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第34話:20階層ボス『永劫の獄卒』

扉の向こうから、地鳴りのような音が聞こえる。


ズン。ズン。ズン。


規則正しく、重い足音が響いている。


二十階層、最深部。


巨大な石造りの扉の前に、四人で立つ。


【警告:ボス戦です】


システムメッセージが表示される。


「来たな」


翔が槍を構える。


「準備はいい?」


美咲が弓の弦を確認する。


「はい」


葵が杖を握りしめる。


「行くぞ」


俺が扉に手をかけた。


重い音を立てて、扉が開く。


広大な石造りの空間。


天井が高い。十メートル以上ある。


そして——その中央に、そいつは立っていた。


巨大な鉄槌。


片手で持つには大きすぎる、黒鉄の塊。


壁のように巨大な体躯。三メートルはある。


全身を覆う灰色の装甲。獄吏の鎧だ。


顔はない。兜に覆われた頭部には、赤く光る一つ目だけがある。


【永劫の獄卒 Lv25】


「でかい...」


翔が呟く。


クロノスとは違う威圧感。


クロノスは「時間を支配する恐怖」だった。


こいつは——「物理的な圧倒」だ。


「散開!」


俺が叫んだ瞬間——獄卒が動いた。


鉄槌が、振り下ろされる。


床が——爆ぜた。


「っ...!」


避ける。


衝撃波が俺の横を通過し、壁を抉る。


石壁が粉々に砕ける。


一撃の重さが、桁違いだ。


「『炎矢乱舞』!」


美咲の矢が獄卒に降り注ぐ。


ドドドドッ!


だが——灰色の装甲が全弾を弾く。


「効かない...!」


「『氷結連鎖』!」


葵の氷が獄卒の足元を凍らせようとする。


一瞬だけ動きが鈍るが、すぐに鉄槌で氷を砕いた。


強い。


クロノスとは別方向で、厄介だ。


その時——獄卒の赤い目が光った。


【空間分断】


「——!」


世界が、裂けた。


足元が崩れる感覚。


視界が歪む。


体が引き裂かれるような衝撃。


「みんな!」


叫んだ。


だが——声は、届かなかった。


気がつくと、俺は一人だった。


石造りの、小さな空間。


天井も壁も、すぐそこにある。


閉鎖空間。


翔も、葵も、美咲も——いない。


「四人を、分断したのか」


獄卒の能力。空間を分断し、各個撃破する。


静かに、剣を抜く。


目の前に——獄卒の分身が現れた。


本体より小さい。だが、鉄槌を持ったその姿は同じだ。


「一人でも戦える」


剣を構える。


翔も、葵も、美咲も——今頃、同じ状況のはずだ。


それぞれの空間で、一人で戦っている。


「信じてる」


仲間を。


自分を。


「来い」


分身の鉄槌が、振り下ろされた。


文字数:約2,200字


到達階層:20階層(ボス戦)


備考:【永劫の獄卒 Lv25】戦開始。空間分断により四人が別々の空間に引き離される。次話で単独戦闘へ

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