↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢(男)と攻略対象(女)、理不尽な乙女ゲームの世界を変える  作者: 文字書きA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/118

第10話:なにそれ知らない(前編)

「あっ、あのぅ……手を離してもらっても……?」


震(ふる)える声で、ジュリアが言う。それを見て、クリスティアンは穏やかな笑みを浮かべた。


「……ああ、ごめん。驚かせちゃったね」


彼はすぐに彼女から離れて、ゆっくりと立ち上がる。その後、少しして。ジュリアもなんとか、気を取り直してクリスを見た。


「……えっと。それで今後は、どうしたら……?」


「そうだね。とりあえず、座ろうか。君は体調(たいちょう)を崩(くず)したばかりだし」


「あれは前世の記憶を思い出したからで……。今はもう、平気ですよ」


話しながらも、彼女は彼にうながされるままに、イスに座る。純金のイスはわりと重くて、動かしにくかった。


「……どう考えても、家具を純金にする必要はなくねえか?」


「ないと思うよ」


クリスは苦笑しながら続けた。


「でも、ここが君の家だからね。ガマンして。それから、僕以外の人にそんなこと言わない方がいいよ。おかしくなったと思われて、地下牢に入れられるから」


「……ハイ。気をつけます……」


冷や汗を流しながら、彼はクリスの方を見た。


「……それで、私(わたくし)は何をすればいいんでしょうか。主人公とは、仲良くするべきなんですよね?」


「えーと……。……特別扱いはしないでほしいな。それをすると、ポウムが他のメイドからいじめられるから。ポウムは他の屋敷でも長年メイドとして働いていたから、放っておいても大きな問題は起きないはずだよ」


クリスの中にいる日奈(ひな)は、考えながら言葉を落とす。ジュリアとなった孝太(こうた)は、その様子を見ながら聞いた。


「……それで。私はこのまま、あなたと婚約していていいんでしょうか」


「……え?」


クリスは目を見開いて固まる。彼(と日奈)にとって、ジュリアとの婚約は当たり前にあるもので。なくなることなど、考えもしなかったから。


「……そう、だね。他に好きな相手がいなければ……」


「でも。来年にはもう、私とあなたの結婚式が」


「大丈夫。今年の冬に、宰相(さいしょう)子息(しそく)がクーデターを起こすから。結婚式は、とうぶん延期されるよ」


彼女の言葉を遮(さえぎ)って。彼はサラリと、とんでもないことを言った。ジュリア(孝太)は一瞬(いっしゅん)、その言葉の意味が分からなくなる。


「……クーデター……?」


「うん。……前世の記憶を活(い)かして、僕からフェリクスに持ちかけたんだ。計画の基本はできていたから、そこに加えてもらう形で。君のことは僕の協力者だと伝えていて、危険なことはないと思うよ。安心していい」


「……って、んなこと聞かされて、安心できるやつがどこにいるかー!!」


ジュリアは思わず、イスから立ち上がって全力で叫(さけ)んだ。屋敷の中に、彼女の声が響(ひび)きわたる。

いつも読んでくださり、ありがとうございます。

ご意見、ご感想、リアクションでも作者はとても嬉しいので、送っていただけますと幸いです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。