第19話:十階層のボス、十三階層の鍛冶屋
十階層。
階段を登り切ると──巨大な工房だった。
「これは...」
石造りの広い空間。
中央には、巨大な炉。
赤々と燃える炎が、部屋を照らしている。
周りには、様々な武器や防具が並んでいる。
剣、槍、弓、盾──。
そして、部屋の奥に。
巨大な人型の、石のゴーレム。
全身が鋼鉄で補強され、右手には巨大なハンマー。
【マスター・ゴーレム(鍛冶屋)】
「何だ、あれ...」
翔が警戒する。
ゴーレムが、ゆっくりとこちらを向く。
「...客、カ」
低く、重い声。
「初メテノ、客、ダ」
ゴーレムが、ゆっくりと近づいてくる。
四人が身構える。
「待テ。敵デハ、ナイ」
ゴーレムが手を上げる。
「私ハ、鍛冶屋。武器ヲ、強化スル」
「強化...?」
美咲が聞き返す。
「ソウダ。魔石ヲ、使エバ。武器ヲ、強化デキル」
ゴーレムが炉を指差す。
「一ツノ武器ニ、魔石ガ、三ツ、必要」
「魔石三つ...」
俺たちが持っている魔石は、全部で3つ。
四人の武器を全て強化するには...十二個必要だ。
「足りないな...」
「ナラバ。魔石ヲ、集メテ、来イ」
「分かった。ボスを倒してから戻る」
「イヤ」
ゴーレムが首を振る。
「私ハ、此処ニハ、イナイ」
「え?」
「私ハ、複数ノ、場所ニ、イル」
「十三階層ニモ、私ガ、イル」
「そこで、武器ヲ、強化セヨ」
「十三階層に...?」
「ソウダ。隠シ扉ガ、アル。探セバ、見ツカル」
「分かった。ありがとう」
「マタ、会オウ」
ゴーレムが手を振る。
四人で工房を出て、十階層の奥へ。
【警告:ボス戦です】
巨大な扉の前。
「ボスか...気を引き締めよう」
扉を開ける。
闘技場。
円形の広間。
そして、中央に立つ──双頭の獣。
【双頭の炎獣 Lv18】
二つの頭を持つ、巨大な獣。
全身が炎に包まれ、口からは火が漏れている。
「レベル18...!」
「二つの頭...それぞれ別の方向を攻撃できるってことか」
美咲が分析する。
「囲まれないように、散開して戦おう」
「ガアアアアッ!」
炎獣が咆哮。
右の頭が火球を吐く。
「避けろ!」
四人が散開。
火球が地面に激突し、爆発。
「熱い...!」
炎獣が四本の脚で地面を踏みしめる。
そして──全身から炎が膨れ上がる。
「やばい、範囲攻撃かもしれない!距離を取れ!」
俺が叫ぶ。
四人が後退。
次の瞬間、炎の波が放射状に広がる。
ギリギリで避けられた。
「危なかった...!」
炎の波の後、炎獣が一瞬動きを止める。
「今だ!」
四人で一斉に攻める。
「『単調斬り』!」
【反復回数:215回】
俺の三連撃が脚を斬る。
「『連続突き』!」
翔の槍が五回連続で関節を突く。
「『氷結連鎖』!」
葵の氷が連鎖し、反対側の脚を凍らせる。
「『炎矢連射』!」
美咲の矢が...しかし炎に阻まれる。
「炎は効かないか!」
美咲が通常の矢に切り替える。
両脚が砕け、炎獣が倒れる。
「よし!」
でも、まだ息がある。
炎獣が二つの頭で同時に火球を吐く。
「まずい!」
「みんな、散れ!」
四人がバラバラに跳ぶ。
二つの火球が、それぞれ別の場所に着弾。
爆発。
「くそ...!」
でも、全員無事だ。
「今よ!蓮!」
美咲が叫ぶ。
「分かった!」
俺が跳ぶ。
炎獣の頭上へ。
「『崩壊斬』!」
【反復回数:217回】
剣を、二つの頭の間──首の付け根に叩き込む。
ガギャァァン!
