↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢(男)と攻略対象(女)、理不尽な乙女ゲームの世界を変える  作者: 文字書きA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/118

第18話:剣術(中編)

「はい! ありがとうございます!」


そう言ったジュリアの笑顔は、とても明るかった。


(……この子って、こんな顔もできるんだ)


意外な気持ちで、日奈(ひな)は彼女を見つめる。元のクリスティアンは、もったいないことをしていたと思いながら。彼になった彼女は、婚約者の手を取った。


(まあ、ジュリアも転生者だから、前と違うのは当然だけど)


手を繋(つな)いだまま、王宮の廊下を歩きながら。彼女は1人、考える。


(14才か。……若いなぁ)


Apple(アップル)∮Gurafa(グラファ)は直接的な性表現こそないが、過激(かげき)な話も含まれるため、大人向けだとされていた。

ゲームの対象年齢を示すCERO(セロ)という数値も、CかD。そして、この手のゲームにはありがちなことだが、登場人物の年齢は設定されていない。服装も中世のドレスやコートなどを元にした、ファンタジーではよくあるものだ。


(ジュリアの見た目は子供には見えないし、イラスト描いた人だって、大人だと思ってデザインしてたはずなのよね。ただ、元になった世界観が中世ヨーロッパだから、そっちに引っぱられただけでしょ。まあ、私にとってはそのほうが良かったけど)


日奈の年齢は30才。元となる少年の2倍以上だ。だから彼(彼女)の中では、クリスティアンとしての記憶より、日奈としての記憶の方が多くて強い。


(多分この子は、もっと若い)


彼女が乗っていた宮易(みやい)線は、通勤や通学で使われる路線(ろせん)だ。時間は少し早めだったが、それでも部活動の生徒らしき子供はいた。そのうちの1人だったと考えれば、違和感(いわかん)はない。


(女の子なのに剣を振りたいと思うのも、スポーツをやってたからかな)


そう思いながら、クリスは後ろに視線を向ける。ワクワクとした顔でついてきていたジュリアは、その顔を見て首をかしげた。


「……あの、何か?」


「……いや、単に気になっただけなんだけど」


彼は声をひそめて返す。


「君は部活とか入ってたの? もしかして、剣道部?」


「ああ……いや、サッカーです。でも、やってみたくて」


問いかけに、彼女の中にいる孝太(こうた)は笑って答える。


「別に、いきなり試合したいとまでは言わないんで。ただ、ほら……そういうの、憧(あこが)れてたんで。あなたにも、分かってもらえると思うんですが」


「確かに。僕もこの体になってからは、運動するのが楽しくなったな。体力も筋力もあるし、技術は体が覚えてるし」


「……あー。そういう意味だと、俺は前と同じだと思ってやると苦労するかもっすね。気をつけます」


自然な会話。その途中で、日奈はジュリアの一人称(いちにんしょう)に引っかかる。だが、そのことを聞き返す前に。2人は訓練場(くんれんじょう)についた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。