表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空手バカ一代と行く、JDまどかの心霊探索ツアー  作者: AKTY
第7話 オカ研たちの夏合宿―田舎の事故物件編―

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

98/138

第7話―27 まどか、報告する

 早朝からのまどかの迷惑な呼び声に応対したのは弥幸みゆきだった。寝グセすらも計算され尽くした無造作ヘアに見える、朝イチに目にするには眩しすぎる顔を縁側から突き出した。


「あれ、神谷さんと有明くん?こんな早くからどうしたの?」弥幸はまだ眠いのか目をこすりながら言った。


 出てきたのが凛子りんこではなく弥幸だったのは恐縮しないでもなかったが、円としてはもういろいろ面倒になっていた。いまさらごまかしようもないので、弥幸が喜ぶことをストレートに言ってやろうと思った。


「出ましたよ、オバケ!」弥幸が目を見張るのを確認し、さらに続ける。「私、呼ばれちゃいました、例の "井戸" に!」


「え〜 !? ほんとにぃ?」一気にテンション爆アゲな弥幸が大きな声で驚嘆した。「え?なになに?ちょっと待って、あそこでだよね?井戸って、それ見たの?」


「ええ、まあ⋯⋯」あまりの弥幸のはしゃぎように、逆に勢いを削がれる円だったが、さっき体験したことを順を追って説明していった。


 最初ノリノリで楽しそうに聞いていた弥幸だったが、ことがそれほどお気楽な状況でなかったのではないかと気づき、表情を固くした。


「それ危なかったわね」いつの間にか弥幸の背後に立っていた英依はなえが口を挟んだ。「穴に落ちたから助かったのよ。なんていうか⋯⋯位置情報がズレたんでしょうね。そのまま "井戸" に辿り着けていたら、おかしなことになっていたかもね」


 英依の解釈を聞いて、円の背筋にゾワワっと怖気が走った。彼女がそう言うのなら本当に危なかったのかもしれない。穴があってよかった⋯⋯省吾しょうごをチラッと見る。この空手バカがやる気出していなかったら、今頃は⋯⋯


「あ、でも、そうね⋯⋯ちょっとわかったかも」英依は円に顔を寄せると、クンクンニオイを嗅ぐように鼻を動かした。「あなたかなり核心に近づいたみたいだからね、痕跡が残ってる」


「え?なんですか?」円は自分の体臭を気にして身を離しながら問う。


「ねえ、この家ってなにか大事な物が収められてそうな場所なかった?」


 大事な物?そんなものあるとしたら、開かなかった納屋か⋯⋯


「あっ、ありますあります」円は思いついて声が高くなった。その方角を指し示す。「あっち、家の裏に祠がありました。扉がついてて、でも開かなかったんですよね」


「そうそう、小さな石の祠だけどね、扉ぜんぜん動かなかったねえ」弥幸が補足する。


 それを聞いて英依は振り向いてジッとそちらを凝視する。そこはただの室内だが、その壁の先にある祠を感知しているのだろうか。


「うん、たぶん当たりね」英依はそう言うと弥幸に向かって「サンダルかなんかある?」と聞いた。


 弥幸は奥に戻っていってサンダルと、円たちの靴、そしてタオルも持ってきた。自分はそれから土間に回って、裏口を開けて出てきた。なぜか後ろには凛子がくっついている。凛子は簡単にではあるが朝の身支度も終えていた。


「みんなで行くの?」英依は呆れたように言った。


 とりあえず円と省吾は外の水道で汚れを落とし、靴を履いた。準備が済むのを待っていた英依は、なにも言わずに先頭に立って歩き出した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