衝撃。
炎獣の体が真っ二つに割れる。
【双頭の炎獣を撃破しました】
【経験値を獲得しました】
【レベルアップ!】
【朝倉 蓮 Lv15→Lv17】
【結城 翔 Lv15→Lv16】
【藤崎 葵 Lv15→Lv16】
【桜庭 美咲 Lv15→Lv16】
「やった!」
四人とも、地面に倒れ込む。
「はぁ...はぁ...勝った...」
炎獣の残骸から魔石×5。
「これで8個だ」
「でも、全員の武器を強化するには12個必要だな」
「次の階層で集めよう」
【十階層をクリアしました】
十一階層。
毒の沼地。
紫色の霧が立ち込める。
【ポイズンヒドラ Lv16】
三つの首を持つ巨大な毒蛇。
「毒に気をつけろ!」
ヒドラが三つの首から毒液を吐く。
「散開!」
四人が別方向に跳ぶ。
「首を一つずつ潰していこう!」
連携で三つの首を順番に破壊。
【ポイズンヒドラを撃破しました】
【魔石×1獲得】
「よし!9個だ!」
【十一階層をクリアしました】
十二階層。
火山地帯。
溶岩が流れ、空気が熱い。
【マグマゴーレム Lv17】
全身が溶岩でできた巨人。
「水属性が効きそうだ!葵!」
「はい!『氷結連鎖』!」
氷が連鎖し、溶岩を冷却して固める。
固まった部分を俺が砕く。
「『崩壊斬』!」
【反復回数:225回】
ゴーレムが崩れ落ちる。
【マグマゴーレムを撃破しました】
【魔石×3獲得】
「やった!12個!」
「これで全員分の武器を強化できる!」
【十二階層をクリアしました】
十三階層。
氷の洞窟。
階段を登り切ると──見慣れない扉があった。
「ん?」
他の扉とは違う。
青白く光っている。
「これが、隠し扉か?」
翔が扉に近づく。
「入ってみるか?」
「ああ」
扉を開ける。
その先は──工房。
「やっぱり...!」
巨大な炉、並べられた武器。
そして、部屋の奥に──。
【マスター・ゴーレム(鍛冶屋)】
「...客、カ」
低く、重い声。
「マタ、会エタナ」
「やっぱり、同じゴーレムなのか...」
美咲が呟く。
「ソウダ。私ハ、複数ノ、場所ニ、イル」
「全テ、同ジ、私、ダ」
ゴーレムが、ゆっくりと近づいてくる。
「武器ヲ、強化スルノダナ?」
「ああ。全員分、頼む」
魔石を12個渡す。
「承知、シタ」
ゴーレムが魔石を受け取り、炉に投げ込む。
魔石が、赤く光る。
「剣ヲ、炉ニ」
俺は剣を、炉に差し込む。
熱い。
手が焼けそうだ。
でも、耐える。
炉の炎が、剣を包み込む。
赤く、白く、青く──。
炎の色が変わっていく。
そして──。
「完成、ダ」
ゴーレムが、剣を取り出す。
まばゆい光を放つ剣。
刀身が、美しく輝いている。
【強化された剣『継続の刃』】
「すごい...」
剣を握る。
軽い。
そして、力が漲ってくる。
同じように、翔の槍、葵の杖、美咲の弓も強化される。
【強化された槍『貫通の槍』】
【強化された杖『氷結の杖』】
【強化された弓『炎弓』】
「これは...すごい...」
四人とも、強化武器を手に取る。
「力が...漲ってくる...」
【『反復の極意』の効果が1.5倍に向上しました】
システムメッセージ。
「ヨカッタナ。マタ、来イ」
ゴーレムが手を振る。
「ありがとう!」
四人で工房を出る。
「よし、次の階層だ」
十三階層の本編エリア。
【フロストタイタン Lv18】
巨大な氷の巨人が立ちはだかる。
「強化武器の力、試してみるか」
「『単調斬り』!」
【反復回数:230回】
三連撃が、以前より遥かに速く、鋭い。
タイタンの脚を一撃で深く斬る。
「すごい...!」
翔の槍、葵の魔法、美咲の矢。
四人の連携で、タイタンを圧倒。
【フロストタイタンを撃破しました】
【魔石×1獲得】
【十三階層をクリアしました】
十四階層。
雷鳴の平原。
空には黒い雲が渦巻き、雷が落ちる。
【サンダーベヒモス Lv19】
巨大な雷の獣。
「来るぞ!」
ベヒモスが咆哮し、雷を落とす。
「散開!」
強化武器の力で、戦いやすい。
「『単調斬り』!」
【反復回数:235回】
三連撃が、前より遥かに速く、鋭い。
ベヒモスの脚を斬る。
翔の槍、葵の魔法、美咲の矢。
四人の連携で、ベヒモスを追い詰める。
「最後だ!『崩壊斬』!」
【反復回数:236回】
ベヒモスの頭部を砕く。
【サンダーベヒモスを撃破しました】
【レベルアップ!Lv17→Lv18】
「勝った...」
【十四階層をクリアしました】
平原の北側。
商人の言っていた場所。
「隠し扉...このあたりか?」
壁を探す。
「ここかな...?」
わずかに色が違う壁。
手を当てると──。
扉が開いた。
「あった!」
その先は、石造りの円形の部屋。
中央には光る魔法陣。
壁には文字。
【訓練の間:幻影と戦い、己を鍛えよ】
「これが...訓練の間...」
四人で部屋に入る。
「訓練を始めよう」
文字数:約2,600字
主人公レベル:Lv18
到達階層:10-14階層クリア→訓練の間へ
スキル:『単調斬り』Lv10(三連撃)、『疾風斬』Lv1(五連撃)、『回転斬』Lv1、『崩壊斬』Lv1
反復回数:累計236回
所持アイテム:魔石×0
強化武器:全員取得完了
パーティレベル:蓮Lv18、翔Lv15、葵Lv15、美咲Lv15




