ様に対して「ミチルさんを幸せにします!」って言ってるの本当に何なんだお前!!!」
にぃ様が牢に会いに行けなかった理由は主人公の「依存と愛は違います。」という言葉に、ミチルへの成長と依存からの別れる為に会いに来なかっただけなのに!(※睡蓮のミチルルートの裏話)
「しかもにぃ様の攻略ルートもやだぁぁぁ!!あの無意識囲い込み系ヤンデレ主人公なんてやだぁぁぁ!!」
「どうしたのミチル!?」
「あら何でもないわ、にぃ様。」
大声を出しすぎてにぃ様が部屋に入ってきてしまった……はぁ……はぁ……一度落ち着きましょうか。
にぃ様と私は大きな屋敷の中『二人』だけで過ごしているもの。
監禁するなら秘密の部屋が良い、簡単には見つからない場所、そこを掃除してにぃ様を捕まえて……抵抗されなかったら行ける!!
「ご飯にしようか、お腹痛いんでしょ?
持ってくるね。」
「!……ありがとう、にぃ様!」
…スキルが無ければね。
このゲームのキャラクターには一人一人に『スキル』がある、数は大体一つ、最大二つ。
戦闘系、心理系、バフ系、なんてのがあるけれど 『ミチル・ハーベスト』のスキルはただ一つ【超記憶】だけ。
「起こった物事、考えたことを忘れない能力だけど……ファンタジーだと戦闘系の能力の方が嬉しかったわね…拘束とか…毒とか……」
全部を記憶出来たとてテストで100点を取れるのは一握りの天才だけ。
凡人の私には最大限扱えないわ。。
……ただ、『睡蓮』の記憶を忘れないのは良い能力ね。
他がチートじゃなければだけどね!!!!
「平凡狸女子高校生の【模倣】とか、サイコパス奴隷商の【旋律】とかの方がよっっっぽど優良じゃない……!!」
……にぃ様のスキル『冥中』っていう死んで欲しいと思った相手を殺せる屈指の最強スキルなのに監禁なんてどうやるのよ……即永眠させられて終わりよこんなの!
それに私のような小娘が『超記憶』を使ったところで当たり前の結果しか出せないわ。
「まぁ、にぃ様の過去を忘れないのは良いことかもね。」
にぃ様……心配してくれてたなぁ。
「あんな不純な愛憎がだーい好きな人間とは私は絶対に同一人物じゃないわ、だって私の愛は純愛限定だもの。」
『睡蓮』の悪意も加虐心も…許せないけど。
今度は変えれば良い。
「にぃ様、大丈夫よ。
今度は私がにぃ様を守るから。」
原作にあることだって。無いことだって構わない。
にぃ様の機嫌で振り回されたって!
にぃ様の気まぐれで犠牲にされたって!
にぃ様の享楽で放置されたって!
にぃ様の哀で人生を棒に振ったって!
にぃ様の怒りで人生の全て奪われたって!
構わないわ。私が守ってあげるから。
「今度こそずぅーと一緒に居ようね、私のにぃ様!」
…甘味が欲しい。
「…ほうじ茶ラテ無いかしら…」
おまけ!
【兄妹二人でお料理するミチルちゃんとにぃ様!】
「今日は奮発して沢山作りましょうにぃ様!?ここら辺は寒いから外に置いておけば明日のご飯にも回せるし!」
「うん、そうだね。
ならミチルが大好きな今朝獲れた猪のお肉も沢山入れよっか。」
「動物性たんぱく質ね!にぃ様!」
「?ふふ、普段良い子にしてるミチルに御褒美だからね。」
「わぁーい♪
なら私皿持ってくるわねにぃ様!」
「…はは、ミチルは元気だなぁ。
ちょっとだけ味見……意外と美味しい……!もう一口だけ……」
◇◇◇◇◇◇◇……
「にぃ様……あの……」
「あっミチル!……
……えっ?」
「……」
「全部無くなってる……」
「に…にぃ様は成長期だものね…!
そうね!私は人参の丸焼きを食べようかしらッ!
美味しいし!」
「……もう一回……」
「……にぃ様……?」
「もう一回全部作り直す……!」
「にぃ様ぁぁぁ!」
……
…………
………………
「…食費が……」




