16話『取り敢えず物語ぶっ壊す』
物語にはその世界の『根幹』が書かれることがよくある。
それは『満の月末』も同じ。
「レイテル、『世界樹』って覚えてるかしら?」
「んなー?あの流行った人気の章に出てくるやつなのだ?
ただ詳しくは知らねーのだ。
あと寝起きで頭いてーのだ。」
『睡蓮』が作ったシナリオの全ての運命、人生、過去、そして悲劇、裏付けるにはには『システム』が盛り上がるもの。
「ええ、原作未読勢だものね。
そこは期待してないわ。」
でも少し寂しいわね。
あの章で『満の月末』が流行り始めたのだけど。
「ひでーのだぁー。
でもどこにあるのだ?あんまり遠くだと動きたくないのだ。」
そしてその舞台は。
「この近くにあるわよ。」
「あるのだ!?」
出発点に最後の手掛かりがあるのはやっぱり成長を感じるもの。
「ほら!だって一番物語に大事なものは最初の町にある、なんて王道でしょ?」
「王道なのだ…
でもそれで良いのか?地味に私この町の名前も知らねーのだ。」
「安心して、私も全く覚えてないもの!」
「現地人が知らねーならどうにもならねぇのだ。」
ほぼこの屋敷しかいないしね!!
……ゴホンッ
……いちおう…一応【超記憶】で思い出そうとすれば思い出せるのよ…?でも頭の中色々混雑しててめんどくさいから……
「にぃ様を監…強制力を破壊するならやっぱりシステムを変えた方が良いと思う。
……ついで、聞きそびれてたけれど、貴女は元の現実に戻りたい!とか思ってるのかしら?」
「んなー高校に向かうバス停で待ってたらバスに突撃されたのだ。
多分もう死んでるのだ。」
「待って貴女高校生なの?」
「のだ。」
……てっきり二十歳かと思ってたけれど、まぁこの子、精神が幼い…わね。
「……なら取り敢えず、『世界樹』…いえルートを改変しましょうか。
誰かに決められた現実なんて、気持ち悪いもの。」
「のだー」
ということで。
…レイテルと二人で遊びに、というなの世界樹の確認を…
◇◇◇◇◇◇◇◇
「にぃ様、明日お友達と町に遊びに行ってくるわね!!」
「えっ?……ミチルに友達?
僕も行く!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
……で、なんでこんな事になってるのかしら……
「こんなに可愛い僕様の友達が嬉しくないのか!?」
にぃ様が付いて来ちゃったからレイテルが狸の姿解けるように伺ってたら…何故かアリスに絡まれてるわ!
「…ええ、可愛い…可愛いと思うわ。
あれーでも貴女と深い関わりってあったかしらー……なんて」
『ツンデレ傲慢ネガティブ妹』が『ツンデレ傲慢ポジティブ妹』に進化してるじゃない!
はっまさか主人公の策略!?いつの間に恐ろしい子!
「……僕様がこんなに可愛いのに遊んじゃダメなの?」
…えっ?こんなに原作ぐいぐい系だったかしら…っ?
なんで私がおかしいみたいなの!?
「に…にぃ様……」
「ミチルの次にかわいいね!!
なんだ!君ってかわいい女の子だったのか!
心配しちゃった!」
にぃ様!?
「ふっ兄上と僕様の絆に劣らない兄妹愛だね!!素晴らしいよ!!」
なにこの会話!?
原作だと絶対発生しないわ!!ていうか対面すら発生しないわ!!ん?
あれー?
「……私の妹に友達が居たなんて!…素晴らしいです!」
不審者がいる……っ!?待って何故アリオンが居るのかしらー!!??
えっ貴方病弱じゃなかったの!?
……あっこの子にも重度のブラコン設定あった…
普段は病弱さで隠れてるけど……
「兄上!居たのですか!?」
「ええ、家の者には内緒で来ちゃいました。
妹の友人ですから気になるでしょう?」
……んー?なるほどー?
レイテル…ごめんなさい。
人間化した貴女と遊びたかったのだけど…無理ね!この状況!!
「……きゅーん…」
…やっぱり…もちもち肉球は癒されるわね。
まぁ私のペットだものね…
「なんだその犬。
随分とどんくさそうな犬だな。」
「否定はしないけどそれは可哀想よ。」
……凄く…騒がしくなったわね。
「え!?なんでミチルたんとアズ…くんが!!」
…やっぱり出てきた…!来ると思ったわここまで来たら!!
「流石に勘弁してちょうだい……」
その後は…取り敢えず落ち着く為に…全員でかくれんぼをすること提案してすることになったのだけど……
「ねぇ、レイテル。
私今日大凶の日だわ。」
林の裏に子供が負傷したまま倒れてるなんて、しかも見つけなかったら不自然というぐらいの位置にいるなんて……
「ふ…ふふ!逆に面白いじゃない!
いや面白くないわね休まないと私……」
「……クソゲーなのだ……」
こんのクソゲーがぁぁぁ……!
おまけ!!
【満の月末の世界設定】
「2000年前も昔……争いを絶えず続ける人々に怒った神様は人が立つ地を、一定間隔で割ってバラバラに他の場所へと繋ぎ直してしまった。」
「満の月末の世界設定意外と修羅なのだぁ~。」
「灼熱の砂漠の隣に白む雪原、昨日争っていた敵と前にするのは知ら他民族。」
「気候どうなってるのだそれ。」
「その繋ぐ紐こそ、世界樹の根っていうはちゃめちゃ設定を繋ぐ言い訳を出来るようにしてるの♡」
「んなー、ちゃんと神話チックなのだ。」
「えへへ♡
……ほら、言い訳って大事でしょう?
例えば世界樹の大切さとか、民族同士の争いとか♡」
「確かにそうなのだ。」
「ついでに世界が一度ごちゃ混ぜになって長い期間が過ぎたことで世界の言語が統一されてることも。
元々の生態系が崩れたから一見こんな外国にも狸がいる言い訳が出来るわ♡」
「あ!だからあの主人公、狸が異世界に居ても違和感を持って無かったのだ。
流石原作勢なのだぁ~」
「……まぁ一番は違うのだけどね……」
「んな?…!…その一番ってまさか……」
「他ゲーとコラボする時の理由付けがしやすいから♡」
「草なのだぁ!!」




