第二 燃えて目覚めん
文字通り黒焦げになっている人から光が生じ、徐々に体が再生していく。同時に、私は自分の体の血液が沸騰するのではないかと思うぐらい熱くなる。なんか体から煙が出てるし、腕が真っ赤になってる。だけど、もう少しで蘇生が完了するんだから、あと一踏ん張りしなきゃ。
真っ黒に焦げていた人は、ようやく全身が綺麗に元通りになった。わずか数分程度の魔法の使用だったのに、かなり疲れた。それにめちゃくちゃ痛い。心臓はないし胸から血が大量に出てるし、それに体から煙出てるし。側から見たら、とても人間とは思えないような光景だね。だけど、久々に良い経験ができた。人を助けるってこんなにも清々しいんだ。・・・あの頃を思い出すなぁ。あの最悪な場所。
「僕。もうちょっとしたら、多分お母さん起きるから。よく頑張ったね。」
「ほ、ほんとに?」
「ほんと。私がすごい魔法使ったから、絶対に大丈夫だよ。」
私がそう言い終わると、倒れていた人が目を覚ました。ただ、全裸はまずいので私のコートを着せてあげた。
「私、なんで...?」
「この子のお母さんですよね。私が蘇生しました。」
「えっ、あなたは...!?」
「ママ!!!!」
あら仲睦まじい。親子愛って素敵だよね。微笑ましい。状況がこんなだから、そんなことは言えなかったけど。
ただ...気掛かりだな。なんでこんな焦土になってるんだろう。ここって私がいた王国だよね。しかもここ、私も手を加えた、かなり厳重な魔法で防衛してたはずだから、そうそう魔法が破壊されるなんて起こらないと思うんだけど。特に城なんて破壊されようもないぐらいに保護してたのに、辺り一体が綺麗さっぱり更地になってるし。
それにこの魔力。明らかにヤバいものだね。魔法に呪いが刻まれてる感じかな。だとしても、魔法と呪いを併用してかつこんな大規模に?あまりにも考えられない。私でもこんな芸当はできやしないね。頑張っても半壊が限界。それに呪いもこんな強力にできないだろうし。・・・あまりにも不可解すぎるね。だけど、今はそんなこと考えている場合じゃないかも。
「二人とも。急で悪いけど、私についてきてくれる?じゃないと三人まとめてもう一回死ぬことになるよ。」
「えっ...?はい...?」
「残念だけど、質問は受け付けてないんだ。とにかく急いで。もう時間がない。あるいは私が無理でにも連れていくよ。」
「えっ、あ、わ、分かりました!ロイ、走れる?」
「うん。だいじょぶ。」
私は急いで走り始めた。私の地下室の方角へ。ただ、これ間に合うかな。ギリセーフかギリアウトのどちらでもあり得るかも。いっそ、次元に...はヤバいね。結局走るしかないか。タイムリミットが迫る。・・・本当に昔のことを思い出しちゃうな。あのクソみたいな戦争にいた時のこと。それに基づいて動いているけど、ほぼ確定で降るだろうね。「竜の雨」が。




