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無限に死ぬ私  作者: お菓子い
第二章 調査・究明編
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EX 破壊のメビウス

 彼は元々、自然の中で育ってきた少年だった。自給自足の生活ではあったが、彼は生まれた時からそれが普通であったため、特段何も思っていなかった。両親の手によって大切に育てられた彼は、そのまま純粋で優しい青年へと成長していった。

 ある日、いつものように動物の狩猟に出掛けていた。その時、地面に突き刺さっている、錆びついて自然に覆われている朽ちた剣を見つけた。どうしてこんな場所にあるのか不思議だった彼はその剣に近付いた。

 その剣は伝説の遺物「ミリエ・トルクション」と呼ばれるものであった。しかし、当時そのような事を知らなかった彼は、その剣を引き抜いて家に持ち帰ることにした。どうして持ち帰ったのか自身でもよく分かっていなかったが、持ち帰らなければならないように感じたそうだ。

 その剣を両親にも見せたが、一体何の剣なのか誰も分からなかった。しかし、突如としてその剣はメビウスの心臓を貫いた。両親は慌てたが、不思議とメビウスは落ち着いていた。全く痛みを感じず、むしろ心地良い暖かさを感じた。ここでようやく父親は気が付いた。この剣は聖遺物であると。

 ミリエ・トルクションは使用者を選び、その過程で心臓に突き刺さる。もしこの過程で使用者と認められなければ、そのまま心臓を貫かれて即死する。一方、使用者と認められると、人間離れした力を得られる。まさにハイリスクハイリターンの聖遺物である。

 メビウスは使用者として選ばれ、その聖遺物は彼の物となった。その剣は使用者が扱いやすい持ち手、形、大きさ、長さへと変化させ、使用者によって色が変わる特徴を有している。結果、現在の彼の持っている剣は、大剣で彼の手に巻き付くような持ち手、赤を基調とした剣へと姿を変えている。

 彼はその剣を大切に扱い、肌身離さずに所有していた。しかし、分断戦争によって状況が一変。彼の住んでいた場所が戦地となり、両親はどこかの兵士によって殺され、自身の家は跡形もなく燃やされていた。

 彼は怒りのあまり、その剣で辺り一体を更地にした。木々が全て切り飛ばされ、山が木っ端微塵になった。どれほどの兵士が死んだのかも分からないほどの規模を、文字通り「破壊」したのである。

 彼が怒りに身を任せて武器を振るっていたが、やがて東の国の兵士らと相対。しかし、彼らは敵意を見せず、メビウスの両親を殺害したのは西の国の兵士達だと説得。実際、彼らの発言に間違いはなかった。怒りでまともに思考もできていなかったが、自身の怒りを晴らせるならと彼らの言葉を信じた彼は、西の国の敵を全て破壊するため、最前線にて戦った。

 剣を振るっては敵を一掃し、残った敵は一人ずつ踏み殺し、殴り殺し、捻り殺した。破壊の限りを尽くし、見事東の国の勝利に多大な貢献を残した。そして現在、彼は元々住んでいた家の近くの王国、ルンドン王国にて優遇を受け、新たな住処を得た。今も両親を守れなかった事を後悔し、戦場で自分のために犠牲になった人達への感謝と懺悔をしている。

 今の彼は誰かを守るために活動しており、一人でも多くの人を助けるため尽力している。弱肉強食ではなく、強いからこそ弱い者を守ろうとする姿勢に感化され、彼に憧れる人も少なくはない。戦争にて多くの敵を破壊した英傑として、今もなお弱き者を助け続ける強者として、多くの人に影響を与えたのがこの人物である。

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