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無限に死ぬ私  作者: お菓子い
第二章 調査・究明編
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EX 解体屋のベル

 その少年はごく普通の一般家庭に生まれ、ただ普通に毎日を過ごしているだけの少年だった。ベルは肉屋の家に生まれ、幼い頃から肉屋での解体、販売を行なっていた。それには特段何も感じていなかったし、ただ親の手伝いだったから大したことでもなかった。

 彼は愛想が良く、学校でも常に好成績を維持していた。そのため、周りの人から頼られ、愛される、ちょっとした人気者であった。

 そのまま何事もなく青年期を迎え、彼自身も親の家業を継ごうと思っていた。しかし、そんな時に分断戦争が発生。彼は徴兵され、戦場へ送られることになった。

 最初、彼は後方支援として食料の配給や負傷兵の治療に従事していた。その後、彼は上官の命令で戦闘兵として最前線で戦うことに。しかし、武器を触ったことなどなく、まともに銃火器を扱えない彼は部隊のお荷物として扱われてしまっていた。彼は上官がなぜそのような命令をしたのかと理解に苦しみ、同時に自身の無力感に苛まれた。

 ただ、彼は初めて人を殺した時のことをずっと覚えている。戦場のど真ん中で狼狽えていた彼を殺そうと近付いてきた相手と対峙し、ギリギリのところでナイフで刺し殺した。その経験が彼を変えてしまうトリガーとなった。

 彼は、自分が殺した敵をナイフで解体し始めたのである。彼自身、なぜそんなことをし始めたのか分からなかった。しかし、その行為が彼を落ち着け、彼がここから生きて帰る手段を教えてくれた。

 それ以降、彼は孤立した敵を探しては近付き、殺した後すぐに解体するようになった。彼の行動を見た味方達は頭がおかしくなったなど噂したが、彼は気にも留めず敵をバラバラにしていた。

 その行動を続けてしばらく経過するある日、彼は頭を悩ませていた。今までナイフで解体していたが、それでは血で錆びつてしまい、切れ味も悪くなっていく。実際、彼の持っていたナイフは血がべっとり付いてしまっていて、彼の思うように切れなくなってしまっていた。かといって、新品のナイフを軍から貰うことはできないため、切れ味が落ちず、血が付いても錆びないような、解体に向いた武器が欲しいと思うようになった。そう思った結果、彼は1つの思考に辿り着いた。

 彼はそれ以降、敵味方問わずして、目に映る死体全てをかき集めていた。その死体をバラバラにし、使えそうな骨を集め、組み立ていた。そうして彼の手によって作られた、彼が求めていた武器が誕生した。

 今もなお彼が愛用している武器「オスソワ」。人間の骨だけで作られた、彼だけの武器。肉切り包丁のような見た目であり、鋭く研がれた刃は簡単に物を切ることができる。また血が付いても錆びず、刃こぼれもすぐに直すことができるという利点がある。

 彼はこの武器を用いて敵を多く殺し、嬉しそうに敵を解体していた。時には、生きたまま相手の腹を開き、内臓を切り分けたりなどしてもいた。彼が通った後に残る凄惨な死体と彼の怪奇な行動は、敵の士気を大きく下げることに貢献したとして、英傑と称号を得た。

 彼が自分の家に帰ってきた時、彼は既に精神が壊れてしまっていた。昔のような笑顔には、どこか狂的な感じがし、その笑顔もゾッとするようなものだった。彼の両親は、彼の様子が変わってしまい驚愕していたが、彼は昔のように肉屋で働いていた。

 戦後の彼の心の中には、解体できるということに快楽と悦びを見出していた。動物の肉であれ、人間であれ、とにかく何かをバラバラにできればとても楽しくて仕方がなかった。今日の彼も、いつものような笑顔で綺麗に肉を切り分けている。もちろん、彼が愛用している肉切り包丁で。

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