第十一 富の力を行使し
「よく来たな、グラン王国の英傑魔導士アウネよ。其方と会えたこと、非常に光栄に思う。その椅子に掛けたまえ。それからリリュジョンギルドの代表補佐クロン。其方の働き、実に懸命であった。褒めて遣わす。其方も椅子に掛けるが良い。」
「「失礼します。」」
「うむ。さて、早速本題へ入ろう。我が同盟国であったグラン王国。我が旧友のジゼル国王も、今回の一件で最早どこにいるのか、原型を留めているのかすら分からぬ。あまりにも心苦しいことであるし、同時に怒りも湧いてくる。して、アウネよ。其方は本件が何者かの魔法によって引き起こされたと語ったそうだな。そう語る理由を述べよ。」
「はい。竜の雨が降る前、僅かに不自然な魔力を感知しました。また、地面に呪いの残滓も。明らかに自然災害によるものではないと思います。しかし、その規模と魔法、呪いの強さがあまりにも人間離れしているように感じています。とても人が行えるようなものではございません。」
「ふぅむ...。人間離れしたものか...。誰が行ったのか見当が付かん。というわけでだ、アウネよ。其方、我が王国の魔導士として所属してもらう。」
「えっ。はい?ん?えっ?」
私はクロンを見た。クロンは滝汗を流している。そしたらクロンから、魔法で連絡しれくれた。
(ごめんなアウネ。王国に魔導士やめさえてやってくれと頼んだら拒否された。それについて言及しようと思ったら圧力かけられて、ワンチャン私が殺されるところだった。許してくれ。)
「あぁ安心せよ。別に其方を酷使するわけではない。其方には王国魔導士という名目で、今回の件の謎を解明してもらいたいのだ。そのために国家権りょ...我が国の持ちうる全てを其方に提供すべく所属して欲しいのだ。」
「なるほど、そういうことでしたか。それなら喜んで。」
「感謝しようアウネ。では、今から其方は我が国、ルンドン王国の王国魔導士として活躍せよ。これは我が王国発展に繋がる最大の責務であり、其方が背負うべき重役である。心して職務を全うせよ。」
「国王の御心のままに。」
「・・・ふぅ、よし終わった。あぁ、もう堅苦しく喋る必要はないぞ。ここからは私的な相談だからな。」
「あっ、はい。なんですか。」
「まぁ、其方の今後の活動方針についてだな。だから我よりも其方に関しての相談だ。要は、どうやって今回の件について調査するかだ。我が国には多くの魔導士がいる。もし欲しければ応援を要請するがどうする?」
「そうですね...。とりあえず、呪いに関して博識な人を一人、それから大規模魔法を得意とする人を一人。それから、個人的に戦争の旧友ら全員を招集して欲しいです。」
「ふむ。前者はいいだろう。しかし、其方の旧友を招集するのは何か理由があるのか?」
「えぇ、かなり重要な役割があります。特に、私の旧友らは...あー、一部を除き変人が多いんですよね。その代わり、1つの道に特化しまくった人たちの集まりです。彼らの力があれば、より効率的に調査が進められるかと。」
「・・・分かった。其方の旧友らは今どこにいるか知っているか?」
「2名ほどは。ただ、残りの12人はどこにいるのか知らないですね。」
「それは困るな。探そうと思えばできなくはないが、時間がかかる。それは理想的じゃない。」
するとクロンが手を挙げた。
「ならば私が残りの者達を集めましょう。」
「できるのか?」
「はい。芋蔓式に召集が可能です。」
「分かった。では、其方の旧友の結集はクロンに一任する。それ以外の人物は私が手配しよう。あと、その他に必要なものはあるか?」
「衣食住がいいところ。」
「・・・分かった。用意しておこう。それ以外は?」
「私は必要ないですね。クロンは?」
「私は簡易式ゲートとポイントマーカーが欲しいです。両方5つずつ。」
「いいだろう。用意しておく。では、今回の件、頼んだぞ。我が友のためにも...。」
私とクロンは、国王に別れの挨拶をした後、部屋を後にした。その後、すぐに使用人から私の住居を案内された。城のすぐ近くの豪邸で、すんごい広い。私の旧友全員が入れるぐらいの部屋数があるそうで、そこを拠点にしてくれとのこと。また、数日後に頼んだ魔導士も合流するそうだ。これから本格的に活動することになりそう。また気を引き締めなきゃな。




