第8話:休息の間と謎の商人
五階層クリア後の螺旋階段。
階段を登る途中、青白く光る扉が現れた。
「休息の間だ!」
扉を開ける。
泉の部屋。
三人とも、泉に駆け寄る。
水を掬い、飲む。
冷たく、甘い。
翔の肩の傷が、みるみる治っていく。
葵の魔力も、完全に回復する。
俺の疲労も、全て消える。
「はぁ...助かった...」
三人で、泉の近くに座る。
しばらく休憩。
「魔石...何に使うんだろうな」
翔が、赤い魔石を見つめる。
「分からないけど...価値はあるんだろうな」
「あいつらが、あんなに必死だったんだから」
その時──。
部屋の奥に、人影が現れた。
小柄な、フードを被った人物。
【謎の商人】
名前が表示される。
「ようこそ、挑戦者たちよ」
声は、中性的。
男か女か、分からない。
「誰だ...?」
俺が警戒する。
「私は商人。この塔で、取引をしている」
商人が、ゆっくりとこちらに近づく。
その時──。
別の挑戦者が、部屋に入ってきた。
中年の男性。
疲れ切った様子。
「ああ、商人...やっと会えた...」
男性が、商人に近づく。
俺たちは、少し離れた場所で聞き耳を立てる。
「この魔石で、何が買える?」
男性が、魔石を取り出す。
「ふむ...魔石1つで、情報を1つ。魔石3つで──」
商人の声が、小さくなって聞こえない。
「じゃあ、1つで頼む。次の階層について教えてくれ」
「次の階層には...」
商人の声が、こもって聞こえない。
「...が出る」
男性「なるほど、ありがとう」
男性が魔石を商人に渡す。
商人が魔石を受け取り、煙のように消える。
男性も、部屋を出ていく。
「...」
三人で顔を見合わせる。
「魔石で...情報を買える?」
翔が呟く。
「マジかよ...だから、あいつらは魔石を奪おうとしたのか」
「情報...確かに、価値があるかも」
葵が言う。
その時、商人が再び現れた。
今度は、俺たちの目の前に。
「君たちも取引するかい?」
商人が聞く。
「...魔石で、何が買えるんだ?」
俺が聞く。
「情報、アイテムの場所、隠し部屋の位置...色々とね」
「色々...」
「今は、まだいい」
俺が断る。
魔石は、貴重だ。
簡単には使えない。
「そうか。魔石は大切に。この塔では、命より重い」
商人が、再び煙のように消える。
「...不思議な奴だったな」
「でも、魔石の使い道が分かった」
「情報...いつか、必要になるかもな」
三人で、少し休憩した後、休息の間を出る。
螺旋階段を登る。
六階層へ。
文字数:約1,100字
主人公レベル:Lv10
到達階層:5階層クリア→6階層へ
スキル:『単調斬り』Lv5(二連撃)、『疾風斬』Lv1(五連撃)、『回転斬』Lv1
反復回数:累計65回
所持アイテム:魔石×3
発見:謎の商人、魔石で情報を買える
お読み頂き、ありがとうございます。
この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さると執筆の励みになります。
よろしくお願いします!




