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第23話:復讐を成功させるために頑張ろう!2

  妤玟は不思議そうに尋ねた。


  「お姉ちゃん! 一体何の話なの? そんなに秘密めいた顔をして!」


  蔡思琴は懐から、すでに開封された封筒を取り出した。


  「これは前線から送られてきた最新の情報よ。どうやら最近、紛争の国が大きな動きを見せ始めたらしい。冬に乗じて、こちらへ攻撃を仕掛けるつもりみたい。そして、彼らを率いているのは、あなたのお父さんを殺したあの紛争武士よ。だから、あなたたちは戦場で命を落とす覚悟ができているのか、そして私と一緒に前線へ向かう意思があるのかを聞きたいの」


  奕德と妤玟は顔を見合わせると、声を揃えて蔡思琴へ力強く答えた。


  「僕たちは、とっくに待ちきれないくらいだよ!」


  「蔡思琴あ……お姉ちゃん、どうして私たちは馬に乗って前線へ向かわないんですか? 馬なら一日か二日で着くはずなのに、どうしてわざわざ歩いて行くんですか?」


  奕德は手にしていたリュックを下ろしながら、不満そうに蔡思琴へ愚痴をこぼした。


  蔡思琴は馬の横に掛けられていた荷物を静かに外しながら、振り返ることなく奕德に答えた。


  「今のあなたたちの実力では、紛争武士に勝つどころか、正面から敵と遭遇した場合、自分の命すら守れないかもしれないわ。だからまずは、戦場で生き残るための方法を教えるのよ」


  奕德は痛む足を揉みながら、それでも理由が分からず、再び尋ねた。


  「じゃあ、どうして僕たちは絶対に歩かなきゃいけないの?」


  すると、隣にいた妤玟が笑いながら言った。


  「それはあなたの体力があまりにもなさすぎるからでしょう! あなたの祝福が一番重要視しているのは体力なのに、数分歩いただけでもう気を失いそうなくらい疲れているじゃない! それじゃあ、祝福が使えないのと同じようなものだよ!」


  蔡思琴は二人の言い争いを気にすることなく、二人を風の国と豊穣の国の境にある、とある平原へと連れてきた。


  その平原はとても広大で、まるでどこまでも果てがないかのように広がっていた。


  そして、その上では何匹ものウサギが、自由気ままに平原を駆け回っている。


  蔡思琴は二人に向かって言った。


  「あなたたち、あのウサギたちが見える?」


  「彼らはこの平原に生息している、『風の兎』という生き物よ。ほとんど攻撃能力を持たない低等眷属で、夜になると二、三時間ほど活動するの」


  「今日から、毎朝あなたたちに読み書きを教える。午後は戦闘技術を訓練する。そして夜になったら、ここへ来てウサギを捕まえる訓練をするのよ」


  「それから、いつ前線へ向かえるのかについては、あなたたちがいつ風の兎を捕まえられるようになるか次第ね」


  「できるだけ早く始めたほうがいいわよ。そうしないと、あなたたちは一生前線にたどり着けないかもしれないから」


  そう言い終えると、蔡思琴は振り返ることなくその場を去っていった。


  その場には、風の兎の群れを見つめる奕德と妤玟の二人だけが残された。


  蔡思琴が去ったあと、奕德は小さな声で妤玟に尋ねた。


  「ところで、さっき言っていた『低等眷属』って、一体何なの?」


  妤玟は少し驚いたような顔で奕德を見る。


  「ここへ来る途中、お姉ちゃんの説明をちゃんと聞いてなかったの?」


  奕德が気まずそうに目を逸らすのを見て、妤玟はため息をついた。


  「一回だけ説明してあげるからね!」


  「この世界には、大きく分けて五つの階級があるの。それぞれ『低等眷属』、『中等眷属』、『高等眷属』、『神の眷属』、そして『神明』よ」


  「まず説明するのは『神明』。彼らはこの世界に祝福を与える存在で、その中でも、この世界を創造した十柱の神明は『至高神』と呼ばれているの」


  「人々は彼らを敬っているから、神の名前の後ろには『之』を付けない。つまり、人々は『風之神』ではなく、『風神』と呼ぶのよ」


  奕德は興味深そうに尋ねた。


  「つまり、至高神以外の神明は、名前の後ろに『之』を付けるってこと?」


  妤玟は頷いた。


  「そうよ! そして、神明から祝福を与えられた生物は、さらに四つの種類に分けられるの」


  「まず、祝福を使って他者を攻撃することができない生物は『低等眷属』と呼ばれる。それから、祝福を使って攻撃できるものが『中等眷属』。そして、祝福によって強力な攻撃を行える生物が『高等眷属』と呼ばれているの」


  「これらの眷属が使う祝福は、すべて生まれたときから決まっているのよ」


  「そして、私たち人間は『神の眷属』に分類される。『巨龍』『古精霊』『ドワーフ』『獣人』も同じで、神明が直接、その者に最も適した祝福を与えるの」


  「そして、私たちは世界中に神の理念を伝える役目を担っているのよ」


  妤玟は説明を終えると、さらに付け加えた。


  「でも、だからといって彼らを甘く見ちゃ駄目だからね!」


  「確かに低等眷属は祝福を使って攻撃することはできない。でも、中には自分の身体の大きさや怪力を利用して敵を攻撃するものもいる」


  「それに、中等眷属は高等眷属ほどの強大な破壊力を持っていなくても、大勢の中等眷属が力を合わせれば、決して侮れないものになるわ」


  「実際、高等眷属が低等眷属や中等眷属に逆に倒されることだって、珍しくないんだから!」


  「だから、相手が低等眷属だからって、絶対に警戒を緩めちゃ駄目。分かった?」


  説明を終えた妤玟は、手にした木剣を持ち上げながら風の兎へ向かって歩き出した。


  そして、奕德へ振り返ることなく声をかける。


  「行こう! 早く風の兎を捕まえられれば、その分だけ早く前線へ行けるんだから。だから、ここでいつまでもグズグズしてないで!」

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