第二十 不愉快にさせた愚か者
まさかの二十話までいくとは思わなかった。それも第一章で。もうちょいで第二章いくんで許して...
アウネ 「説明は理解してもらえたかな〜?」
ジャアル 「はい。」
アウネ 「・・・まぁいいや。それで、君達には私と同じく調査部隊として同行してもらう予定。だけどその前に、いくつか君達に聞きたいことがあるの。」
ジャアル 「なんでしょうか。」
アウネ 「君達、分断戦争参加した?」
ハンソン・ジャック 「・・・。」
ジャアル 「いえ、参加していません。加えて言うのならば、巻き込まれてもいません。」
リバリー 「私も...。」
アウネ 「そっか。やっぱりね。だと思ったよ。」
ジャアル 「なぜそう思われたのでしょうか。」
アウネ 「君達さ...魔法を舐めてる?なんで呪いと大規模魔法しか研究してないの?基礎魔法をどうして研究してないの?それにその魔力量。少なすぎる。そんなんじゃ...」
ハンソン 「おいアウネ。それ以上はやめろ。・・・落ち着け。気持ちは分かる。だが、一旦落ち着け。」
ハンソンは塗料の付いた両手斧を持っていて、ジャックは何かを構えていた。怒りが収まらなかった。王国の魔導士にしては若すぎる。それに魔力量も常人よりちょっと多いぐらい。おまけに基礎魔法を研究せずに呪いと大規模魔法の攻撃なんてできるわけがない。私は彼らよりも長生きしているし、戦争で培った経験もあった。だからこそ言える。彼らはあまりにも足手纏いすぎる。現状じゃこの二人を現地へ連れていくのはあまりにもリスクが過ぎた。
アウネ 「・・・分かった。」
ハンソン 「アウネ、少し席を外してろ。俺から説明しよう。資料に目を通しているし、お前の言いたいことも分かるから。」
アウネ 「ごめん、頼んだ。ちょっと外の空気吸ってくる。」
私は応接室から出て行き、外で散歩することにした。それからちょっと国王に会いにいくことにした。色々と聞きたいことがあったから。
一方、ハンソン達。
ハンソン 「あー、なんか悪いな。急にアイツがキレちまって。」
ジャアル 「・・・いえ。私達が未熟だったばかりに不愉快にさせてしまったことですので。」
ハンソン 「・・・正直な、俺もアンタらのことはあんまり当てにできてないんだよ。多分だけど実践経験もほとんど無いだろ?」
ジャアル 「・・・はい。」
リバリー 「はい...。」
ハンソン 「はっきり言ってな。俺らとアンタらじゃ実力の差が桁違いだ。こっちは死ぬかもしれないっつーのに最前線で戦ってきたし、食糧も武器も医療品も、何もかもが粗悪で不足してたんだ。そんな中で戦って、生き残ったんだ。まぁアイツの場合は死ぬっていう概念が老衰以外あり得ないんだが...それでも、魔法とかに全然詳しくない俺でも分かる。アンタら、弱過ぎる。また分断戦争みたいなのが起こったら、多分すぐ死ぬぞ。」
ジャック 「どれ、私もたまには真剣に話してやろうじゃないか。お前達、今のままじゃ完全に足手まといだ。お荷物だ。邪魔だ。お前達の強みぐらい、アウネ一人で十分に補える範疇だし、そもそもスペシャリストとかならもっと特化させたまえ。じゃないと...君らはなんの実績も残せないままここから出ていくことになるぞ。」
リバリー 「じゃ、じゃあ。私達はどうすればいいんですか...?」
ジャック 「簡単なことじゃないか。彼女の役に立てるぐらいには研鑽を積め。」
リバリー 「それでも、あと一週間後ぐらいにはもう始まるんですよ...!?そんな時間でどうやって...」
ハンソン 「そんなんだから、お前達は不要だと言われるんだ。・・・チッ、俺までイライラしてきた。一週間もあるんだからよ、一週間でほとんど全てのことを覚えて実践に活かせるぐらいにすればいいだろうが!そんなことも考えられねぇのかお前は!スペシャリストとか聞いたのによ、中身はとんだ駄作じゃねぇか!・・・ぶち殺すぞクソガキが...。」
ジャック 「よしハンソン。お前も外へ行け。」
ハンソン 「チッ...。」
ジャック 「はぁ。まさかこんな風になるとは思わなんだか?あぁ、それとリバリーと言ったか。お前の言葉、少々私も不愉快になったぞ。今すぐにでもお前を殺してしまいたいぐらいにはな。・・・まぁまぁそんなことより!出来ないのなら帰れ!やるのなら死ぬ気でやれ!それはお前達が決めろ!」
ジャアル 「私はやります。やり遂げます。そのためにここに来たのですから。そのためにはなんだってやります。それに、国王の勅命ですから。何も為せずに帰るなんて、あまりにも恥ずかしい。」
ジャック 「よく言った!君のような熱意があるのなら受け入れよう!それで...後は君だけだ、リバリー君。君は出来ないそうだな!じゃあまぁ帰ってくれて構わないぞ!その代わり、君は彼と違って臆病で何も出来ないからって任務を放棄した恥晒しの魔導士になるだろうが!それはそれで傑作だな!」
リバリー 「・・・やります。私もできるってことを証明してみせます。だから、参加させてください。」
ジャック 「それじゃあ君はまずその情けない表情をやめたまえ。そんなんじゃここから先の地獄で死ぬだろうからね。」




