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1話『強制力ってヤバい』


 お腹が痛い……ズキズキして……

頭がぐらぐらする……

私は…私は!


「……っ!」


「……大丈夫!?ミチル……苦しくない…?」


 『ミチル・ハーベスト』……それが私の名前。

そうだ、それ以外にない。


「にぃ様……!」


「もう…様付けは止めてって……

大丈夫……?」


「……にぃ様ぁぁぁぁ!!!どうか将来誰とも結婚しないで!!!」


 『アズ・ハーベスト』、私の最愛のにぃ様!

絶対絶対渡さない!!!

……あっお腹いたい……


「っミチル!?」


◇◇◇◇◇◇◇◇


 そうだったわ!

10歳の私に、この物語の『作者(睡蓮)の記憶』が宿って…そしてにぃ様が主人公に奪われる前に監禁しようとしたらお腹痛くなったの!


「大丈夫?落ち着いた?」


「うん…うん!落ち着いたわ!」


「それなら良かった……でも……やっぱりお腹痛いならお医者さんに連れて来た方がいいよね…

明日の朝まで待ってて!今から呼びに行ってくる!」


 ……俗に言う…『物語の強制力』、まさか立ち上がれなくなる程にお腹が痛くなってしまうだなんて……


「あっ安心してちょうだい。

ただの生理痛だから。」


 間違いないわ……この感じ…この腹痛……この情緒の不安定さ……『生理痛』!!!!


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 【満の月末】

作者『睡蓮』がシナリオを書き上げた異世界RPGゲーム、性別を気にせず男女ともにキャラクターを攻略可能の有名では無いけれど、多分楽しまれてた?かも。


 大部分は主人公の『満(ミツル)』が旅をして各国の問題を解決していく物語。

その中で全ての原因、闇堕ちした紫の髪の兄と二人だけの世界を望むヤンデレブラコン悪女ピンク髪の妹であり最後に最愛の兄にトラウマを残した『未散(ミチル)』。

だって設定だったわよね!!うん!多分!


「私が!!どうしてにぃ様と離れなきゃいけないの!!

最後ににぃ様が主人公に絆されてるのもやだぁ!!

…待って転んだ。」


 だから早く監禁しようとしたのだ!!(※軟禁でも勿論可)

なのにいざ行動しようとしたら初めての生理痛が始まってしまった!!!これを物語の強制力と言わず何と言えばいいのか!!


……ていうかやっぱりピンク髪にまともなヒロインはいないの…?


「うわぁぁん!!

にぃ様が結婚するのもやだぁぁぁ!!」


 出来れば一生引き摺っててほしい!!

一生だけじゃない!!!1000回生まれ変わっても引き摺っててほしい!!


「どうせ『睡蓮』が『まぁデバフ持ってた方が上手くいかなくてかわいそ可愛いだよね♡』でやったんだろふざけんなぁぁぁ!!!」(その割に愛されになると「これじゃない」って文句言う拘りの強いオタク)


 『睡蓮』のが詰め込まれた物語……!

監禁ヤンデレ洗脳カニバが詰められた作品なんてやってられるかっ!!

……あっ、監禁とカニバは私♡あと多分ヤンデレも私♡


「でも、にぃ様に巻き添えになってほしくないぃぃ!!」


 私はあ く ま で『睡蓮』の記憶が与えられただけ!!!『睡蓮』じゃない!!

名状し難き性癖なんて見られるかぁぁ!!


「どうしたのミチル!?何かあったの!?」


「あら違うわにぃ様、心配しないでちょうだい。

こんなご時世だからちょっとだけ叫びたくなったの。」


 やってられるかこんなクソゲー。


 ……ふふん、私とにぃ様は双子の兄妹。

そして片や主人公の闇堕ちライバル、片や主人公の最大の敵。

しかも貴族でもない、しがない両親の居ない一般人。

つまり…何も事件起こさなかったら確実に勝てるッッ!!!


「ねぇにぃ様……一生結婚しないで居てくれる……?

やっぱりにぃ様が結婚しちゃうとなると私寂しくて……」


 嗚呼…忘れてたわね、『近親相姦』も『睡蓮』の性癖ね。

…………私はにぃ様が居ればそれでいいから…近親相姦は……流石に……


「っけけ結婚って!!どうしてそうなるの!

少なくともあと五年はあるんだから…それに僕は結婚とか…していい立場じゃないし……」


 儚げな顔……女の子の扱いに慣れた態度……将来的には高身長……

……駄目だ…絶対駄目だ!!

にぃ様がいい男過ぎて『女(虫)』が寄ってくるのは目に見えてる……!!


「……取り敢えず殺しとく?」


「ミチル!?どうしたの!?

……その僕が言うのもなんだけど…せいり…なんとかって奴じゃ無くて本当に病気になってるんじゃないかな?」


 無理だ!病人の戯言としか受け取って貰えない!!


「まって……もしかしてこれにぃ様に女性を近付けなければいいのかしら…!」


「どうしてそうなるの!!」


おまけ 


【異世界の衛生面】


「ミチル、狩ってきたから今日は何にしようか!」(鹿)


「えぇっと……うーん……」


 ……衛生面とか、菌とか……って大丈夫かしら?

まぁでも…ゲーム世界だしそんな病原菌被害みたいなストーリーは無かったから行ける……?


「……ミチル…体調悪い?

じゃあミチルが大好きな肉の刺身に」


「いえそんなこと無いのよ!

…んん!…そうね薫製にしましょうか!」


「分かった!でも捌いてるときは危ないから二階には来ないように!」


◇◇◇後日◇◇◇


「ミチル!今日は大物が捕れたよ!」(猪)


 …、……


「薫製にしましょうか。」


「えっでもこの前も」


「薫製肉が食べたいわにぃ様!!」


 まぁゲームの世界!……ゲームの世界だものね!!

うん!菌とかはストーリーに書かれてないから大丈夫!!


◇◇◇また後日◇◇◇


「ミチル!近くに鶏が居たんだ!

ミチルの大好きな鳥のたたきに」


「焼けッッッッッ♡♡♡♡」


◇◇◇またまた後日◇◇◇


「ミチル!このキノコ美味しそう!!」(異世界産毒キノコ)


「ステイステイ!ステイッ!!!!!!!」


【異世界では衛生面は気にしなくて良くても流石に毒は有害である】



◇◇◇◇◇◇なお原作軸◇◇◇◇◇◇◇


「まぁ!このキノコ食べても美味しいし、猟にも使えるんじゃないかしら?!」


「それ良いね、今度獲物の餌に混ぜてどうなるか見てみようか。」


【胃袋の強い兄妹であった】


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