↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢(男)と攻略対象(女)、理不尽な乙女ゲームの世界を変える  作者: 文字書きA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/117

第31話:夜話

「……でもさ。貴族らしくないところって、どうやって見せればいいんだ? そもそも、シリルと個人的に会う方法なんてあるのか?」


「そこは任せて。僕は彼らが拠点(きょてん)として使っている酒場を知っているから」


そう言って、クリスは窓のほうを見た。


「……それにしても、正確な時間が分からないのは不便(ふべん)だね。時計があればいいんだけど。砂時計とか、この世界にあるのかなあ」


「……分かんねえな。作れねえし」


ジュリアもつられて、同じ方向に目を向ける。日が沈(しず)んでから、もう3時間くらいは経(た)っているような気はするが、それはあくまでも体感(たいかん)だ。


「ちなみにゲームではどうだったんだ?」


「昼と夜で1回ずつ行動する。それが30回で1ヶ月。1ヶ月が4回で1年。3年で1個のエンディングが見られる」


サラリと告(つ)げて、クリスは困ったように目を伏せた。


「だから正直、1番気にしてるのはイベントを起こす順番と時期(じき)だよ。砂時計があっても、あれって数分しか測(はか)れないし」


「……なるほどな」


ジュリアは納得して、イスに座った。


「けど、まだ眠くなったわけじゃねえだろ? だったらもう少し話していようぜ」


「……ああ、そうだね」


クリスもうなずき、彼女の向かいにある椅子を引いて腰を下ろす。そして彼は、少し考えてから口を開いた。


「……君はゲームとかやってたの?」


「あー……。ソシャゲとかなら。あと、有名なやつはそれなりに」


孝太(こうた)はどちらかというと運動することの方が好きだったが、それでも友人につきあっていくつかのゲームをしたことはあった。日本人なら誰でも聞いたことがあるタイトルを2個ほど上げて、ジュリアになった彼は続ける。


「なんか、お前は色々やってそうだな」


「まあ、そうだね。僕はインドア派だったから」


オタクの自覚があるクリス(日奈(ひな))は、胸を張って返した。


「アプグラ以外の乙女ゲームも色々やったよ。君は知らないと思うから、名前は出さないけど」


「……へー、そう」


彼の前世について、まだ何も気づいていないジュリアは、その言葉に少し引いた。


「そんなに面白いもんなのか?」


「まあ、恋愛シミュレーションはドラマチックな展開が多いからね。やってない人からはいろいろと言われたりするけれど、アプグラの監禁エンドだって、初めて見たときはスチルとボイスがあまりに良くて、ちょっとアリかなと思ったし」


「……いや、それはどうかと思うけど……」


呆(あき)れながら、彼女は言う。


「俺はやっぱり、狙(ねら)いすぎだって気がするな。他にないシナリオってのを考えすぎて、外したんじゃね?」


「……あー、それはファンの間でも言われてたね。実を言うと、僕もそんな気はしてた」


笑いながら、クリスが返す。こうして、2人の話は夜遅くまで続いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。