第二十八 浄化の思いが
ハンソン 「いやそんなに驚くことか?」
アウネ 「いやだって、急にとんでもないこと言うから。そりゃ驚くよ。」
クロン 「そんなことよりも、なぜそう言える?」
ハンソン 「俺の塗料だよ。あれが使えるんだったら聖水を広範囲に撒ける。と思う。」
アウネ 「というかなんで今?さっきのタイミングで言えばよかったのに。」
ハンソン 「今さっき気付いた。よくあるだろ、そういの。だから、なんだ。そんな目で俺を見るんじゃねぇ!」
クロン 「まぁそんなことはどうでもいい。それで、具体的にどのように使えるんだ?」
ハンソン 「俺の白塗料だ。白は補助と拡大の効果をつけれる。それを聖水に混ぜれば、聖水の浄化効果を強められるし、広範囲に浄化できる。ただし飲めなくなるけどな。」
アウネ 「・・・前々から思ってたけど、ハンソンの塗料ってやっぱ分からないね。どうやったらそんな使いにくそうな効果を自由自在に扱えるのかも分からないし、そもそも塗料にどうやったらそんなすごい効果を沢山付けられるのかも分からない。」
ハンソン 「言いたいことは分かる。だが、分からないとか言われてもな...。まぁとにかく!聖水を竜の雨に撒くんだったら俺がやろう。塗料は俺にしか扱えん。」
アウネ 「てかさ、聖水に塗料混ぜる前提で話進めてるけど、これって可能なの?」
ハンソン 「知らん。ミラベルに聞けよ。」
アウネ 「えぇ...。」
ハンソン 「だって俺、聖水なんて使ったことねぇもん。知るわけがないだろ。」
アウネ 「んじゃ、一回ミラベル呼ぼうか。ミラベルー、会議室に来てー。とても大事なお話があるー。」
クロン 「その伝達魔法、脳内から直接伝達させたりできないのか?」
アウネ 「できるよ!でも私はしないよ!あれやると気持ち悪くなっちゃうからね!それで一回使いすぎて吐いたし!もう二度とやらないよ!」
クロン 「・・・そうか。」
アウネ 「だから私が使う伝達魔法は耳元で聞こえるようにしてるし、私が実際に喋って使ってるの。それにこういう使い方した方が敵味方の区別しやすいでしょ。伝達魔法をこんな使い方してるの私ぐらいだよ?」
クロン 「確かに聞き取りやすいし、本人が喋っているとすぐに判断できるから良いが...いや、この話はここで切り上げよう。ミラベルがそこにいるしな。」
アウネ 「アレッ本当だ。なんかごめんね、勝手に呼んだのにこっちで盛り上がってて。」
ミラベル 「いえいえ、楽しそうで何よりですよ?それでご用件とは何でしょうか?」
アウネ 「いけ、ハンソン!君が喋れ!」
ハンソン 「いやそこは俺なのかよ!まぁいいけどさ!んで、まぁ要件はとても簡単。聖水に俺の塗料って混ぜれたりする?」
ミラベル 「塗料ですか...。うーん、分からないですね。そのような事はやったことがないので...。」
ハンソン 「そうだよな?絶対やったことなんかある訳ないよな?そんな珍行動する奴いないもんな?」
アウネ 「というか、そもそも聖水に何か別のもの、魔法とか液体とか混ぜれたりってするの?」
ミラベル 「一部の液体なら可能ですよ。ただ、魔法は混ぜられなかったですね。混ぜた瞬間に聖水の効果がなくなっちゃいました。」
ハンソン 「となると、俺の塗料も浄化して...あ。」
ミラベル 「浄化...また浄化しなきゃ...浄化...。」
ハンソン 「いやゴメンって!まさかそんな浄化って...単語に反応するとは思わなかったんだって!いや別にさ!俺のやつは自分で何とかするからさ!ほら、あぁえっと、そう!なんか最近新しい店がこの辺にできたらしいんだ!だからそこ奢るから!だからーー」
私とベルとクロンは2人の様子を遠くから見守っていた。
アウネ 「ハンソンの塗料、どうやって扱おうね。もう私分かんないや。」
クロン 「あぁ...今日はもうやめよう。もう...疲れた。」
ベル 「同感ですね...。今日はもうやめましょう。明日また考えましょうか...。」
アウネ 「・・・うん。そうしよっか。」
三人はめちゃくちゃテンパっているハンソンと死んだ目をしているミラベルを脳死で見ていた。そして席を立ち上がり、自分達の部屋へ戻っていった。




