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第28話:殺意を思う存分、咲かせよう! 1

 時間はこうして静かに流れていき、気がつけば、奕德と妤玟はこの平原で、すでに一ヶ月近くの時間を過ごしていた。


  蔡思琴は手にしていた剣を下ろすと、満足そうに奕德へ声をかけた。


「すごくいいじゃない! 今のあなたなら、私の五手を最後まで受けきれるようになったわ。その上達速度には、本当に驚かされるわね!」


  奕德は首を横に振り、少し困ったように言った。


「蔡思琴お……お姉ちゃん、もうからかわないでよ。賜福を使わせるどころか、匕首を使う機会すら作れないんだから!」


  蔡思琴は笑うと、奕德を慰めるように言った。


「確かに、今のあなたじゃ私に本気を出させることはできないわ。でも、それでも十分大したものよ。それに、本当の戦闘では毎回、賜福を使えるとは限らないの。だって、敵に対して賜福を使うということは、同時に自分の位置を敵に知らせることにもなるでしょう? だから、敵に見つかっている場合を除いて、私は簡単には賜福を使わないのよ」


  その時、妤玟が肩に特殊な武器を担いで歩いてきた。


  その武器はすべて木で作られているにもかかわらず、その実際の重量は五十キログラムを超えている。


  二人が楽しそうに模擬戦をしているのを見た妤玟は、少し嫉妬したように言った。


「いいなぁ! どうして奕德はお姉ちゃんと一緒に練習できるのに、私はこんな重くて変な武器を持って、一人で練習しなきゃいけないの?」


  蔡思琴は妤玟の頭を優しく撫でながら、彼女の小さな不満をなだめるように言った。


「何度も言っているでしょう? この武器は『戚』っていうの。あなたを訓練するために作られた特殊な武器なんだから。だから、これを完全に使いこなせるようになるまでは、大人しく一人で訓練していなさい」


  しかし、妤玟は自信満々に言った。


「今の私はもう、完全にこれの使い方を覚えたよ! だから、そろそろお姉ちゃんと一緒に練習してもいいよね?」


  蔡思琴は仕方なさそうにため息をついた。


「分かったわ。じゃあ、あなたがこの武器をどれくらい使いこなせるようになったのか、私が見てあげる」


  蔡思琴が妤玟と模擬戦を始めようとしたその時、奕德が不思議そうに尋ねた。


「どうして妤玟には、わざわざこんな武器を持たせて訓練させてるの? 妤玟の剣術の才能だって、悪くないんでしょう?」


  蔡思琴は頷きながら答えた。


「確かに、彼女の実力はかなりのものよ。でも、彼女が剣を武器として使うのは、少しもったいないと思ったの。だから、彼女が自分の力を最大限に発揮できる武器を作ってもらったのよ」


  その時、妤玟が二人の会話を遮り、待ちきれない様子で言った。


「お姉ちゃん! いつまで話してるの? もう眠くて仕方ないんだけど!」


  蔡思琴は奕德に向かって言った。


「どうやら、この話はまた今度にしたほうがよさそうね。ここに待ちきれない悪ガキがいるみたいだから」


  そう言うと、剣を手に取り、物凄い気迫をまといながら妤玟へ向かって歩いていった。


  二人はすぐに戦い始めた。


  武器が振り下ろされるたびに、奕德はそこから生み出される強烈な風圧を感じ取ることができた。


  二人の攻撃速度が次第に速くなっていくにつれ、武器同士がぶつかり合う音は、まるで雷鳴のように空へ響き渡った。


  奕德は二人の戦いを注意深く見つめていた。


  妤玟は絶えず手にした武器を振り回し、正面から蔡思琴の防御を突破しようとしている。


  しかし、怪力の力を得ているにもかかわらず、蔡思琴の防御には一切の隙が生まれなかった。


  妤玟はすぐにそのことに気づき、即座に戦術を変えた。


  そして、蔡思琴の周囲を走り始めた。


  蔡思琴もすぐに妤玟が戦術を変えたことに気づき、笑いながら彼女に声をかけた。


「どうしたの? 最初のあの向こう見ずな勢いはどこへ行ったのかしら? もしかして、怖くなったの?」


  しかし、妤玟は蔡思琴の言葉に影響されることなく、凄まじい速度で彼女の背後へ回り込み、その背中の死角へ攻撃を仕掛けた。


  だが、蔡思琴はほんの少し身体を回転させただけで、妤玟の攻撃を簡単に受け止めた。


  その攻撃が一撃だけだったことに、蔡思琴が疑問を抱いた、その瞬間。


  彼女は、誰も気づきにくい小さな違和感に気づいた。


  それは、妤玟が武器を片手だけで握っていたことだった。


  蔡思琴は素早く視線を走らせ、その視界の端に妤玟のもう一方の手を捉えた。


  その手はすでに構えを整え、自分へ向かって振り抜かれようとしていた。


  その拳はまるで猛虎のように、蔡思琴へ襲いかかってきた。


  そして蔡思琴は、その拳から凄まじい殺気を感じ取った。


  幾度となく戦場で命を懸けて戦ってきた本能が、無意識のうちに彼女の身体を動かした。


「風神よ! どうか私に力をお与えください!」


  妤玟の拳が蔡思琴に命中する、その瞬間。


  突然、台風のように荒々しい攻撃が、妤玟の腹部へと襲いかかった。


  妤玟には反応する暇すらなかった。


  その拳は、彼女の身体へとまともに叩き込まれた。


  妤玟の身体は、まるで糸の切れた凧のように、制御を失って後方へ吹き飛んでいった。


  そして、何本もの大木をへし折った後、ようやくその動きが止まった。


  蔡思琴は拳を振り抜いた直後、自分がとんでもないことをしてしまったと悟った。


  妤玟に拳が命中する一秒前、蔡思琴はすでにかなり力を抜いていた。


  それでも、その一撃は大人に当たったとしても命を奪う可能性があるほどのものだった。


  ましてや、相手は十歳ほどの子供である。


  蔡思琴が妤玟のもとへ駆けつけると、彼女は血を吐きながら、苦しそうに木の幹へ身体を預けていた。

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