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無限に死ぬ私  作者: お菓子い
第二章 調査・究明編
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EX  破弾のジャン

 その少年は幼い頃から傭兵として育ってきた。どこで生まれたのか、本名は何なのか、親は誰か。それら一切の事は分からず、周りに聞いても知らないと言われていた。少し残念ではあったが、命のやり取りをする戦場では今を生きるのに必死だったため、あまり自身の過去について深く考えなかった。とにかく、今日を生き残って明日も生き残ることだけを考えていた。

 彼は傭兵集団の中で最年少であり、それ故か他の部隊員からは大切に扱われてきた。食料を多く分けてもらったり、彼らが持つ知恵や技術を余す事なく教えられたりもした。それは単に仲間だからではなく、擬似的な家族としての愛情があったのだろう。

 そのような環境で育ってきていたが、ある時、傭兵部隊に依頼が舞い込んできた。それは分断戦争への参戦である。彼らからしてみれば、紛争であろうと戦争であろうとやる事は変わらないと思っていたが、依頼者に違和感があった。国家からの依頼であったため、これを引き受けるかどうかについて、部隊内でかなり相談したそうだ。最終的に、この依頼を拒否した場合の将来像と戦争に勝利した際の報酬から承諾することにした。この戦争に勝って、国に貢献すれば今よりももっと良い生活ができると考えたのだ。

 彼らは戦争にて活躍したが、想像している以上の過酷さ、そして装備の不足などから日が経つにつれて少しずつ傭兵部隊の兵士達は少なくなっていった。終戦間近の時には、部隊の生存者は彼を含めた3名のみになっていた。

 彼は狙撃兵として戦っていたが、その際にアウネと遭遇。お互いの情報は知らなかったが、味方だということは腕章や見ている方角から理解していたため、異なる部隊同士、お互いに意見交換をしていた。そこで彼はアウネへ自身の部隊がほぼ壊滅していること、消耗品の不足などを伝えた。そこでアウネは、彼と彼の部隊メンバーを自身の部隊と合流させることを提案。そうすることで、少しは物資の補給ができるだろうと考えていた。彼は残った傭兵部隊のメンバーと相談、そしてすぐに合流することとなった。

 彼の狙撃の腕は十分に発揮され、弾丸やメンテナンス用の物品は惜しまずに提供されていた。彼の狙撃は部隊のみならず、敵や味方にもその脅威の噂が流れるほどであり、彼に見つかったら生き残る術はないと言われていた。実際、彼は逃亡兵だろうが自爆兵だろうが、全て適切に排除し、味方の前線を押し上げつつ守りながら活躍していた。

 終戦後、彼は戦争の英傑として称号を獲得した。しかし、彼が元々所属していた傭兵部隊は壊滅、住処も行き場も失ってしまった。それに加え、生き残った傭兵部隊の兵士達は戦争の過酷さと体験したことで傭兵を辞めることを決意。結果、傭兵部隊は彼しか残っておらず、事実上、部隊の解散となった。

 彼の名誉とは裏腹に、居場所も仲間も失った彼はこれからどうするべきか分からなかった。しかし、そんな彼はアウネに助けられた。彼女の部隊の一員として迎えられ、アウネによって居場所を与えられた。武器や服も全て新しくなり、新しい居場所と仲間を手に入れたのである。無論、過去の部隊への心残りがない訳ではない。それでも、彼は新たな道へ進む決意をしたのである。以降、彼は新しいことに挑戦するようになり、現在は様々な国を自分の足で巡っている。かつての仲間達は、彼が自由に生きていけることを願っていたが、今まさにそれが叶っているに違いないだろう。

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