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第17話:虎口を逃れたと思ったら、また虎穴に入り込んでしまった 2

  奕德と妤玟は、賑やかな大通りを興奮した様子で歩き回り、あちこちを見渡していた。


  通りには大勢の人々が行き交い、露店の商人たちは商品を懸命に掲げながら、喉が枯れるほど大きな声で客を呼び込んでいた。


  奕德が服を売っているおばさんを眺めていると、妤玟が彼の袖を引っ張り、よだれを垂らしながら声を上げた。


  「奕德、奕德! あれを見て!」


  奕德は妤玟が指差す方向に目を向けた。


  そこには、四十代から五十代ほどの女性が、りんご飴を売っている姿があった。


  それを目にした瞬間、奕德もまた、艶やかな光沢を放つりんご飴にすっかり心を奪われてしまった。


  彼は嬉しそうに財布を開くと、自分と妤玟のために、一つずつりんご飴を買った。


  二人がほかのおいしそうな食べ物を探しに行こうとした、そのときだった。


  ぼろぼろの服を身にまとい、全身から悪臭を放つ老婆が、二人に声をかけてきた。


  「坊やたち、私はもうずいぶん長い間、食べ物を口にしていないんだ。よかったら、その手に持っている食べ物を少し分けてくれないかね?」


  奕德は警戒するように老婆を見つめた。


  何しろ、りんご飴はお腹を満たせるような食べ物ではないからだ。


  しかし、妤玟は少しもためらうことなく、自分の手に持っていたりんご飴を老婆に差し出した。


  さらに、奕德の財布から硬貨を一枚取り出し、老婆の手に握らせながら言った。


  「これもあげるね! このお金で何か食べ物を買ってね。せっかくのお祭りなんだから、お腹を空かせたままじゃ駄目だよ!」


  それを見た奕德も、もはや迷うことなく、硬貨を一枚取り出して老婆に差し出した。


  そして、老婆に向かって言った。


  「僕たちがあげられるのは、これくらいしかないけど、早く家に帰って家族と一緒に過ごせるといいね」


  そう言うと、奕德は立ち上がり、その場を立ち去ろうとした。


  しかし、老婆は立ち去ろうとする二人を呼び止め、小声で話しかけてきた。


  「坊やたち、親切にしてくれたお礼に、大切なことを一つ教えてあげよう」


  それを聞いた奕德は、老婆に顔を近づけて尋ねた。


  「大切なことって、何ですか?」


  老婆は二人に向かって微笑みながら言った。


  「どうやら、あんたたちはまだ気づいていないようだね? 実は、ずいぶん前から誰かに尾行されているんだよ。しかも、あの連中はどうやら、あまり友好的とは言えないようだね」


  それを聞いた奕德と妤玟は驚き、老婆に尋ねた。


  「どういうことですか? 何か証拠でもあるんですか?」


  老婆はしわだらけの手を伸ばし、いくつかの方向を指差した。


  奕德がその先に目を向けると、確かに何人かの怪しげな人物が、こちらの様子を窺っているのが見えた。


  妤玟は小声で奕德に尋ねた。


  「奕德、どうしよう? お姉ちゃんに知らせに戻る?」


  奕德は首を横に振って答えた。


  「無理だよ。僕たちが尾行に気づいたと分かった瞬間、あいつらはすぐに行動を起こすはずだ」


  すると、その老婆が二人に向かって口を開いた。


  「もしあんたたちが嫌でなければ、私がいい方法を教えてあげようかね」


  妤玟は不思議そうに尋ねた。


  「もしかして、おばあさんなら、あの人たちの監視から逃れる方法を知っているの?」


  老婆は頷きながら答えた。


  「前にある路地が見えるかい? あの路地に入って左に曲がると、半開きになった窓があるんだ。そこから中に入れば、廃倉庫にたどり着く。そこなら、あの連中を完全に撒くことができるはずだよ。ただし、もう二度と命を落とすようなことになるかもしれないけどね」


  奕德がまだ決断できずにいると、妤玟が彼に向かって言った。


  「私はおばあさんを信じるよ。なんとなくだけど、嘘をついているようには感じないんだ。それに、今の私たちには、ほかにもっといい方法もないでしょ?」


  奕德は仕方なくその提案を受け入れ、全速力でその路地へと駆け出した。


  二人が遠ざかっていく背中を見つめながら、老婆は感慨深げに呟いた。


  「どうやら、あの爺さんの目は確かだったようだね! あの子なら、もしかすると本当に成功するかもしれないね!」


  そう言い残すと、老婆は二人とは反対の方向へと歩き始め、ゆっくりと人混みの中へ消えていった。

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