第十 我に謁見せよ
朝、目が覚めると拘束されていた。訳も分からないし、ここがどこかも分からない。慌てふためく私を、クロンは目の前の椅子に座って黙っていた。
「起きたようだな。」
「何事?なんで拘束具つけられてるの、私?」
「言っただろう。事情聴取だと。あぁ、抵抗する権利は微塵もないから無駄に抵抗しないように。」
「もし抵抗したら?」
「首を刎ねる。」
「わーお。物騒だね。まぁそれで死なないんだけどね。」
「首を刎ねた後、それをどうするかは私の自由だ。だからその頭を二度と使えないようにしてやる。」
「それで、何?事情聴取って。」
「簡単なことだ。君の王国が滅んだ時、何をしていた?何が起こった?何時に起こった?事細かに口述するように。」
「あれは昼頃、13時ぐらいかな。すっごい音で目が覚めてね。ただ、その時は地下室で寝てた。魔法の研究で何日も徹夜してたから限界だった。だから地上で何が起こったのか知らないし、なんでそうなかったのか知らない。」
「・・・本当に役に立たない情報だな。はぁ、聞いた内容そのままだから、もう事情聴取はこれで終わる。記録を終了してくれ。よし、じゃあ拘束を解く。代わりに今度は私について来い。」
「えー、今度は何?」
「国王がお呼びでな。」
拘束具を解かれ、彼が歩く後ろを歩いていた。フラフラするから、クロンから杖を渡された。まぁその杖、私の所有物なんだけど。
いきなり変な場所で目が覚めるし、唐突に事情聴取されるし、朝食も食べてないし、今日はなんか嫌な一日になりそう。
あらかじめ用意されていたゲートがあるようで、そこを通った。すると、その先は広くて煌びやかな空間が出てきた。恐らく、城の中だろう。使用人っぽい人達が優雅に歩きながらも迅速に行動していた。窓を磨いたり、床を掃除したり。とても多い人達が、各自やるべきことをやっていた。さすが国王お抱えの使用人。手際と品格があまりにも良すぎる。・・・私にもこういう使用人が欲しいなぁ。使用人のことをじっと見てたら、クロンから頭を叩かれた。
階段を登り、どんどん上へ行く。階段以外に上へ行く方法はないのかと不満だった。ただ、この建物の構造は分かっていないから、仕方がなくクロンについて行くだけだった。
「アウネ。これは個人的な意見だ。ここから先が国王のいる部屋だ。私も同行するが、くれぐれも喋り方には気を付けてくれ。最悪、君をバラバラにしなくてはならなくなる。それは君も嫌だろうし、私も面倒だ。しっかり聞かれたことに正確に、丁寧に話すように。分かったな。」
「はーい。」
クロンは鎧を着て槍を持っている人に話しかけていた。多分、国王直属の護衛部隊だろうね。話が終わったようで、その人達が重々しい扉を開けた。すると、中央には仰々しく座っている、王冠を被った人物が私を見据えていた。




