↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢(男)と攻略対象(女)、理不尽な乙女ゲームの世界を変える  作者: 文字書きA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/117

第14話:話は変わるが(後編)

(バカみてえだ)


ジュリアの中にいる孝太(こうた)は思う。


(グチャグチャ気にして、進めなくなって。こいつはずっと、俺と向き合ってくれてたのに)


彼女の前にいるクリスティアン(日奈(ひな))は、優しく穏やかな笑みを浮かべて、ジュリアを見ていた。部屋の扉が開いて、メイドがお茶を持ってくる。


「ごゆっくり、お過ごしください」


陶器のカップとポットを机の上に置いて、メイドはすぐに部屋から出ていく。クリスはジュリアの手を離して、ポットの中のお茶を、空(から)のカップに注(そそ)いだ。濃い赤茶色の液体から、湯気(ゆげ)がたつ。


「どうぞ」


「……ありがとうございます」


カップを受け取って、揺れる水面(すいめん)を見ながら。ジュリアは目を伏せてつぶやいた。


「それで、私(わたくし)がすべきこととは……? ポウムやパットに、特別な地位を与えてはならないのですよね?」


「そうだね。ただ、パットはともかく。君がポウムに関わらないと、それはそれですぐ死ぬから……。1番いいのは、公爵に頼(たの)んで彼女を部屋つきにしてもらうことかな。その後は、買い物や掃除を言いつけて、できるだけ休ませずに働かせ続けてくれ」


「……少し気が咎(とが)めますが」


ジュリアは沈(しず)んだ声で言う。クリスも同じ気持ちだった。


「ポウムはいい子だからね。でも、他の使用人たちから疎(うと)まれないためには、その方がいいんだ。ワガママな主人に目をつけられて、苦労しているように見えるから」


「ワガママな……」


ジュリアは今までのことを思い返してみた。部屋つきになったメイドに、あれこれと注文をつけて困らせていた、子供のころのことを。


「……ちょっと、というか。かなりやり過ぎていませんか?」


「そう思うのは、僕たちが転生者だからだよ。この国ではそれが普通なんだ」


「それは不満もたまりますわね……」


しみじみと言って、ジュリアはカップを持ち上げた。そのまま彼女は、温かいお茶に口をつける。香りが良く、少し苦いハーブティーは、飲むと体がポカポカした。お茶を飲みながら、彼女は気になっていたことを聞く。


「……クーデターを起こされて、あなたは困らないのですか」


「僕も、元の僕とは違うからね」


ニコニコと笑って、クリスは告(つ)げる。


「この国は変わるべきだと思う。フィリクスはまともな考えを持ったやつだよ。ただちょっと、趣味が悪いだけだ」


「なるほど」


話を聞いて、ジュリアも笑う。彼はどうやら、ひどい人間ではないようだと思いながら。穏やかな声で、彼女は続けた。


「では、そのように。お茶を飲み終えたら、私(わたくし)たちも休みましょう」




1/気が咎める

「うしろめたい気持ちがする。やましさを感じる」


この後書き内での説明は、コトバンクのデジタル大辞泉から引用したものです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。