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29話『赤い月の垂直地』

◇◇◇◇◇◇フィルミアside◇◇◇◇◇◇


「フィルミアくん、この手紙が届いてたけど知ってるかな?

差出人が書いてないんだ。」


「……知らない……けど嫌な予感がするね。」


 ……こんな時に手紙…?

……アリスでも無い、アリスはこんな簡素な袋に入れない。


「えっ!?なら処分しておこうか?!

なんか入ってるから怖いし!!」


「いや、駄目。

…変な匂いがする。」


 この匂いはもしかして…!


「ちょっと出てて!」


「わっ!まさか恋文!?フィルミアくん!後でなんだったか教えてね!!」


 …やっぱりこの手紙の中、髪も入ってる。

それにこのインク…焦げてる?魔術に使った後?


「……っ!!?」


【明日の朝、燃え尽きた彼岸花の地に一人で訪れよドラゴンの子】


 …この匂い…焦げた母さんの髪…?


「……はぁ…はぁ……

どうして…」


◇◇◇◇◇◇ミチルside◇◇◇◇◇◇◇


「ふんふんふふーん♪」


「めっちゃ気分良さそうなのだ。」


 世界樹を燃やす方法は一見少ないわ。

いえ、思い付いたから世界樹を燃やす発想になったのだけど。


「炎と毒を司るドラゴンだもの。

さぞ燃えるでしょうね。フ(・)ィ(・)ル(・)ミ(・)ア(・)の(・)血(・)は。」


 どうせあの母離れの出来てない子ならレイテルが居るなればすぐに噛みつく、子から親への執着って結構怖いもの♪


「アイツの血を拝借するって難易度凄く高くないのだ?

死にたくねーのだ。」


 ……ドラゴンの体液は辿れば世界樹の力、普通の炎であればそれこそ効果は無いでしょうけど…同じ力ならどうかしらね。

まっ問題は入手方法なのだけど。


「だからこその作戦でしょう?」


「それでもなのだ。

攻撃スキル一つも無いのに星四が、最強星五に勝てるわけが無いのだ。」


「私は一応ラスボス系最強星五なのだけどね。」


 まぁでもあれは最終章で月の力を吸収した私で、今の私にそこまでの力は無いわ。

……でもフィルミアを考える度に私の尊厳破壊編成がちらつくのはなんでかしら……


「最悪レイテルを囮に…♪」


「する気もねぇーのに心配させるななのだ。」


「えっ?」


 確かにレイテルはペットだけど、別にレイテルを囮にしても私は可愛いだけで終わらせるわよ?


「お前が自分のペット簡単に渡すとは思わないのだ。」


 ……ハッ!!確かに!!!

私が自分の手の平のペットを相手にわざわざあげるなんてヤンデレ失格!それこそ尊厳破壊!ヤンデレは独占的じゃないと!!


「確かにそうね。

レイテルを渡した場合、レイテルからあの主人公(ミツル)に私が転生者と伝わるリスクもあるし、デメリットの方が多いわ。」


「ミチル今意外と馬鹿なこと考えたのだ?」


「もう!私を馬鹿って言って良いのはにぃ様だけなんだから!」


 まぁでも、結構レイテルにも心を許してはいるけどね。

何せ、ペットだもの♪


「……にしてもお前…なんであんな小細工したのだ…?」


「…そうね…きっとすぐに分かるわ。」


◇◇◇◇◇◇フィルミアside◇◇◇◇◇◇


「フィルミアくん!どうだった!?

恋文だった!?」


 ……指定されたのは明日。

向かうなら今日の内からじゃないと、逃げられてしまうかもしれない。


「…うん…凄い情が重い子だった。

……そういうことにして……」


 これを知ってるなら…余計に。


「ん!?それはどういうっ!?」


「返事…してくる。

から今日は外に出てみるね。」


 母さんそこに居るなら。

絶対に逃げないでね。









「……ごめんねフィルミアくん。

今日だけは君に嘘をついた。」


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