黙って行かないで 後半
医務室
ノワールはヴォルフをベットに座らせ、棚からリラックス効果のある栄養ドリンクを渡した
ノワール「ヴォル、これ飲んで…気持ちが楽になるよ」
ヴォルフ「うん…ありがとうノワ…んっ…ごく…ノワ…怪我は…?」ドリンクを飲む
ノワール「俺はもう怪我は治ったから、心配しなくていいよ…それより…やっぱりさっきの魔物は…あの時のと…同じなのか?」
ヴォルフ「首に傷があったから、あの時と同じだと思う…またノワに…無理をさせた…ごめんね…」
ノワール「いや、俺が勝手にやった事だ…それに黙って行ったし…俺の方こそごめん…ちゃんと話すべきだった…」
ヴォルフ「ノワ…確かに勝手に行ったのは怒っているよ…でもノワは僕の事を心配して…1人で行ったんでしょ?」
ノワール「…ヴォルは…あれ以降フォグリューを怖がっていたから……」
ヴォルフ「今でも少し怖い…あの時を思い出すから…でもこのままじゃダメ…もっと強くならないと」
ノワール「ヴォルはもう十分強いよ…っ…もう部屋に戻る?…」(少し腕が痛むな…)
そう言っている中、ヴォルフはノワールを抱きしめ、怪我をしている腕を触った
ヴォルフ「うん…でもその前に…ノワ…やっぱり…ここ治ってない…ちゃんと治療して…」
黒い尻尾はビクッと立てており、目を逸らしている
ノワール「…大丈夫だから…こんなのほっといても治るし…」
ヴォルフ「ダメ…!…魔力も減っているし、怪我の具合見るから服脱がすよ…」
ノワール「わかったよ…っ…んっ…ヴォル…?!」
ヴォルフはノワールの服を脱がし、腕の傷跡を舐めた
唾液に魔力を込め、治りが早くなるようにと
ヴォルフ「…ぺろっ…甘いけど…それより不安の味がする…よくなるまで舐めるから…んっ…」
ノワール「治るまでって…すこし…しみる…っ…」
ヴォルフ「っ…んっ…しみる…?…でも我慢して…これが一番治りやすいんだから…」
ノワール「我慢…するよ…ヴォルは大丈夫なのか…心とか…」
ヴォルフ「…不安な気持ちはあるけど…前みたいにならないよ…今日は抱きしめて寝たい…」
ノワール「あの時は数日間寝込んでいたからな…抱きしめるし…手も繋ぐよ」
ヴォルフ「うん…んっ…もうよくなったかな…でも無理は絶対にしないで、あとここしばらくは外出も禁止」
ノワール「外出禁止は厳しすぎないか…?…まぁヴォルがそばにいてくれるのならいいよ」
ヴォルフ「だってノワ、目を離したらすぐ無茶するから…ノワのそばにいるよ…ずっと…」
ノワール「お前じゃないんだから、無茶しないよ…ヴォル、こっち向いて…んっ…」
黒いマズルは白いマズルにキスをし、腕を背中に回した、離さないようにと
そのままヴォルフの胸に顔を埋め、蒼い瞳に涙をためながら、震える声で話した
ノワール「ヴォル…実は…ちょっと怖かった…フォグリューを見た時、あの時の事を……」
ヴォルフ「ノワ…もう大丈夫だから…あの時の事…僕も怖かった…でも今は僕もノワもここにいる、生きているから」
ノワール「そうだな…生きている、俺もヴォルも今ここで息をして、話せて気持ちを伝えれる…ぅ…」
ヴォルフ「うん…ノワ、落ち着くまで…涙が止まるまでこうしてあげるから…ん…」
蒼い瞳から溢れる涙を舐めとっている
ノワール「うぅ…ヴォル…くすぐったい…俺も…守れるよう…強くなるから…」
ヴォルフ「ノワもすごく強いよ…僕を守ってくれるくらいに…」
ノワール「でも…結局守られちゃったし…魔力も使わせてしまって…」
