第十六 空間が拡張され
外は既に夕方になっていた。朝からいきなり身柄を拘束され、その後急に国王と面会し、さらにそこから戦友達を集めるという、とんでもなく複雑な一日だった。楽しくはあったんだけどね、流石に疲れた。
クロン 「よし、今日のするべき事は終わったな。明日から私は遠出する。残りの12人を集めるためにな。それとメビウス。流石に私1人では全員集めるのは難しい。性格も合わない奴がちらほらいるからな。だから同行してほしいのだが、頼めるか?」
メビウス 「おう!任せとけ!」
クロン 「それからアウネ。君は作戦資料を全員分用意しておけ。誰でも分かりやすいようにな。」
アウネ 「今やってる最中。」
クロン 「ならよし。そしてハンソンとジャック。お前達は飯を作れ。」
ハンソン 「じゃあジャック、この中じゃお前が一番料理上手だ。お前が作れ。俺は自分の荷物をこの家に移すことにする。」
ジャック 「はっ!いいだろう!材料はあるか!」
クロン 「たんまりとある。好きなだけ使うと良い。ただ、できるのなら控えめにな。全員集まったら騒がしくなって料理を大量に用意する羽目になるだろうからな。」
ジャック 「それもそう!じゃあ今日は普通のものを作ってやろう!少し待っていたまえ!」
そう言ってジャックは厨房のある方へ向かって行った。残った私達は豪邸の中央ホールから各自解散し、やるべき事をすることになった。
私は引き続き、自分の部屋で作戦を練ることにした。もっと緻密で、万が一の事態に備えておきたいから。「彼」のようにはなりたくないから。
少しの間、作戦を考えていたら誰かがドアをノックした。
クロン 「私だ。入るぞ。」
アウネ 「どうしたの?」
クロン 「一応だが大まかな作戦内容を聞いておきたい。恐らく一週間程は帰ってこられないだろうからな。加えて、明日か明後日には王国の魔導士、君が頼んだ2人が来るだろうから忘れないようにという忠告だ。」
アウネ 「人が来るのは覚えてる...と思う。多分大丈夫。で、作戦なんだけど、いくつかの部隊に分けて活動する感じ。魔法と呪いの調査、護衛、運搬、みたいな。まぁもうちょっと詳しくするつもりだけどね。それぞれの得意分野で活動してもらう予定。」
クロン 「分かった。それだけ聞けたのなら十分。引き続き頑張ってくれ。」
アウネ 「うん。ありがと。」
ジャックの大声で夕食が出来たと分かった。私とクロンは一緒に食堂っぽい場所へ向かうことにした。
アウネ 「それにしてもさ、ここはやっぱり広いね。」
クロン 「君が衣食住が良いところが欲しいと言ったじゃないか。」
アウネ 「それはそうなんだけどね。こんなに広いと移動が大変。」
クロン 「これから共に動く奴らが全員ここを拠点にするんだ。仕方がないだろう。」
私とクロンは廊下を歩きながら駄弁っていた。ここの拠点はあまりに広く、煌びやかで、何もかもの規模が違っていた。私の住んでた地下室なんかとは、到底比べものにはなれないほどには。そういう意味では、開放的でめちゃくちゃ良い場所なんだけどね。




