第二十一 血肉を削り出し
あれから時間がかなり経過した。あの2人の加入が確定してから5日が経過していた。2人は今も必死で魔法の研究に励んでいて、どうやら1、2時間ぐらいしか寝れていないっぽい。まぁそれが魔導士入門の基礎なんだけどね。彼ら、ようやく入門か〜。先が思いやられるな〜。
ジャックとハンソンは何かを忙しそうに準備していた。なんか装飾とかしてるから、何のためにやってるのか聞いてみることにした。
アウネ 「ハンソン、何やってるの?」
ハンソン 「多分だが、もうすぐクロンとかが帰ってくるだろ?それ用の歓迎会の準備だ。ジャックは歓迎会のための料理の下拵え、俺は飾り付けとかだ。」
アウネ 「気合い入ってるねー。すごい雰囲気違う。」
ハンソン 「元々の広さと豪華さが桁違いだったからな。そこにより手を施すってんだから、尚更な。」
アウネ 「それもそっか。それじゃあ、二人とも頑張ってー。私はあの二人の様子を見てくる。」
ハンソン 「はいよ。」
私はジャアルとリバリーの様子を見に行くことにした。あの二人が今どうなってるのか知りたかった。多分だけど私の予想通りだとは思うんだけどね。
アウネ 「やぁ二人とも〜。頑張ってる〜?」
ジャアル 「えぇ...。私の方は出された課題をあと数時間で終えるところです...。」
アウネ 「おぉ。頑張ってるね。リバリーの方は?」
ジャアル 「それが...リバリーは倒れてしまって今は休養させています。おそらく疲労でしょう。私もここずっと1時間ほどしか寝ていませんから、意識も朦朧としていますし、歩くことさえままならないぐらいです。」
アウネ 「う〜ん。やっぱりあの子は弱いね〜。体力の無さはちょっと危ういかも。」
ジャアル 「しかしながら、彼女は既に課題を終わらせています。私よりも早くに。」
アウネ 「おぉ。それは驚いたね。もう終わらせてるんだ。体力は無いけど物覚えはいいね。それじゃ、ジャアルは引き続き頑張って。私はリバリーを見てくる。」
ジャアル 「はい。すぐに終わらせてみせます。」
ジャアルは根気強さがいいね。しかも課題に対して隅々まできっちり書き上げているのも見れた。ようやく使えるぐらいにはなってくれたかな?ジャアルはこのまま使っても良さそう。あとはリバリーかな。倒れたらしいけど、課題をジャアル以上に早く終わらせたみたい。課題の分析と物覚えはかなり良い方だね。その体力の無さは懸念点だけど...もうすぐ来る脳筋の人達に体力作りでも頼もうかな。
私はリバリーの部屋の前まで行き、ドアをノックした。
アウネ 「リバリー?起きてるー?入るよー?」
リバリー 「ど、どうぞ...。」
リバリーの部屋に入ったら、とんでもない書類の山が部屋に積まれていた。足場がほとんどないぐらいには。その一方、リバリーはベッドの上で何かの紙を眺めていた。
リバリー 「こ、こんにちは...。すいません、意識がぼんやりしてて、立ち上がれないんです...。」
アウネ 「別にいいよ。ジャアルから話は聞いたから。そのままでいい。課題、早く終わらせたんだって?それに、この書類の山は?」
リバリー 「これらは全部、私が今まで研究してきた呪いに関する資料と、今も研究してる書類です。それでええと、課題は私の机の真ん中に置いてあるやつです。」
アウネ 「分かった。それにしても、どうやって課題を早く終わらせたの?」
リバリー 「これを使いました。使い切りですけど...ストックはまだあるので。」
アウネ 「ペンダントか。それも思考分裂と時間加速、瞬間保存記憶まで。とんでもない呪具だね。」
リバリー 「はい。私が作ったやつで、これですぐに終わらせました。」
アウネ 「なるほど。まぁ私も使っちゃダメとは言ってないからいいか。よくやったね。ただ、その体力の無さは考えもの。後から来る私の友人らに鍛えてもらうつもりだからよろしく。今日はもう休んでいいよ。」
リバリー 「はい、分かりました...。今日は...もう...」
そのままリバリーは目を閉じて寝ちゃった。・・・かなりの無理難題を押し付けたけど、よく頑張った方だね。お疲れ様。




