第十二 我が指揮下に
私は早速、自分の荷物を部屋に移していた。重要な物は全部地下室で保管してたから、必要な物は全てすぐに使えるようになっている。私はすごいね、こんな事を見越して行動していたなんて。
「そういえばクロン。みんなを集める方法ってあるの?」
「当然。そうでなければ国王に堂々と言わないだろう。」
「それもそうだね。じゃあ、みんなを集めるのは頼んだよー。」
「あぁ。君は君でこれからの行動を考えて、すぐに動けるようにしておいてくれ。これからは...君が私達の隊長だ。くれぐれも扱いを間違えない様にな。」
「・・・分かってる。」
クロンは鋭い目つきで私の部屋から出て行った。彼もまた、私と同じように戦争の頃の記憶を忘れられていないんだろうね。本当、どうしてこうも多くの人が苦しまなきゃいけなかったんだろうね...。
数時間後。とりあえずだけど、ざっとした作戦は立てられた。伸びをしていると、部屋をノックする音が聞こえた。
「私だ。お前に客人を連れてきたぞ。」
クロンが入ってきて、その後ろにはメビウスがいた。
「ようアウネ!昨日ぶりだな!」
「メビウスじゃん。ドラゴン退治は終わったの?」
「おう!無事に夜襲は完了して、面倒事を起こさずに殺してやったぜ!それと、ほれ!手土産だ!」
彼の持っている袋の中には、ドラゴンの爪や目、鱗が入っていた。
「何かに使えると思ってな!欲しいなら持ってけ!」
「そうだな〜。目と...舌があるじゃん。これは貰って...あと爪もいくつか貰おうかな。」
「ハハッ!いいぞ、持ってけ!クロンは何かいるか!?」
「いらん。というか、目とか舌なんて何に使うんだ...。それに、ドラゴンの肉とか料理人以外使えないだろ。」
「目と舌はね、実はかなり使えるんだよ。これらから魔法を抽出できたりするし、特殊なポーションとかになる。めっちゃレアな物だよ。メビウスには感謝しないとね。」
「いいってことよ!俺も金稼げたしな!そんなことよりもよ!昼飯食いに行こうぜ!」
「もうお昼か。そういや私、朝何も食べてなかったな。」
「そうなのか?」
「そう。気付いたら変な部屋で拘束されてた。クロンの仕業。」
「仕業とは失礼な。業務でああするしかなかったんだ。悪気があってやったわけじゃない。」
「まぁまぁ!それで?飯は行くか?行かないか?」
「私は行くよ。お腹減った。」
「私もだ。」
「じゃあ三人で行くか!」
そう言って、三人で近場の料理店に入った。その店はクロンの行きつけで、固定席を確保しているそうだ。また、店長と非常に仲が良く、よく新しいメニューの試食とかもさせてもらってるらしい。私達は席に案内され、各自食べたいものを注文して待っていた。
「そういえばクロン。あの親子はどうしたの?」
「あぁ。あの二人は国王の使用人として雇用することになったらしい。それ以上は知らん。」
「へぇー。でも、あの少年はまだ働けないでしょ?」
「働けない代わり、家庭教師の人に城内で教育してもらうらしい。あの子を学校へ行かせるのはリスクと判断したんだろう。元々通ってた学校も友達もいなくなって、挙句このタイミングで編入となると色々と懸念点があったからだろうな。まぁ本人はそれで良いって言ってるらしいから、特に気にすることはないだろう。」
「そうなんだ。じゃあ良かった。それでさ、話は変わるんだけど、なんでクロンいるの?仕事は?」
「代表から長期休暇を強制的に付与された。私のポジションは代表が一定期間請け負うらしい。折角だから私の大変さを分かって欲しいから、喜んで承諾した。」
「・・・良かったね?で良いのかな?」
「あぁ。しばらくあのクソみたいな仕事から解放されるんだ。まだこちらの仕事の方がマシだな。」
「なんか、お疲れ様...。」




