↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
21/44

第20話:その唯一の希望を掴め!1

 妤玟は拳を一振りすると、壁一面を粉々に吹き飛ばした。


  その引き起こされた凄まじい轟音は、まるで自分たちの居場所を世界中に知らせているかのようだった。


  しかし、妤玟はそれで手を止めることなく、再び拳を振り抜き、もう一枚の壁に大きな穴を開けた。


  天井を支えていた壁が崩れ落ちると、天井全体が空から落下してきた。


  「ドォォォン!!!!」


  凄まじい音とともに、床には巨大な穴が穿たれた。


  妤玟は心配そうに奕德へ声をかけた。


  「残りはあなたに任せるね。絶対に無理しちゃダメだからね! 必ず生きて帰ってきてよ!」


  奕德は頷き、毅然とした眼差しで妤玟を見つめながら言った。


  「心配するな。俺は絶対に、こんなところで死んだりしない」


  「一体、何をやってるんだ? ここを全部ぶっ壊すつもりなのか?」


  金髪碧眼で、三十歳前後の女が驚いたように呟いた。


  深緑色の髪をした男は、声のした方向へ全速力で走りながら、内心で驚きを隠せずにいた。


  「どうやら、あの二人は想像以上に厄介かもしれないな! まず、人通りの多い大通りで俺たちの行動を見抜いた時点で、十分に怪しいと思っていた。


  それだけじゃない。偵察の中でもっとも効率のいい方法を取ったというのに、今になってもあの二人のガキの姿すら見つけられていない。まるで、こちらの居場所を完全に把握しているかのようだ。


  それどころか、今度は正体不明の方法でこの建物まで破壊している。この二人のガキは、俺たちが想像していた以上に厄介な存在に違いない」


  そう考えた緑髪の男は、後ろにいる仲間たちへ告げた。


  「これからは絶対に油断するな。あの二人のガキは、俺たちが想像している以上に厄介かもしれない。風の国の兵士たちに気づかれる前に、必ず任務を完了させるぞ」


  彼の言葉を聞いた仲間たちは、先ほどまでの軽蔑した態度をすべて引っ込め、真剣な表情で声のする方向へと急いだ。


  やがて彼らの目の前に、巨大な穴が開けられた壁が姿を現した。


  金髪の女は目の前の光景に明らかに驚愕し、信じられないといった表情で緑髪の男へ尋ねた。


  「隊長、これはどう見ても祝福によって破壊された跡ですよ! 報告書には、あいつらが祝福を使えるなんて書いてありませんでしたよ!」


  緑髪の男も目の前の光景に驚いていた。


  しかし、それでも心の中に生まれた疑問を押し殺し、後ろにいる仲間たちへ告げる。


  「どうやら、これはあの男のガキがやったらしいな。てっきりあいつも十五歳未満だと思っていたが……どうやら今回は、俺たちの完全な読み違いだったようだ」


  すると、金髪の女が尋ねた。


  「それでは、任務はこのまま続行するんですか? もし本当にあのガキが祝福を使えるのなら、任務はかなり厄介なものになりますよ!」


  緑髪の男は首を横に振りながら答えた。


  「俺たちに与えられた機会は一度だけだ。今回の任務に失敗すれば、あの女はその後、さらに厳重に守られることになる。


  だから、今の俺たちは絶対に退くわけにはいかない。あのガキが一人で俺たち全員を相手にできるとは思えないからな」


  金髪の女はその言葉を聞くと、手にしたナイフを掲げ、緑髪の男へ言った。


  「それなら早く行きましょう! あの女はまだ遠くへ逃げていないはずです。全速力で追えば、きっと追いつけます!」


  数人がすぐに動き出そうとした、その時。


  緑髪の男は手を上げて彼らを制止し、巨大な穴の開いた壁を指差した。


  「お前たち、あの壊された壁に何かおかしなところがあることに気づいていないのか?」


  緑髪の男に指摘され、ようやく全員が気づいた。


  破壊されている壁は、わずか二、三枚だけだった。


  もし本当に壁を破壊して逃げたのなら、たった二、三枚の壁だけを壊すはずがない。


  皆の表情を確認した緑髪の男は、全員へ告げた。


  「おそらく、これはあの二人のガキが使った目くらましだ。つまり、あいつらはまだこの部屋の中にいると俺は見ている」


  緑髪の男の推測を聞いた金髪の女は、驚愕した。


  「そんな……隊長、ここには人が隠れられるような場所なんて、どこにもありませんよ!」


  緑髪の男は、天井が落下してできた巨大な穴を指差した。


  「俺たちの体格じゃ無理なのは当然だ。だが、忘れるな。あの女はまだ子供なんだ。なら、あの穴の中に身を隠すことは十分に可能だ」

もし私の作品を気に入っていただけたら、ぜひ星をつけて応援していただけると嬉しいです!


星をつけていただけたら、とても励みになります。よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。