ヴァルガシア国の王族⑥
客室
ヴォルフ達は客室に着き、今日はここに泊まれと伝えた
ヴォルフ「貴様らはここに泊まれ。シャワー室もトイレも部屋についてあるから、用事がない限り出てこなくていい」
ノワール「食事は後で呼ぶから、それまではここで待機しておけ」
ブランシュ「はい、わざわざお部屋までありがとうございます」
ノーザン「ヴォルフ様、ノワール様、部屋まで案内していただきありがとうございます」
ヴォルフ「……国に戻っても私とノワールの事は話すなよ、私はもう王族ではないのだから」
自分達のことを今の王族に話すなと、釘を刺しているが
ブランシュとノーザンは少し焦っている顔をしている
ブランシュ「お二人の事…話してはダメですか…?…私達がここへ来た理由は不老不死のこともありますが、王族から二人の事を聞いてほしいと頼まれていまして…」
ヴォルフとノワールは毛先を逆立てた
ヴォルフ「……なぜ、私たちのことを知る必要がある?…今の王族に関係ないだろ…」
ノワール「私達のことを知ったところで、貴様ら王族に何の意味がある?」
ノーザン「今の王族達は…お二人に当時の事を謝罪したいと…」
ブランシュとノーザンがここへ来た理由、不老不死の事もあるが
ヴァルガシア国の王族から、二人の事を調べてほしいと頼まれていた
逃亡したことへの復讐ではなく、当時の事を謝りたいと
王族として、当時のこのような過ちは許されない行為だったと
ヴォルフ「私は…もうそんな言葉などいらない…それに今の王族はあの時代にいなかった…謝罪など必要ない…」
ノワール「私もヴォルフと同意見です…今更謝罪など要りません…今の王族達には罪はありませんし、あの頃の王族はすでに寿命でいませんから…」
ブランシュ「そうですが…でも…せめてお二人が生きている事だけでも、報告させてください…!」
ノーザン「今の王族はお二人に危害を加えようとも、思っていません。たとえ生きていると知っていてもここへお二人を襲うなどはしませんから…」
ヴォルフ「…明日までには決めておく…今はもうそこで休んどけ…」
逃げるように部屋を後にした
ノワール「……ヴォルフも私もあの国は嫌いだ…ただそれは当時の国であって、今の国のことではない…その事だけは伝えておく」
そう言い残し、ヴォルフについていき、自室に戻って行った
部屋
すぐさま二人は抱きしめあった
ヴォルフ「…ノワ、あの二人どうする…?…怪しそうには見えなかったけど…」
ノワール「あの頃の王族とは随分違う印象だったが、まだ警戒はしたほうがいい…」
ヴォルフ「そうだよね…一応屋敷の周りには逃げれないよう、結界を張ったけど…今は…あの国は変わっているのかな…」
ノワール「話を聞く限りでは、俺らが知っているあの頃とは違うようだが…ヴォルは…今のヴァルガシア国が気になるのか…?」
白い耳を立て、少し震え気味の声で話した
ヴォルフ「少し気になっている…あの頃みたいに偏見も差別もなさそうだし、多分僕とノワの関係を知っても普通に接してくれると思う…」
ノワール「あのブランシュとノーザンという輩は、王女と側近とはいえ親密にも見えた…おそらく番なんだろう…」
ヴォルフ「うん…でも…やっぱり、不老不死という事を知られるのが怖い……この紅い目のことも知られたら…不気味がられるかも…」
ノワール「…大丈夫だ…もし、今の王族らがヴォルフを狙っても俺が守るから…」
ヴォルフ「ノワ…ありがとう…僕もノワのこと守るから、絶対に…」
ノワール「ありがとう……どんな事があっても守り合おう…」
二人はしばらくの間、身を寄せあい
気持ちを落ち着かせた
数十分後、二人はブランシュとノーザンにどう話すかを相談している
ノワール「ヴォル…明日…あの二人にはなんて話す…?」
ヴォルフ「……今の…王族に…僕たちの事を話そう…不老不死のことも…紅い目のことも…本当にあの国が変わっているのなら、きっとこの事も受け入れてくれるだろう…」
ノワール「そうか…今の王族達は…俺がハーフの事も…野良出身である事も…受け入れてくれるかな…」
ヴォルフ「受け入れてくれるよ…きっと…あの子達を見ればわかる、王女で剣を持ち、側近はメス獣人…それで多分番同士…それだけであの国は変わったんだってわかる…」
ノワール「あぁ…そうだな…おそらくだが、あの二人が話していた、あの事件がきっかけなのかもな…あの国が変わったのは…」
ヴォルフ「そうだね。僕とノワの逃亡であの国が…ここまで変わるとは思ってもいなかったよ…」
ノワール「うん…でも国民には死んだことになっているけどな…」少し笑いながら
ヴォルフ「そのほうが僕的にはいいかな。国民にまで不老不死の事を知られたら…流石に何があるかわからないし…」
ノワール「うん…俺もそのほうがいい…もう王族のヴォルフもその側近のノワールもいないからな…」
ヴォルフ「うん…もう今は…ただのヴォルフとノワール…ただの普通の番だよ…」
その後、二人は少し雑談をし、夕食を済ませた後は、この日は早めに寝ることにした




