EX 救済のミラベル
その子は上流階級の家に生まれ、多くのものを見てきながら成長してきた。それ故、多くのことを学びながら生きてきており、その性格と振る舞い、多くの才能から周りの人からよく頼られる存在だった。彼女自身、自分に頼ってくれることに嬉しく思っており、人々の助けになるならと献身的だった。
彼女は自身の性格からより多くの人を助けたいと思うようになり、教会にてシスターとして職を全うしようと考えるようになった。両親も彼女の夢がそうであるならと後押ししてくれ、その思いは実際に形となった。
シスターとして奮闘していた彼女は、多くの者の懺悔を聞き、罪を犯した者達の改心を多く促していた。そのため、彼女を求め多くの人達が懺悔をしに来ることも珍しいことではなかった。
しかし、そんな彼女の元に一通の命令が来た。分断戦争にて、傷付いた兵士らの治療とメンタルケアをせよというものであった。彼女は自分の役割を理解していたため、周りのシスターや住民は彼女の決心を止めようとしていたものの、彼女は自分がいることで多く者の助けになるならと決心を曲げることはなかった。結局、彼女はその命令に従って戦場へ向かう前、多くの人達に心配されながら見送られた。
彼女が戦場に来た時、彼女の目に映るのは余りにも多くの負傷兵だった。その光景に動揺し、戦慄したが、彼女は自身の為すべきことに目を向け、現状の改善に尽力することにした。
負傷兵の多くを治療魔法で癒し、精神異常を発症した兵士達のケアを一日に何度も行った。彼女は寝る時間も惜しんで兵士らを支え続けていた。その時の彼女は精神が狂いそうになりそうで、魔法を使い続けていたせいで魔力の枯渇が発生し、まともに歩くことさえできないぐらいであった。結局、彼女の様子を見た兵士らによって強制的に休息をさせられることになった。
戦場にいた彼女は寝ている時、いつも同じ夢を見ていた。助けられなかった者達からの叱責である。どうして私を助けてくれなかったのか、どうして見捨てたのか。そんな言葉に彼女は苛まれ続けていた。しかし、それでも彼女は自身の役割を全うすべく身を粉にして奮闘していた。
戦争が終わった時、彼女は心身の疲れからついに倒れてしまった。しかし、彼女を囲む兵士らは彼女に感謝しかなかった。彼女のおかげで生き残り、精神的な支えになってくれたおかげで今まで生きてこれたという実感があったからである。彼女が皆の援助を受けて国へ帰った時、多くの人達から賞賛と応援が送られた。
彼女は兵士らのために自身を犠牲にする思いで自身の役割を全うし、その結果として多くの者を生還へ導いたとして英傑の1人とされ、称号も与えられた。
戦争が終わってからしばらくの間は休息をしていた。それは戦争中に兵士達から休息の大切さを教えられ、学んだからである。そしてその後、また彼女は教会へと戻り、今も治療やメンタルケアに注力している。




