25.真実を告げる②
「わが姫。私は名の通り、クルス公爵の血を継ぎました」
そしてまた、
「父はカンタンドの王家からの入り婿です」
目を丸くする姿も愛らしい。私は実に幸せです。
クルサンド。カミナンド。カンタンド。バイランド。現在も王国の名として残る、この4家が真実一の王国に由緒をもつものであることは、現在までは知られておりません。
あの時代、4公家は確かに一の王国を支えておりました。けれどこれら4公家は実に仲が悪かった。飽きもせず抗争を繰り広げておりました。流血や死人が出ることはそうありませんでしたが、常に足の引っ張り合いをしておりました。
さらに、それぞれが計ったように同年代で、世継ぎも同じ程度のしかも全員嫡男で、それがまた姫の憂いの基となっておりました許しがたい。
まぁ、それは過ぎた時代です。
「あの日、わが姫を覆い隠し、私は全土に呪いをかけました」
あれは魔法ではなくのろいですね、間違いなく。
「塔を礎に、他人の生命を奪うような争いを封じました」
おかげで争いで死ぬ人間は減りましたが、生かさず殺さずの目に合わせられる人間の増えたこと増えたこと。のろいは、他人の生命を奪おうとする気持ちを少し縛る程度ですから人殺しは皆無にはなりませんし、命令するくらいは平気ですし、あまり気持ちの良い結果は出ませんでしたね。少し後悔しました。
「それとは別に、私怨ですが特にわが姫につきまとっていたあの公子どもに呪いをかけました」
「‥‥自分で言うのね、それ」
えぇ、私怨ですから。
「私の存在をかけた呪いです。
4つの血が混じったとき、私は再びこの世に生を受ける」
‥‥あれ、今気付きましたけど、ということは私は蛇蝎のごとく嫌っていた連中の血を、余すことなく受け継いでいるということですか?‥‥そうですね、呪いをかけたのは相手はあの公子どもですから、間違いなく直系で受け継いでいますよね‥‥うわぁ。
「‥‥。
そうすれば、再び生まれる私の目に映るのは、あの日わが姫がおっしゃったように4公家が争わないあの王国だと、思ったのですが‥‥」
王国は大陸から消滅していました。そして4公家は王家となっており、ほかにも大小国が興っているし、血が混じっているとはいえそれぞれの国はそれほど仲が良くはありませんでした。
いくら、大陸一の魔法使いだったと言っても、万能には程遠いということですね。




