黙って行かないで 前半
一部暗いシーンがあります
外は暗く、森には魔物が活発に活動している
屋敷の周りには常に結界が張られており、魔物は近づけないようになっているが、ノワールは1人である魔物を倒しに森の中へと入っていった
愛する番に黙って1人で、ヴォルフは寝ておりすぐには気づかれていない様子
森の中
『ヴォルには悪いが、あの魔物を見せるわけにはいかない…』
あの魔物、ノワールがあの時襲われた魔物だ
魔物は寿命が長い種類もいる
その中には数百年も生きる魔物も、あの時の魔物も同じく何百年も生きる
竜型の魔物、フォグリュー
この魔物は霧に紛れ、獲物を捕らえる習性がある
あの時、ヴォルフを獲物と認識し襲われそうになった
だがノワールは庇い、重傷を覆い、瀕死の状態になった
今は禁断の魔法のおかげで不老不死になり、生きている
ただヴォルフはあれ以降フォグリューを見る事を恐れている、あの時のことを思い出すからと
周りの霧が濃くなり、視界も悪くなってきた
ノワール「たしかここら辺だったはず…フォグリュー…絶対に倒してやる…!…ん?…この音は…」
近くに魔物の足音が聞こえる、それもかなり大きい音
音が近くなりこちらに向かってきている、おそらくあの魔物だろう
フォグリューはノワールの目の前に現し、鋭く大きい爪で攻撃を仕掛けた
それを咄嗟に避け、剣を持ち切りつけた
ノワール「ふんっ…!…っ…攻撃が入りくい…それにあの首の跡は…誰かにやられたものか?…うっ…」
マズルを抑え、吐き戻そうとするのを必死に抑えている
正直怖い、ヴォルフを悲しませてしまった原因であり、あの時の事を思い出してしまう
でも、自分はもう弱くない、だから今度こそは倒すと
その頃、ヴォルフはノワールがいないことに気づき
魔力や匂いを辿って屋敷の外へと走っている
数十分前の屋敷
横で一緒に寝ていたノワールがいない、でも匂いは残っている
『ノワがいない…なんで……』ヴォルフは落ち着かず、少し手が震えていた
『深夜の依頼もなかったのに…っ…まさか…とりあえず探さないと…!』
外から微かに聞こえる魔物の鳴き声、嫌な予感がした
ヴォルフは着替えを済まし、微かに残ったノワールの魔力や匂いを辿って森の中へと入っていった
不安な気持ちを抑えながら
森の中
匂いを辿っていき、ノワールを見つけた
ヴォルフ「はぁ…はぁ…ここら辺にノワの魔力を感じる…ノワ…なんで僕に黙って……っ…?…ノワ?!」
すぐに駆けつけたが、フォグリューを目の前に、肩から血を流し怯んでいるノワールの姿があった
ヴォルフはフォグリューの首元を見た瞬間、あの時のことを思い出した
あのフォグリューはノワールを襲った魔物だと、確信をした
息ができない、苦しい、恐怖で体が動かない、怖い、あの時のことを思い出してしまう
ヴォルフ「はぁ…はぁ…っ…ぅ…なんで…あの…魔物が…ぁ…」
座り込み、胸を抑えている
耳を倒し、尻尾を巻きつけ、気分が悪く、今にも吐きそうだ
でも、もうあの時とは違う、大切なパートナーを守るため、強くなった
あの頃のもう守られるだけの存在じゃない、だから必死に特訓をして強くなった
見ているだけじゃ変わらない、気持ちを落ち着かせるため目を瞑り集中した
ヴォルフ「…もうあの時とは違う…次は僕がノワを守る…!」
白い手は剣を構え、魔力を込めた
剣は蒼く光、周りには細かいオーブが包み込んでいる
ノワールはヴォルフがいることに気付き、すぐに逃げるように言っている
ノワール「ヴォル?!…なんでここに…こいつは危険だ!すぐに逃げて!」
ヴォルフ「…ノワ、もう僕は弱いままのあの頃とは違う、だから今度は僕が守る…!!…っ…!」
フォグリューの首に目掛けて攻撃をした
剣は深く刺さり、怯んだ、その隙に攻撃魔法を唱えた
青い炎を、対象物だけを燃やす魔法を使い、見事に命中した
魔物は倒れ、ぴくりとも動かなくなった
ヴォルフ「…はぁ…ぁ…うっ……ノワ…っ…?…肩怪我して…?!…すぐ治療するから…う…」
膝をつき、マズルを抑えている
今にも戻しそうなのを堪え、涙目で耐えている
ノワールはすぐに駆け寄り、背中をさすった
ノワール「ヴォル大丈夫か?…俺は大丈夫だから、それに魔物はもう息絶えたよ…」
フォグリューは動かなくなった
すでにノワールが攻撃をしていた事もあり、あの一撃も深かったのだろう
絶命をしており、微かに消えかけている
一部の魔物は死体が残らず、塵となり消えていく
だがフォグリューは消える魔物ではない
この魔物はおそらく一度死に、何者かが蘇生し操ったのだろうか
でも今はそんなことはどうでもいい、2人はお互いの事が心配で、それしか頭にない
ヴォルフ「はぁはぁ…ぅ…っ…あの…魔物…ノワを襲った…奴と…同じ…っ…はぁ…ノワ…怪我の…治療を…しないと…うっ…」
ノワール「魔物が…消えた…?……それよりヴォル、深呼吸して…俺を襲った魔物…って…もしかしてあの時の…」
ヴォルフ「うん…っ…首に…僕がつけた傷があったから…はぁ…フォグリューは寿命…が長いとは…いえ…まさか…うっ…」
ノワール「落ち着いてからでいいよ…ヴォル、屋敷へ帰ろう…背負おうか?」
ヴォルフ「…いいよ…自分で歩くから…っ…はっ…っ……動けない…やっぱり背負って…」
トラウマを思い出したせいか、動けなくなっている
結局ノワールに背負ってもらうことにしてもらった
ノワール「おっ…と…ヴォル、少し重いな…気分悪くなったらすぐ言えよ」
ヴォルフ「うん…重いのは…尻尾が大きいから……ノワ、怪我しているのにごめんね…」(でもノワの背中…あったかい…落ち着く…)
ノワール「重いのは健康な証拠だよ…怪我はもう治りかけだから大丈夫…それにさっき助けてもらったし…少し落ち着いた?」(ヴォルから不安な匂いが…それに怒り?の匂いも…やっぱり怒っているのか…?)
ヴォルフ「うん、でもちょっと酔ったかも…うっ…」
ノワール「休憩するか?…屋敷まであと少しだけど」
ヴォルフ「大丈夫…帰ったらノワの治療…するから…ね…」
ノワール「うん…あ…もう屋敷だ…」
2人は屋敷につき、ヴォルフを背負いながら医務室へ向かった