ヴォルフ「ノワ、番はお互い守るもの…だから守るのは当然のことだよ。魔力もすぐに回復するし…」
ノワール「うん…ヴォル…たくさん守って…俺も守るから…」
ヴォルフ「守るよ…ノワも僕のこと守ってね…もう部屋に戻る?」
ノワール「うん、戻る…夜は抱きついて寝たい…」
ヴォルフ「うん…離さないように…尻尾も巻きつけるから…」
その後、2人は尻尾をお互い巻きつけ、手を繋ぎながら
部屋に戻っていった
寝る前の吸血をして、お互いの顔を見つめ合い
手を握り、抱きしめながら就寝をした
ただヴォルフは吸血の影響で気持ちが落ち着かないが、ノワールを心配させないように平常心を装った
ノワールは目を瞑りながら、反省をしている
(ヴォルは過去…不老不死になって数年後の事
森に出たフォグリューを見て、あの時の事を思い出し、寝込んだことがあったな…
それ以降フォグリューを避け、見る事も調べる事もしなくなって、フォグリューに関する依頼などを避けていたな。
今回の魔物退治も俺はヴォルの事を思って、1人で対策をしたが…
結局ヴォルにバレて、力を借りる事になった…申し訳ない気持ちでいっぱいだ…
でももうあの頃のようなほど、酷いトラウマにはなっていないようでほっとしたが…
死なない体とはいえ、ヴォルは俺より強いし、見習わないといけないな…)
翌朝
カーテンの隙間から光が差している
ヴォルフは先に目を覚まし、ノワールの寝顔を見つめていた
ヴォルフ「ノワの寝顔かわいい…昨日はびっくりしたんだから……もう僕を不安にさせないで…」ノワールの頭を撫でながら
(あの時、あの魔物を見た時怖かった、また失う恐怖を…
それでも僕はノワのことを信じている、ノワは僕より強いし、死なない体だから。
でも昨日は横に寝ていたノワがいなくて動揺して、探し回っちゃったけど…
何か一言でも言ってほしかった…僕に気を遣っているのはわかるけど、何も言わずに行くのは不安になるよ…こういうところがノワの悪いところ。
夜…ノワが元気だったら僕の匂いを、ノワにつけよう…)
数十分後、ノワールは目を擦りながら眠りから覚めた
ノワール「…ゔぉる…おはよう…早起きだな…」
ヴォルフ「ノワ、おはよう…早起きってもう10時だよ…?」
ノワール「…?…もう10時…?!…寝過ぎた……」
ヴォルフ「まだ寝ていいよ…腕はもう痛くない?」
ノワール「腕はもう痛くないよ、まだ怒っているのか…?」
ヴォルフ「怒っているよ…心配させたんだから…んっ……ノワ…」
ノワールに抱きつき、強く腕に力を込めた
もう勝手にどこかへ行かないように
紅い目にはうっすらと涙が浮かんでいた
ノワールはそれを舐め、口付けをした
ノワール「んっ…っ…ヴォル…ごめんね…心配させて…次からはちゃんと報告するよ…」
ヴォルフ「うん…いつも僕に勝手に行くなっていうんだから…ノワも勝手に行かないで……」
ノワール「そうだな…いつもヴォルに言っているのに…今回は俺が悪いな…」
ヴォルフ「ノワは…悪くないけど…いややっぱり悪いけど…もうどこにも行かないで…本当に…」
ノワール「わかっているよ…次からは報告するから…」
ヴォルフ「本当にわかっているの?…まだぎゅってしたい…」
ノワール「うん…わかっているよ……俺もこうしていたいし…心配かけてごめんな…」
2人はしばらく抱きしめあった
この日の夜は深く愛し合い、体も心も全てを一つにさせ、普段通りの日常へと戻っていった




