第四十一 今宵
クロン 「はぁ...疲れた。」
アウネ 「やっぱり私いた方がよかったでしょ〜。」
クロン 「・・・不服だがそうだな。手早く要件を終わらせられた。それには感謝しよう。あとは、頼んだやつが来るのを待つだけか。あぁそうだアウネ。今後の計画とかは既にあるのか。」
アウネ 「あるにはある。けど、全体で話し合わないと駄目そう。今回は各地に分散するし。」
クロン 「ということは、単独行動か?」
アウネ 「いや、最低2人からの少数で活動する予定。それで西の国々に分散して情報収集って流れ。さすがに単独行動は難しいかな。」
クロン 「なるほど。まぁまた会議は開くだろうから、改めてそこで計画概要を聞かせてもらおう。」
私とクロンは拠点内で自分達の部屋に戻っていった。そして私は昼寝をすることにした。ここ最近、体を動かしてばかりで非常に疲れている。基本的に長時間座ってることが多かったから、余計にしんどい。筋肉痛もあちこちで起こってる。・・・色々、疲れるなぁ。
昼寝をして、目を覚ました。今が何時なのかよく分かっていない。というか、まだ眠い。いっそ二度寝しようかとも考えたが、そしたらきっと夜に寝られなくなるだろう。嫌々だったけど、起きることにした。それに、ドアをノックする音が聞こえたから、結局起きざるを得なかっただろう。
マートン 「アウネさーん。いらっしゃいます〜?」
アウネ 「はい。いらっしゃいます...。ちょっと待ってね〜。ドア開けるよ。」
マートン 「もしかして休憩中でしたか?」
アウネ 「ん。ちょうど昼寝から起きたとこ。今何時?」
マートン 「17時頃です。」
アウネ 「そんな時間にどうしたの?というか、マートンが私のところに来るなんて珍しいね。何かあった?」
マートン 「はい。実は今日の夕食は少し早めにしようかなと。ですので、食堂に来て欲しいんです。」
アウネ 「へぇ〜。まぁいいよ。んじゃ食堂行こ。」
マートン 「ありがとうございます。」
私はマートンと一緒に食堂へ向かっていた。・・・マートンとこうやって2人で話すのは初めてかも。直接関わることが少なかったし、戦場とかでも食事中ぐらいにしか会話しなかった。それにマートンと話す時は基本的に第三者がいる状態が多かったし。何気に珍しい状態だな〜。
アウネ 「そういやマートン。どうして今日は夕飯が早いの?」
マートン 「今日はなんだか皆さんがお疲れでして。なるべく早く休んでもらった方がいいと考えたので、夕食の時間を早めたんです。」
アウネ 「流石にみんなも限界だったか〜。ここしばらくずっと無理してばっかりだったから、そりゃそうか。ごめんねーわざわざ気を遣ってくれて。」
マートン 「いえいえ、大丈夫ですよ〜。さて、着きましたね。それじゃあ私は厨房に行きますので、先に席に座ってくつろいでいてください。」
アウネ 「ありがとー。」
食堂の前に着いたので、食堂に入ろうとドアを開けた瞬間、食堂の中はすごい飾り付けが目に映った。それに席に座ってるみんなの格好が...なんか、派手になってるし。
アウネ 「ねぇみんな、何こー」
そう言いながら、食堂に入ろうとした瞬間、ドアの横にいたジャックとメビウスが片膝立ちでクラッカーを構えていた。そして私に向かってクラッカーを放った。
アウネ 「え?いやちょ、みんな何こー」
クロン 「誕生日おめでとう、アウネ。」
私の後ろには、いつの間にかクロンが立っていた。というか誕生日?私って今日、誕生日だったんだ...?全く気にしてなかったし、全然忘れてた。そうか、誕生日だったんだと、その瞬間になって気が付いた。
クロン 「まさか誕生日を忘れたなんてことはないよな?」
アウネ 「いや...あの...忘れてましたね...。」
クロン 「・・・。はぁ...まぁいい。とりあえず、今日は君の誕生日だ。君専用の席もあるからそこに座れ。」
アウネ 「あぁ、うん。というかすごいね。色々と。飾り付けもそうだけど...なんか、みんな、何その...頭のそれ。」
ハンソン 「パーティーハット。と、ジャックはクソダサいメガネ。」
ジャック 「ハッ!クソダサいとは失礼だな!面白いメガネと言いたまえ!」
みんな愉快な被り物をしていたけど、その光景はとても新鮮なものだった。みんなが楽しそうで、きっと戦争中では見られない光景だっただろう。嬉しくもあるけど、感極まる感じでもあった。
マートン 「お待たせー。バースデーケーキの登場〜。」
アウネ 「そっか...私誕生日だったんだね。すっかり忘れてたけど嬉しいよ。」
メビウス 「さぁアウネ!折角なんだから君がこのパーティーの音頭をしてくれ!」
アウネ 「それじゃあ...えー皆様!私は一体いくつになったのか覚えていないけど、誕生日であることを祝ってくれてありがとう!今日は楽しんでいこう!それでは、乾杯!」
みんなの歓声と共に、その晩はとても楽しい時間で目一杯であった。しばらくは現実を忘れ、ただ楽しいばかりがそこにあった。




