34話『生きるも死ぬもお前次第』
◇◇◇◇◇◇???side◇◇◇◇◇◇◇
暑くて堪らない果ての日に徒歩15分の『神社』へと歩くことは、本音を言えばめんどくさかった。
だけど、毎日行くことに決めたあたしの身体は戻ろうとはしてなかった。
階段から転げ落ちたくなる衝動に心を踊らせたまま、境内に踏み入れる。
神様に祈ったところで現状は変わらない。
なんて戯言が言われてるけど、あたしはそうとは思わない。
ガチャでよく好きなキャラクターが出てきやすくなった。
学校の休みを祈った日に偶然休みになりやすいとか。
神社の猫にだけ懐いて貰えるようになったとか。
そんな下らないことだけど。
それだけであたしは『神様』を信じていた。
現実逃避の果てとして、自身を閉ざす果てとして、それは凄く居心地が良かったから。
そこに居ようと思った。
ねぇ神様、あたしね、もしも貴女の傀儡になれたなら。
「……美しい傀儡になれるかしら?」
上手く行かない日々だって、誰かに拒まれた人間性だって、誰かの玩具であれば価値は取るに足らないものとなる。
そうなるのならば。
「最初から縋るのが吉だったわね。」
◇◇◇◇主人公Side◇◇◇◇◇◇
「ごめん、アリオンくん。
急なこと言って…」
「いいえ、アリスも友人が来てくれて嬉しがっていますから。」
……ミチルたんも転生者、最初から感じていた違和感はこれだったのか。
この地域に狸は一匹も居なかった筈なのに、この前会ったときにミチルたんは狸を抱えてたし!
レイテルたんだし一応衛生面は……大丈夫?
「ですが一週間とは、一体どうされたのですか?」
「ちょっとこのままじゃヤバそうだからね。
あっ勿論!フィルミアくんの休養も兼ねてだよ!」
……サブ任務…処理…はははは!!
取り敢えず後で終わらせよう。
「休みなさい。」
「いや、そうはいかないかな。」
……僕、僕は。
きっとこうしないといけない、誰かを見捨てるような生き方は…いやなんだ。
「……あの二人の笑顔、もっと見てたいからね。」
アリスたんはかわゆくて、最近はよく笑うようになった。
それも微笑むような笑みじゃなくて、全力で楽しんでいるような満面の笑み。
フィルミアくんは……ちょっと落ち着かせないといけないけど……
「おいフィルミア!僕様と一緒に来い!」
「……うん」
はぁ~かわゆい!!
ストレス値0!元気100%!!全員天使!!
「ごめん、任せるよ。
じゃ!行ってくるね!」
「正直言うと貴方の休まない所が一番嫌いです。」
「素直が一番!!」
これからミチルたんとアズきゅんの家に向かうとして。
「…はぁ…ヤバいことにはならないと良いけど……」
……胸が痛い…
◇◇◇◇◇◇ミチルside◇◇◇◇◇◇◇
ああ、本当に。
「ねぇ、世界樹に簡単に入るがあるのだけど、知りたい?」
「テロなのだぁ…
で、次はどんなこと命令するつもりなのだ?単刀直入に言えなのだ。」
心が浮わついて仕方ないわ。
……どんどんミチルが溶けていってるような、変な脳のもや。
「フィルミアの落としたこの本で、町の住民を人形に変える。
それだけ♡」
「ド外道が。」
これが『睡蓮』に近付いてるってこと?
……ふふ、どうしてかしら。
そんな注意事項にも全く心が動かない。
「そして町が騒ぎになってる間に一方が世界樹に入る♡」
世界樹に入ってどうするつもり?
分からない、『ミチル』に理由はあれど、『睡蓮』に理由はないのが混ざりあってるだけ。
「勿論♡あたしがね♡」
……それでも全て、強制力通りに♡




