第四十三 注文届
数名が二日酔いで全く動けないため、今日は作戦会議などのことは一切できないと判断した。ついでにアイラには禁酒の命令を出した。特にミラベルが想像以上に怒っていて、また同じようなことをしたら魔法で二度と酒が飲めない体にして差し上げると笑顔で言っていた。ガンファンもキレていて、一発殴らせて欲しいと私に頼み込んできたため、許可した。そして現在、食堂の床にアイラが頭から突き刺さっている。しばらくアイラはそのままにしておくことにした。
アウネ 「はぁ...今日は何もできやしないなー。全く、なんで私以上に浮かれているのやら...。」
クロン 「ア...ウネ...。なんか、ゲート...開かなかったか...?」
アウネ 「幻聴なんじゃない?それか耳鳴り?」
クロン 「いや...それもありえるが...明らかにゲートが開く音が聞こえたぞ...ちょっと見てきてく...れ...」
そのままクロンは食堂のテーブルに突っ伏してしまった。溜め息を吐いたが、渋々クロンの言うことを聞くことにした。ただ、これといって変な音とかは聞こえなかったから、クロンの聞き間違いとかだろうと思っていた。とりあえず、玄関ホールにあるゲートを見に行った。
ヒューゴ 「あれ、アウネちゃん!なんだ、もしかして俺を迎えにきてくれたのか!」
アウネ 「いや、クロンがゲートの開く音がしたから見てきてくれって言われて来たんですよ。マジだった...。というか、なんですかそれ。」
アウネ 「以前クロンから頼まれたやつ。ほら、西の国々の言語が分かるようになるアレ。てか、クロンの奴、レディをこんな風に扱うなんてなってないな。どれ、俺が説教しに行ってやろう。」
アウネ 「あー...それは、ちょっと...。」
ヒューゴ 「ん?何かあったのか?」
アウネ 「いや、まぁ。見てもらったほうが早いですかね...。」
クロンが属しているギルドの代表のヒューゴを食堂まで連れていくことにした。折角なら彼にも現状を見てもらった方がいいだろう。ついでに他の人達とも挨拶をして欲しいし。
ヒューゴ 「食堂?なんでここ...え?」
アウネ 「えっと...はい。こんな有様でして...。」
ヒューゴ 「何があったんだよ...。というか、どうやったら頭から床に突っ込むんだ...?いや、まぁいいや。おいクロン!起きろ!アウネさんになんてこと...」
クロン 「うっ...揺らすな気持ち悪い...ん?あぁ代表か...」
ヒューゴ 「・・・なぁアウネさん。何があったんだ?」
アウネ 「かくかくしかじか、らしいです。」
ヒューゴ 「なるほど...初めて見たぞ、クロンがこんな風になってるの。お前、酒で二日酔いすることあるんだな。」
クロン 「クソ...あのバカが俺に樽ごと突っ込んできやがったからだ...アイラは後で八つ裂きにしてやる...。」
ヒューゴ 「それに数人もダメそうだし....アウネさん、よくこんなメンバーで活動できてるよな...。」
アウネ 「ね。ほんとそうですよ。もう呆れてる。」
ヒューゴ 「まぁ...とりあえず本題に入ろう。今日持って来たのはこれ。なんと西の国の言葉が分かる〜超凄い機械〜。これを耳につけるだけで、西の国の言語を翻訳してくれるんだぜ〜。いやぁ、マジで凄いんだが欠点もある。あくまでこれは相手が何を喋ってるのか分かるってだけで、自分達が西の国の言葉を話せるわけじゃない。というわけでですね、折角大金を叩くんだから、もういいやということでこちらも買いました。西の国の言語が喋れるようになる機械です!トランシーバー的な見た目だが、こいつに向かって喋ると、西の国の言語を出力して喋ってくれる!すごい!」
アウネ 「お〜。」
ヒューゴ 「いや反応薄...まぁいいや。とりあえず人数分用意したし、使い方もそんな難しくないだろうから、多分大丈夫だろ。そんじゃやることはやったんで、帰ります。まだ仕事が残ってる...。は〜あ、クロンの仕事なんか引き受けるんじゃなかった....こんな忙しいとは思わなんだか。」
アウネ 「ありがと〜。」
ヒューゴ 「いや大丈夫!このぐらい余裕だよ!じゃあね!」
ヒューゴはそう言って食堂から出て行き、ゲートの中へ帰っていった。
ジャン 「・・・なぁ。あれが誰かは知らんが、アウネに甘くね?」
ラフォ 「同意見だ。一体何したんだ。」
アウネ 「いい感じに丸め込んだ。それ以上言えることはないよ。」
ジャン 「そうか...。」




