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第33話:調査任務 2

 どれほどの時間が経ったのだろうか。


 やがて、馬車がようやく動きを止めた。


 周囲に物音がないことを確認してから、奕德と妤玟は馬車の隅から静かに這い出し、外の様子を窺った。


 そこは木材で組み上げられた馬小屋の中だった。辺りには強烈なアルコールの臭いが充満している。


 妤玟は鼻をつまみ、小声で奕德に不満を漏らした。


「ここって一体何に使う場所なの? お酒の臭いが強すぎるんだけど!」


 奕德は首を横に振って答えた。


「僕にも分からない。とりあえず、何かおかしなところがないか、少し調べてみよう」


 二人は馬小屋の中をくまなく調べ始めた。


 すると、奕德はすぐに古びた木製の扉を見つけた。


 彼は妤玟に小声で尋ねた。


「この先に続いているみたいだ。中に入ってみるか?」


 妤玟が頷いたのを確認すると、奕德はゆっくりと扉を開けた。


 そして、甲高い「ギィィィィッ!!!!!」という音が響き渡った後、奕德と妤玟はゆっくりと部屋の中へ足を踏み入れた。


 部屋の中は薄暗く、いくつもの棚がぼんやりと見えるだけだった。


 その棚には、先ほど馬車の中で見かけたものと同じ壺が、無数に並べられていた。


 奕德は慎重に足元に置かれた壺を一つ開け、鼻を近づけて臭いを嗅いだ。


 蓋を開けた瞬間、壺の中から猛烈に刺激的なアルコール臭が噴き出してきた。


 その臭いを嗅いだ途端、奕德は頭がくらくらし、全身から力が抜けて、その場で意識を失いかけた。


 幸いにも妤玟の反応は素早かった。


 片手で奕德を支え、もう片方の手で壺の蓋を閉めたおかげで、二人は大きな失敗を犯さずに済んだ。


 妤玟は少し怒った様子で、小声で彼を叱った。


「ちょっと、何やってるの? もし音でも立てたら、私たち終わりなんだよ?」


 奕德は申し訳なさそうに答えた。


「ごめん! 壺の中の臭いが思っていた以上に強烈でさ。うっかり意識を失いかけたんだ」


 妤玟は呆れたように尋ねた。


「それで、結局これは何なのか分かったの?」


 奕德は首を横に振って答えた。


「僕にも分からない。でも、僕の勘が告げているんだ。これが僕たちの調査していることと、必ず関係しているってね」


 二人がまだ話し合っていると、入り口の扉から、再び大きな「ギィィィィッ!!!!!」という音が響いた。


 二人は一瞬で警戒態勢に入り、素早く木箱の陰に身を隠すと、入り口の方を鋭く見つめた。


 間もなく、二人は木製の扉から入ってくる二つの人影を目にした。


 そのうちの一人が発する荒々しい呼吸音。


 それは、二人にとって父親の仇である――「紛争武士」のものだった。


 二人は緊張のあまり、慌てて木箱の陰に身を引っ込めた。


 身じろぎ一つすることもできなかった。


「武士様、本日はどうしてわざわざこちらへ?」


 一人の男が、媚びへつらうような声で尋ねた。


 紛争武士は冷ややかに言い放った。


「私がいつここに来ようと、お前に報告する必要があるのか?」


 男はたちまち緊張し、慌てて紛争武士に謝罪した。


「も、申し訳ございません、武士様。出過ぎた真似をいたしました。どうかご無礼をお許しください」


 紛争武士は男を相手にせず、独り言のように話を続けた。


「そんな無礼よりも、今のお前が心配すべきなのは、なぜこの場所にこれほど強い酒の臭いが充満しているのか、ということだろう」


 それを聞いた男の声は、明らかに震え始めた。


「そ、それは……おそらく龍血酒の樽が、運搬中にいくつか漏れてしまったのかと……。すぐに人を派遣して確認させます!」


 紛争武士の声には、わずかな怒りが滲んでいた。


「お前は、龍血酒がどれほど危険なものか分かっているのか?」


 男が答えられずにいると、紛争武士はさらに言葉を続けた。


「龍血酒はたった一滴で激しい炎を引き起こす。そんなものが運搬中に漏れたかもしれないだと? どうやら、お前は本当に死にたいらしいな」


 それを聞いた男は、たちまちその場に跪き、泣き声混じりに叫んだ。


「武士様、どうかもう一度だけ機会をお与えください! 必ずご満足いただける結果を出してみせます!」


 紛争武士はゆっくりと告げた。


「いいだろう。何しろ、明日の夕方には攻撃を開始する予定だからな。明日の夜は作戦を確実に遂行し、龍血酒で奴らの陣地を跡形もなく焼き尽くせ」


 男はすぐさま感謝の言葉を述べた。


「承知いたしました、武士様! 明日は必ず、私にできる限りの働きをお見せいたします!」


 そのときだった。


 紛争武士が腰の剣を抜き、男に向かって告げた。


「どうやら、小さなネズミが何匹か、こっそりと入り込んでいるようだな」

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